【心霊体験】笹を揺らすような音
静まり返った売り場で笹を揺らすような音が聞こえた話。
何年か前の11月頃のことだった。
営業時間が終わり、閉店作業であるレジ点検や戸締りをしていた。
店内放送も切り、エアコンの電源も消した。
ドアも窓も鍵がかかってるので店員以外は売り場にはいない。
し~んと静まり返った売り場に異変が起きた。
カサカサカサという笹が揺れるような音が聞こえてきた。
売り場で雑務をしているのは私一人だけ。
他の従業員は事務所に戻っていた。
売り場には置いていない笹を揺らすような音がなぜ聞こえたのだろうか?
エアコンは消してしまったので空気の対流もなく、何かの展示物が揺れた音でもなかった。
売り場でネズミやゴキブリなどの小さな生き物を見たという話は聞いたことがない。
疑問に思いつつもその日は気のせいだと思うことにした。
その後も静まり返った売り場で笹を揺らすような音を何度か耳にすることになるが、原因は不明だった。
当時はオカルト好きのパート仲間はまだお店に働きに来ていなかった時期だったので、そういう話をする相手もいなかった。
むしろ、オカルト話を怖がる人の方が多いようなので、不思議な体験は私の胸にしまっておくことにした。
しばらくしてから、違う場所で異変が起きる。
従業員の間である噂が流れていることを偶然知ったのだが、水道の水が勝手に出てくる、切ったはずのエアコンの電源が勝手に入る、といったおかしな現象が起きているらしい。
学生バイトはトイレに入った瞬間に水が勝手に出てきたので怖がっている。
蛇口をひねって水を出すタイプであり、センサー式ではない。
姿の見えない何者かが蛇口をひねって水を出しているのかもしれない。
最初の頃と比べると、奇妙な出来事が増えてきている。
売り場で聞こえた笹を揺らすようなカサカサ音とエアコンの電源やトイレの水を勝手に出したモノは同一存在だろうか?
いい存在か悪い存在かは分からない。