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お母さんについて

私から見た母はとても優しく、
人のことがよくわかる人だった。
私は、「エスパーかも。」と恐れていた。
私の考えていることは筒抜けだと思っていた。
今になれば、
メンタリストやコールドリーディングなどの情報があり、
表情を読み取る能力が高いと理解できるが、
中学生の私にはわからず、怖かった。

とてもよく働き、父に尽くし、
対人関係もよかった。外向きには、、、

家の中、特に私に対しては、
・愚痴を言う
・父親に言ってきてと強制する
(母の意見を伝えに行くということ)
・就職してからはお金を求められる
・学生のときはバイト代や奨学金の口座を持っていて、自由に使う
(母曰く、借金返済のためになくなる)
・四六時中愚痴のメールが届く
・私が泣くこと、怒ること禁止
・楽しくいること、笑っていること強制
という具合だった。

中学生のときに行動がおかしくなった。
興奮すると、台所でお皿を割っていた。
夜中になると、
母自身の手首を包丁で叩いた。
太ももを麺棒で殴っていた。
薬を大量に服薬していた。
私が寝ていて、気づかないでいると、
『どうしてわかってくれないの!!!』
『お母さんのことどうでもいいんだ!!!』
と怒鳴りにくる。
行動もエスカレートしていく。
だから私には、
夜中に目が覚める習慣がある。
今も残っている。
そして耳を澄ます。
シャリシャリという鈍く高い音は
包丁で手首を叩く音。
鈍くくぐもった音は
服の上から肉体を叩く音。
パリパリという金属音は薬を出す音。

父や母のことからなのか、
はたまた元からの性質なのか、
音には敏感だった。

母の行為を止めても止めても
母は繰り返す。
見たくないけど、
止めないともっと酷くなる。
怒鳴られる。
私以外の家族は無視していたような気がする(記憶があまりない)。
(ODしたら危なそうな薬を隠したら、「出せ!」と叩かれた?殴られた。何回かあったけど、必死に、渡さなかった)
(ネット環境なんてないから、薬のことや、メンタルケア?のことを図書館で調べた)

私が成人してから母に、言われたのは、
『あのときのお母さんは狂ってたから、
そんなことを覚えていると
うさぎも狂うから忘れなさい』
というときもあった。
『あのとき、うさぎはお母さんのこと助けてくれなかった!』と怒られたこともあった。
責められた。
「ごめんなさい」
と心の底から申し訳なさで一杯だった。

そのほかにも、私が中学校から帰宅すると、家にいるはずの母がいないことがあった。
外を走り回って探した。
母は、家の裏の狭いドブの中で
正座をしながら泣いていた。
「お母さん。
帰ろう。
お母さんがいないと、だめだよ」
この頃から私の目標は、
母と生き延びること
になっていた気がする。

生き延びることに必死だった。
それを相談しようと
スクールカウンセラーの部屋に訪れたことがある。
その日カウンセラーは不在で
私が自宅に帰宅すると、母が興奮していた。
『スクールカウンセラーの先生から電話があって、いつでも来ていいって。
あんた、なに言おうとしたの?』
そのあとめちゃくちゃ怒られた。
慎重に選んで、
守秘義務のあるであろう
スクールカウンセラーを選んだつもりだった。
別に自殺したいなど、
そういう命に関わることではなかった。
というか、まだなにも相談していなかった。
やっぱり他人は信用できないんだと学び、
それ以降誰にも言わいと決めた。
本当に28才まで誰にも言わなかった。

母は、身体が弱い。
脊髄を圧迫骨折している。
だから、助けが必要だ。
体調が悪くて、ずっと家にいる。
唯一の楽しみであり、
家計のためである
家庭菜園で野菜を育てている。

そんな母と暮らしていて、
私は常に肩を貸している人のイメージだった。
私が倒れたら、母も倒れてしまう。
だから、倒れられない。
でも、家を出る直前によく言っていた。
『(家計や生活が)どうにもならなくなったら、一緒に死のうね』
それに対して私は「うん」と本気で答えていたし、
実際やれと言われたら、やっていただろう。

私は自分の死亡保険金で家計や生活の足しにしてもらおうとしたことがある。
でも、母に
『うさぎの保険金が下りる前に
お葬式しなきゃいけないし、
お葬式するお金がないからやめて。
世間体が悪いから(コロナ禍前)。
それと、うさぎの保険金だけじゃ、
期間が限られる。』
と言われたので、自殺はしなかった。

私には母以外に生き延びる理由がないのだ。
ノルマで生き延びているだけで、しんどい。
終わらせてしまいたい。
独りで生き延びてまで、
したいことも、未練もない。

この思いが染み付いていて、
未だに抜けない。
自分だけが生き延びていることに
罪悪感を覚える(母も健在です)。
生きててごめんなさいと思う。


追記
この記事を書いて少し経ってから、
母は人間関係の経験が少なかったんだろうし、
情緒的な?経験が少なかったんだろうなと思った。
さびしい人間だな、と思った。

もしかしたら、うつ病だけじゃなくて、
発達とか?躁うつ病とか?あったのかなぁ。
パーソナリティ障害?
医者じゃないからわからないや。

ひとりの人として、
私が初めて出会ったのが、この人で。
人を助けなきゃと思います。
親愛なる家族になる人がいれば、
命だってかけられます。本気で。
そして、人が怖いです。

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