母がパンダになるということ

小学生のとき、当時よく遊んでいた子の親と
私の母がよく付き合っていた。
今で言う、ママ友なのかな。
Iちゃんの家に3~4人で集まって、
談笑していた。

私たちは私たちで遊んでいた。
でも、おやつなどで大人の会話を聞くこともある。
そのときに、
母は無知な振りというか、
実際に無知なのか、
それをオープンにして楽しい雰囲気にしていた
(実際にママ友がどう思っていたかは知らない)。

今で言う(?)、おバカキャラなのだろう。

Iちゃんのお家から帰る途中。
母は私に言った。
『あんた、お母さんのこと、
バカだと思ってるでしょ?
馬鹿にしてるでしょ?』
そんな言動をした記憶がなかった。
「なんであんなこと言うのかなぁ、
とは思った。」みたいなことを返した気がする。
馬鹿にしていないし、いつもは違う(馬鹿ではない)のに、なぜ?というメッセージを込めた。
『お母さんはね、
みんなが楽しめればそれでいいの。
みんなが笑えるように、
パンダになってるのよ。』

今思った。
なんでパンダ?
そこはピエロじゃないの?
客寄せパンダ?

この価値観、今の私にある。
躁状態のときに音声配信をしていたのだが、
めちゃくちゃこれなのだ。
なにがめちゃくちゃかというと、、、

躁の私は無敵のつよつようさぎ女王様なので、
アンチコメも下ネタも傷つかず、
むしろ無知なので、内容を聞く。
体重バストサイズを聞かれても答えるし、
リスナーが性癖暴露大会をしても、
その内容について盛り上がっている
(さすがに私に暴露できる内容はない)。
ある日リスナーさんに言われた。
『なんでうさぎは
みんなのおもちゃの位置に立つの?』と。
「だって、楽しいのがいいでしょ?
楽しいからみんな来るんでしょ?
みんながうさぎっていうおもちゃで楽しめるなら、それでいい。それがいい。
うつうつうさぎになったら、来ないでしょ?」と本気で返事した。 

これが、今思えば、
めちゃくちゃ母の価値観だ。
そういうコミュニケーション方法を教わったらしい。

リスナーさんから教わったのは、
『いや、おもちゃとして来てるヤツなんて、所詮そんな程度よ。
そんなヤツに合わせるの?
そんなヤツ、つまんねぇことで離れてくぞ?
うつうつうさぎでもいいっていうヤツに来てもらえば?』と。
『むしろ、うつうつうさぎを見たいよ!』と言われた。
びっくりした。

うつ状態になったら配信しないって決めていた。
でも、たまーにすることにした。
やっぱり人は減った。
それでも残っている人は、
おもちゃの私ではなくてもいいという。

その経験があったから、
うつうつとしたことを書いてみてもいいのかなぁと思えて、noteを始めるに至った。

母は人として、
そういう人に出会えなかったことも、
そういう経験がなかったことも、
そういう気持ちを味わえなかったことも、
さみしい人間だなと思う。

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