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【人怖話】中身が抜き取られている話

先日このようなことがあった。

お客様に声をかけられたのだが、少し困惑したような表情である商品の袋を差し出してきた。
お客様が言うには中身が抜き取られた状態で売場に放置されていたのだという。

私は「確認しておきます」と返事して袋を受け取った。

すぐさま倉庫に居るリーダーの元にその袋を持っていく。
リーダーはため息をつきながら「またか・・・」という反応だった。

私は何度もその商品の売場で中身が落ちていないかチェックしたものの、中身はどこにも見当たらない。

・・・お店の店員をやっていると、こういう出来事には頻繁に遭遇してしまう。
中身だけを抜き取られて外装のみが店内に放置されている状態。
やってしまう人の中には外装ごと持って行ってしまう人も多いだろう、
それらを含めるとかなりの数になると思う。

だが、この外装だけを店内に放置する、という被害もそれなりに多いのには驚きを隠せない。

パッケージごと持ち去るのではなくて、中身だけ持ち去ることで、もし、途中で誰かに見つかったとしても、私物だと言い張られたら確認しようがない。

※実際は防犯カメラでチェックすると大抵は犯行シーンが映っている

「店内にゴミを捨てただけじゃないの?」と思われるだけかもしれないが、あとで担当者が在庫確認をするので、数が合わなければ抜き取られたことが分かってしまう。
ましてや普段あまり動かないアイテムだと何日様子を見ても一切数字に変動がないために、やはり抜き取られたと分かる。

それを上司に報告すれば「万引きを防ぐにはお客様への声掛けが大事だ」と言われるものの、声をかけるにしても、人間の性格は千差万別である。

相手の性格によっては店員に話しかけられるだけでも嫌がる人は一定数存在する。
むしろ、相手の言動に問題点があったとしても、それを認めずに威圧的な態度を取って来る人もいる。



上記の記事はざっくり説明するとセルフレジで支払いをしないで商品を持ち去ろうとしたお客様にそれとなく支払いをお願いした際に「お前の名前、教えろや!」と脅された時の話だ。

この時は毅然とした態度で「〇〇です」と名札を堂々と見せたことで、逆に相手の方がフリーズしてしまい、すごすごと黙って帰っていってしまった。
もちろん、1年以上経った今でもその相手から一切クレームの電話すらかかってきていない。

支払いを済ませずに帰ろうとしたら、当然だが店員から声をかけられる。
声をかけられたことが気に入らないからと名前を聞いて脅してやろうと思ったのかもしれないが、そもそも店員に何の落ち度もないわけで、もしクレームの電話を入れたとしても、上層部の人達はまずは防犯カメラでチェックをする。

お客様からかかってきたクレームの内容と実際の内容に差異がないか。

実は、割と差異があることが多い。
クレーム入れる側はいちいち確認なんてされないだろうと高を括っているかもしれないが、実際は必ずチェックされている。

チェックすることで、相手かこちらかどちらに問題があるか分かる場合も多い。

とはいえど、ずる賢い相手だったら、この角度なら映らないだろう・・・と把握している場合もあるので、その位置でやられたら確認しようがない。
ただ、レジはちゃんと録画しているし、画面の拡大も可能なので、レジで堂々と商品の持ち去りはしない方が良い。

あとは・・・他のお客様からの情報提供もそれなりにある。

「私、見ちゃったのよ!〇〇のお店で買い物していた時に隣のレジの人が!」と教えられることがあるが、意外と見ているんだなぁと感心させられることが多い。