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【不思議な夢】桜吹雪と黒い影

桜吹雪舞う京都の街中を散策する3人組とそれに付きまとう黒い影の不思議な夢の話。

気付いた時には夢の世界にいた。
桜吹雪の舞うとても美しい景色、ここは京都のどこかの街の中。
その街が現実に存在するかしないかは分からないが、何となく懐かしさを感じる。

ここは間違いなく私の生まれ故郷の京都だ。

私の側には顔がよく分からない中肉中背の男性ともうひとりどこかで会ったことがあるような20代くらいの可愛らしい女性が立っていた。

男性の方はひたすら無言を貫いている。
ただただ側に居るだけ。
一方で女性の方は様々な情報を私に向けて語ってくれている。

私のやるべきこと、運命を切り開く方法、私はどうすれば先に進めるのか・・・。

どうやら女性に相談をしたようだが、何を相談したのかは思い出せない。
女性の口から語られる助言の方もどうやっても思い出せない。

女性は語る、「私は霊感があるから視える」と。

その霊感でどうしても視てもらいたいものがひとつある。
ただ、それをお願いするのは厚かましくないだろうか。
天のお告げでnoteに体験談を書いているが、今後問題なく更新することが出来るのだろうか、というものだ。

しばらく悩む、3人で美しい桜を眺めながら散策する。
男性は一言もしゃべらず、女性は私に語り掛けてくれる。

何故、男性は何も話さないのだろうか?

ふと、そう考えた途端に強い風が吹きつける。
桜吹雪が舞い、視界が遮られそうなほどの勢いだ。

綺麗というよりは凄まじい、一体何が起こったんだ!?
一瞬不安に駆られる。

ぶわ~と舞う花びらからは微かに甘い香りが漂う。

しばらくすると、しんしんしん・・・と静かに道路に落ちていく。

桜の吹雪は落ち着き、先ほどの綺麗な景色に戻る。
だが、あることに気が付いてしまった。

男性の姿はなかった。
一体どこに消えてしまったのか。

あの桜吹雪と一緒に去って行ってしまったのだろうか。
心にぽかんと穴が開く。

寂しい、人が居なくなるのがこんなに寂しいものだとは。

女性はまだ私の側に居てくれているが、その上半身を見てぞっとした。

黒くておぞましい影が女性に憑依しているではないか!
女性は冷や汗をかきながらにこっと笑顔を向けてくれたが、影が女性の全身を覆いつくそうとしている。

このままでは女性が危ない!

何とか助けたい!

でも、私には何の力もない!

女性が影に浸食されていく様をただ見つめることしか出来ない。

女性を包み込んだ影が何かの形に変わっていく!?

黒い、大きな、顔だ!

ニヤリと不敵な笑みを浮かべたその影の顔は私を挑発している。

やれるものならやってみろ・・・と。

ダメだ、この影には勝てない。
逃げるしかないんだ。
悔しいけど・・・私にアドバイスをくれた女性を見捨てる形になるけれど。

心の中から湧き出る感情が私の心臓を締め付ける。

今の私では無理なんだと・・・。

いつの間にか目が覚めていた。
背中が冷たい・・・汗をかいたようだ。

夢の中の京都は桜吹雪の舞うノスタルジックな街だった。
謎多き男性と霊感がある女性、この2人からは他人とは思えないような懐かしさを感じてしまった。

そして、突如どこからともなく湧いて出てきたおぞましい黒い影は一体誰の念だったのだろう。
実は、この黒い影もどこかで見たことがあるような気配を漂わせていた。

場所も人も影も全て知っているかもしれない。

私の生まれ故郷の中で起きた一連の出来事には何か深い意味があると思うのだが、現状ではそれを知る術はない。

あの女性が無事であることを祈るばかりだ。