【不思議体験】赤い風船とレンガの道
小学生の頃に体験した不思議な記憶の話。
私は幼少期にパラレルワールドに移動していたことがある。
当時はそういう不思議な出来事に遭遇していたことには気づいていなかった。
大人になってから能力者の方に相談して発覚したわけだ。
私が体験した話を『パラレルワールドと私』にて詳細が記載してあるので、興味ある方は一度ご覧頂きたい。
ここだけの話だが、先程紹介した記事には書いていない内容がひとつある。
小学1年生の頃に体験した不思議な記憶のこと。
あれから何十年も経っているが、時々思い出しては懐かしんでいる。
かなりの年数が経っているというのに、あれだけはっきりと景色や色彩を思い出すことが出来るのも不思議だと自分でも思っている。
それでは、不思議な記憶について書いていこう。
子供の頃に住んでいた場所はよくある田舎村だ。
田んぼと畑、少し歩くと山が見えてくる、道沿いには少し大きな川が流れており、無人の神社と村の中心部には集会場が存在していた。
私が住んでいた家は村の中心部にあり、台風が来るたびにガタガタ揺れては天井の埃が落ちてくるほどの古い家だった。
かなり長い年月人が住んでいなかったことで幽霊の住処になっていたような場所であり、様々な心霊現象が起きていた。
そのような奇妙な家に住んでいたからこそ体験したのかもしれない。
時間は15時くらいだったと記憶しているが、私は学校から帰宅して宿題をやっていたのだが、早々に終わらせて暇を持て余していた。
ちょっと散歩に行きたい気分になったので、外の様子を確認するために窓から覗いてみた。
あれ?目の前に広がっている場所は一体どこなの?
普段見慣れた田舎の風景・・・ではなかった。
洋風な街並みが広がっていた。
心が温まるような不思議な空間の存在に私は驚いてしまった。
私の頭にはハテナマークがたくさんついた。
こんなにお洒落な風景は一度も見たことがないからだ。
私の知っている田んぼと畑と山へ続く道は存在しなかった。
それとはまったく違う景色が目の前に広がっていた。
レンガで作られた綺麗な道路の側には2メートルほどの街路樹がいくつも並んでおり、花壇には綺麗な花が咲き誇っているではないか。
まさに女の子が憧れを抱き、住みたいと思うような街に様変わりしていた。
私の心はぱーっと明るくなった。
なんて素敵なんだ!
こんなの初めて見た!
私は食い入るように外の景色を眺めていた。
レンガの道の上を歩いてみたい。
綺麗な花を眺めたい。
目線の先にあるものが入ってきた。
赤い風船がひとつ。
す~っとレンガの道を移動するように現れた。
一定の高さでふわふわ浮かびながら視界の右から左へ動いている。
私の目はキラキラと輝いていた。
わくわくが止まらない。
今すぐ、外に飛び出したい。
勝手口からこっそり抜け出して外に出ようとした私を呼び止める声が聞こえてきた。
???「どこへ行く!?」
私はびくっとした。
声の主は私の母親だった。
私は赤い風船が飛んでいることを伝えたのだが、母親には見えていないようだ。
レンガの道路や綺麗な花壇のことも説明したが、全く話が通じないのはどうしてだろう。
そんなもの存在しない、うたた寝して夢でも見ていたのではないか・・・と言われてしまった。
私は必死に訴えたが聞いてもらえなかった。
早く行かないと風船が飛んで行ってしまう。
焦る気持ちが強くて靴をうまく履けなかった。
外に出るなという母の声を無視して何とか靴を履いて外に行こうとするが・・・足がもつれて動かない。
もう間に合わない、風船は遠くへ行ってしまう!
私の体がぐいっと後ろに引っ張られ、一瞬頭の中がポンっとはじけたように軽い刺激が走った。
はっと気が付いた。
外を確認するといつもの田舎の風景が広がっていた。
さっきまであったレンガの道や綺麗な花壇、赤い風船はどこにも存在していなかった。
さっきまで見えていたものはどこに消えたの?
靴を履いて外に出る。
家の近所を歩き回るが私の知っているいつもの風景だ。
あの素敵な街並みはどこにも見当たらなかった・・・。
あれは夢だったの?
いや、違う。
そんなことはない。
あれだけはっきりと鮮明に記憶しているから、私が見たものは現実に存在していたもののはず!
それを証明するのは難しい、だからもう母には何も言わなかった。
母も必要以上に追求してくることもなかった。
あの時、母に呼び止められなければ私は外に飛び出していただろう。
赤い風船を追ってレンガの道を走っていたかもしれない。
そのまま、知らない街に移動してしまい、元の世界へ戻れなかった可能性もあっただろう。
あれから何年も経つが、一度もあの不思議な街並みを見ることはない。
母に何度かあの時の話を聞いても「さぁ、気のせいじゃないか?」としか言われない。
あの不思議な景色はパラレルワールドだったのかもしれない。
子供の頃にお洒落な街並みに住んでいた、そういうひとつの可能性が秘められた似ていて異なる世界。
願うならば、もう一度あの街並みを見てみたいものだ。
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