フィンランド滞在記㉛
㉛最果ての地、ウツヨキ
イナリから小型バスに乗って出発。ここから北は初体験です。
一本道の道路をひたすら北上していきます。
途中、休憩がありました。
ドライバーさんが親切に「15分間、停まるから」と伝えてくれます。
小さなドライブインです。
レストラン、土産物コーナー。お手洗いは重宝します。
休憩が終わり出発。
窓の外の景色が変わってきたのに気づきました。
「木が生えてない…」
気候が違うところを北上している、それを実感します。
ラップランドの観光サイトやガイドで、よく「Wilderness(荒野)」という単語を目にします。それはこういうことなのですね。
湖もありました。美しいです。
木々が生い茂った森の湖とはまた違った美しさ。
開かれています。
90分のドライブが終わり、ウツヨキへ到着。
着いたのはドライブイン(カフェ)の前。
バスの時刻表なども掲示してあります。
旅人にとってはここがウツヨキのベースキャンプになります。
店内に足を踏み入れると温かい木の匂い。
パンフレットがいろいろ置いてあって、右手にはカフェスペース。
幾つかのテーブルに地元のお年寄り達が集まって談笑してました。
注文を受けて笑顔で料理を提供するお姉さん。
さらにその奥には食料品の販売スペース。
人が集まる場所、なのですね。
中をキョロキョロしましたが、誰も気に留めません。
それが僕には嬉しくて。
「観光客!いらっしゃい!」よりも、
自由に振る舞わせてくれるこの雰囲気の方が好きです。
カフェを出て地図を確認し、Airbnbの宿の方へ向かいます。
のどかな一本道。その周囲の風景の美しさに心が踊りました。
「黄金の国!」そう思いました。
ここはすでに紅葉真っ盛り。
「Ruska(フィンランド語で紅葉の意味)」です。
前年の10月フィンランドに来た時、「次はRuskaを見るんだ」と心に決めていました。そして、約1年経って願いが叶いました。
柔らかい午後の太陽。黄金色の山肌。美しい紅葉。
夢中になって写真を撮りました。
しばらく歩いて住宅地のある脇道へ。
宿はすぐに見つかりました。
うん、いい感じ。ユヴァスキュラの100年住宅みたいです。
庭には子供の秘密基地らしきゴンドラが。楽しいだろうな。
キーボックスからキーを取り出してチェックイン。
玄関の壁になぜか扇子が。
(日本に興味があるのかな…)
左手はシャワールーム、そしてサウナ。
電気式はオウル以来。これはこれで嬉しい。
奥左手にキッチン。調理器具や調味料もそろっていました。
洗面室には洗濯機もバッチリ。
右手はリビング。内装がおしゃれ。家の中央には薪ストーブも。
可愛いキャンドル。
その奥に大きいベッドがひとつ。
さらに2ベッドルームもありました。
グループで滞在しても充分楽しめそうです。
引き出しには家の設備の使い方(サウナなど)が丁寧に書かれていました。
ホストの人となりが感じられます。
Airbnbのメッセンジャーで無事チェックイン出来たことをホストに連絡。
荷物を置き、早速ウツヨキの散策に出発します。
カフェから南下して来たので、今度は北へ向かって歩いていきます。
美しい景色です。見て歩くだけでも楽しい。。
お店はホントに少ないです。
GoogleMapで見つけたバーガーショップは夏のみの営業でした。
その近くに深夜まで営業している唯一のレストランバー。
地元の人達が集まる場所です。
静かだなぁ…。と歩いていたら突然、後ろから大音量のロックが聞こえて来ました。びっくりして振り向くと、自転車に乗った子供が2人、ウィリーをしながら通り過ぎて行きました。。僕は「ウツヨキの暴走族」と解釈。田舎に珍走団がいるのは世界共通なのかな…。
さらに北へ歩くと銀行、そして巨大なスーパー。
ここで食材を買いました。
食料品以外にも生活雑貨全般揃ってます。
店の奥には食肉コーナーもありました。
さばいたばかりのお肉(トナカイ?)もあります。
ずっと店内を見て回っているとアジア系のファミリーを発見。
中国の方のようです。住んでるんでしょうね。
カゴに食材をいれてレジで精算。
「Kiitos」と言って支払い。
レジのおじさん、「見かけない顔だね」という面持ちでした。
嫌な感じは全然なくって。どちらかというと好奇心かな。話したいけどそうしないほうがいいと思っているような。フィンランドの人たちはホント、シャイです。
スーパーからさらに北へ歩くと巨大な川、そして橋。
手前には詰め所のような建物。
近づいて分かりました。
ここ、国境です。
川の向こうはノルウェー。
ついに最北端へ来てしまった…。
時折トラックが往来しています。
せっかくなので橋を渡ることにしました。
監視カメラが橋に向いています。
ひと言断ってからの方がいいかな…。
と、建物に近づきましたがちょっと怖い。。
まあ、止められたらその時はその時でいいや。
一瞬だけ橋を渡って国境を越えるのは初めてじゃないし。
※初めてフィンランドに来た時、似たような体験をしました。その時はスウェーデンへ一瞬だけ。
橋の上、両側の川を見渡します。
広大な景色。ノルウェーに行くとフィヨルドみたいな景色が沢山あるんだろうな…。一瞬、ノルウェーにも行きたい願望が湧きました。
橋の反対まで行ってすぐにUターン。
無事戻ってきました。セーフ。
空が開かれているのでオーロラを見るのにも適していそう。
夜、もう一度来ることにしました。
橋から川沿いに左折して道路を歩きます。
サーミの村がありました。おそらく観光用。
夏は稼働しているのかな。
ウツヨキは半数近くがサーミ語話者の町です。
それと…川沿いに発見したのがこれ。
バレーコート。どうみてもビーチバレー。
な、なぜこんなところに…。
フィンランド珍百景その3、に認定。。
宿まで戻っていって、買ってきた食材を冷蔵庫に保管。
日没までもう少し時間があったので、今度は宿からさらに南下。
右手に広い敷地が。学校でした。
しかもサーミの人たちの。
校庭で数人の子どもたちがサッカーしてました。のどかな光景。
近くには温水プールもありました。営業中だったら入りたかったな。
そろそろ暗くなってきたので宿に戻ります。
サウナストーブのスイッチを入れて、待っている間に夕ご飯。
サウナに入り始めたのが午後8時頃。
ゆっくり温まって、サウナの時間を楽しみます…。
最初の休憩の時、スマホが鳴りました。
Airbnbのホストからのメッセージ。
「Hey! outside is the northern lights.」
腰にタオルを巻いて、オートロックを閉じないように気をつけて、外へ出ました。
空一面のオーロラ。
こんな巨大なのは初めて。
空の全体にオーロラが走ってます。
南から北へ3本同時に。
「は、はは、はははは、すごい!」
しばらく見とれていました。
※スマホの写真ではこんな感じですが、実際はもっと大きくて鮮やかな緑でした。赤くなったもののあって、絶えず動いている感じ。
ひとしきり収まるまで見終わって、サウナへ。
スマホのオーロラアプリは警報出しっぱなし。
この後も期待できそう。
外の様子を伺いながら、サウナを何往復も。
風邪を引かないよう熱いシャワーで終えました。
しばらくソファで休憩。
もっとオーロラが見たかったので、バッチリ防寒して外に出ました。
北の国境まで歩いていきます。
道路沿いは街灯がありますが、橋のたもとは真っ暗。
するとオーロラ見えました。くっきりと。
結構長い時間見れました。満足するまで。
気分いっぱいになったので、帰宅。
ベッドに横になりました。
ウツヨキ、来てよかった…。
翌日、ゆっくりサウナと朝食をとってお昼前にチェックアウト。
バス乗り場へ向かいます。
正午発だったのですが、すでにバスが停まっていました。
予約したチケットをスマホで見せて乗り込みます。
正午ちょうどにスタート。
再び荒野を眺めながらイナリへ。
到着後、コテージへ行って夕ご飯を調理。
イナリ滞在も残り2日となりました。
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