【不思議体験】父が遭遇した謎の男性
父が時空のおっさんと思われる男性と接触した話。
それはある年の11月に起きた。
単身赴任中の父が久しぶりに家に戻ってきた。
その時に必要な物があったために、私のパート先に買い物に来ていた。
父の来店時間帯はちょうど私の休憩時間と被ってしまったことで店内を確認することがないために気付かなかった。
帰宅後に父が遭遇した奇妙な出来事について聞かされることになる。
(父がその日に戻って来ることは帰宅するまで知らなかった)
父がお店に入ってしばらくは何事もなく棚に陳列されていた商品を眺めていた。
そのうち何か違和感を覚える。
ふと、お店の雰囲気が違うことに気付いた。
さっきと違う、店員やお客さんの姿が消えている・・・。
入店時には店員や他のお客さんは居たのに、商品を見ている途中でお店の雰囲気が先ほどと違っており、他の人が誰ひとりとして居なくなってしまった。
何かおかしいと感じていた父はさっさと買い物を終えて帰宅したかった。
欲しい商品がどこに置いてあるか分からないものの、誰も居ないので聞くことすら出来ない、そんな困った状況に陥った父に声をかけてくる人物がいた。
男性店員「何かお探しものですか?」
父に話しかけてきたのはスリム体型の細い目をした40代くらいの男性店員だった。
探しているものの名称を告げると「〇〇の位置にありますよ」と説明されるが、一瞬目をそらした隙に男性店員の姿が消え失せていた。
男性店員の姿が消えた後はお店の雰囲気も元に戻っており、他のお客さんの姿も確認することが出来た。
そのあとは普通に買い物をして帰宅したそうだ。
以下が帰宅後の父と私の会話である。
父「今日お前のお店に買い物に行ったら何とも言い難い奇妙な出来事があった」
私「何があったの?」
父「お店に買い物に行った際にお店の雰囲気がおかしかった、他のお客さんも居なかったし、スリムで細い目をした男性店員に話かけられたが、目をそらした隙に居なくなっていた」
父「その時だけ変な感覚がした、何が変なのかはうまく説明できない」
私「男性店員なんてその日は誰も出勤してなかったよ」
父「間違いなく男性店員だった、ただ、服装や顔などはあまりはっきり思い出せない」
父「スリム体型で細い目をした40代くらいの男性だった、メガネはたぶんかけてなかったと思う」
買い物中に体験したことは奇妙な出来事であると認識はしていたみたいだ。
それで私に具体的に聞きたかったらしい。
その日のお店は女性店員ばかりで、男性店員はひとりも居なかった。
スリム体型で細い目をした40代くらいの男性店員、それに該当する店員は私のパート先には存在しない。
誰かのなりすましだろうかと一瞬疑ったが、わざわざそのような手の込んだことをする必要があるのだろうか?
父が言うには相手の服装をはっきり思い出すことは出来ないが、なぜかその男性が店員だと思い込んでいたとのことだった。
もしかしたら、買い物中に一時的にどこか違う空間に紛れ込んでしまったのか?
偶然にも遭遇した店員と認識された男性は何者だったのか?
一瞬で消え失せてしまった謎の男性店員。
私は休憩時間中であったことで、父の身に奇妙な出来事が起きていたことにはまったく気づくことはなかった。
もし、私が休憩時間中に売場に顔を出していたとしても、存在している空間が違えば顔を合わせることもなかっただろう。
私のパート先は霊感ある人曰く「霊的環境があまり良くない場所」らしい。
霊的環境が悪いだけではなくてもっと別の何か異質なエネルギーが漂っている場所かもしれないし、別の空間へと繋がりやすい場所なのかもしれない。