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【奇妙な体験】何かを連れてきた代車

ある年の車検の時期に少し変わった体験をした話。

車検の時期が近付いてきたので電話で予約を入れることにした。

電話の途中で何となく嫌な予感がしていたが、何とも言えない胸のモヤモヤと目の奥が少し遠のくような感覚を受けた。

胸騒ぎがする・・・。

少し不安な気持ちのまま車検の日を迎えた。

手配してもらった代車を運転している時はそれほど違和感はなかったが、何となく引っかかるものを感じていた。

母が帰宅後、代車を見るなりこんなことを言い出した。

母「明日のパートは送り迎えしてやるからこの車に乗らなくていい」​

代車を見て何を思ったのかは教えてくれなかったが、霊感がある母のその手の発言はほぼ当たる。

母の助言通り代車には極力乗らないことにした。

次の日の朝、ポンポンポンっとボール遊びの音が響いてきた。
ボールの跳ねる音は結構大きいが、アスファルトを走り回る足音や肝心の人の声が聞こえないのは何故だろう?

聴こえるのはボールが跳ねる音だけだ。
その音は一定の間隔で同じような音量でポンポンポンと鳴り響いた。

どこでボール遊びしてるのか、代車にぶつけられると嫌だなぁと思った矢先に雨がザーっと降り始めた。
その瞬間、ボールの音は消え失せてしまった。

おかしいな、天気予報では今朝は晴れじゃなかったのか?

そう思って家の外を眺めると雨なんて降っていなかった。
雨が降った痕跡がなくてアスファルトは乾いていた。

じゃあ、あの雨の音は一体何だったのか?

その次の日の朝はさすがにボールの音はしなかったが、目覚めてしばらくしてからザーっと雨が降る音がまた聞こえてきた。


外を見ると雨は降っていなかった。
やはりアスファルトは乾いていた。

何なんだ、この雨の音。

母に体験したことを話してみたが、気のせいじゃないかとはぐらかされてしまった。

いや、絶対気のせいではないと思う・・・。

ボールの音は偶然近くを通りすがった誰かが出した音だとしても、雨の音が2日連続で聞こえたのに道路が濡れてなかったことだけはどうしても説明できない現象だ。

何も情報が得られないまま車を取りに行く日がやってきた。

車検を終えてようやく自分の車が戻ってからは雨の音は聞こえなくなり、いつも通りの日常に戻っていった。

あの代車は一体何だったのだろう。

霊的な何かが居座っていたのか、それとも強い念が染みついていたのだろうか。

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