blue traverse gearの推奨する周辺装備について
こんにちは。
とうとうコテージメーカー化して地獄の釜の蓋を開けてしまったじろうon the trailです。
なんだか堅苦しいタイトルになってしまいましたが、今回はボクのシェルターを使うにあたっての推奨周辺装備についてまとめていきます。
と言っても、トレッキングポールとステークだけなんですけどね。
ビビィとかインナーは各自テキトーにやってください(笑)
トレッキングポール
まずはシェルター設営に必須のトレッキングポールについて見ていきます。
ボクのシェルターはどれも耐風性を意識した設計になっていますから、軽量性よりも耐久性や応力減衰性能に着目したものを推奨しています。
Black Diamond(BD)アルパインカーボンコルクシリーズ
これはBDのハイエンドモデルの一角を占めるシリーズです。
カーボンと言っても一本あたり250g強ありますから、ULの文脈からはヘビー級といっても良いかもしれません。
MOTHシリーズとDAMSELFLYはこのポールの強度も念頭に置いて設計しています。
このシリーズの強みはなんと言ってもその丈夫さです。
厚みのあるカーボンチューブを使っていて、ロック機構にはフリックロックプロ®︎を採用しています。
アルミダイキャスト製のこのロック機構は、数あるポールの中でも最も信頼できるものだと思います。
適切な固さに調整すれば使用中はもちろん、シェルター設営で弛むことはほぼありません。
実際、ピッチトラスシステムではかなり強い力がポールにかかりますが、このロック機構ではゆるゆる縮んできたりすることはありません。
また、ハンドルヘッドは滑りにくい硬質ラバーでできていますから、MOTHのポールポケットに上手く固定されます。
フリックロックはシェルター内部からの高さ調整もしやすくなります。
太いチューブは横からの力にも強く、特にDAMSELFLYのようにパネルと接続した場合に、キャノピーが受ける風力にもよく耐えます。
ではポールとしての実力はどうかと言うと、非常に重心バランスが良いので、振り出しに必要な力が少なく、例えば平坦なトレイルでスピードを出して歩く時などでも重量を感じにくくなっています。
ボクはポールをだいぶ短めに使うのですが、100㎝の長さでは重心はハンドルヘッドから約40㎝の所にあります。
ポール重心は上に寄っている方が振り出しに必要な力は小さくなりますから、これはハイキングに有利に働きます。
どの長さにしてもだいたいポールの2/5〜1/3程度の所に重心がくるようになっています。
また、精巧に作られたこれらのポールは振動が少なく、たわみも非常に少ないために体重をかけて使うような場合でも信頼性が高いと感じます。
シェルターに使う場合、振動に強いということで風力による煽りの減衰にも効果的で、強風下でも幕体を安定させるのに役立つと考えられ、CTにおけるトレイルテストでも実証済みです。
以上から、強風、豪雨、雪にもよく耐えると結論付け、BTGシェルターの推奨ポールとしました。
BDトレイルシリーズ
BDポールの中でも比較的安価なシリーズで、航空機レベルのアルミ合金を使ったポールになります。
フリックロックは樹脂製ですが、BDらしく精巧な作りで信頼感があります。
少し細めのチューブを使用しているので、風には少し弱いかと思います。
このシリーズは140㎝まで伸びるので、様々な地形への対応の幅が広がるのが魅力。
使用感はアルパインカーボンコルクと似ていて(当たり前かw)とてもバランスが良いポールです。
ただし、少し細めのチューブですから、たわみが大きくハードなトレイルでは少し不安定かもしれません。
WildSpirits カーボンポール
「でもBD高いよね」という人にはこれが良いでしょう。
Amazonで買える安価なポールではこれが1番コストパフォーマンスに優れています。
見た目からわかるように、BDのコピー品です。
細めのカーボンチューブを使っていますので、重量もコルクグリップで170g程度と割と軽量で、ペアで1万円を切る価格は魅力的です。
フリックロックは樹脂とアルミダイキャストのコンビで、調整用のネジもしっかりしていて使いやすいかと思います。
グリップ、グリップヘッドともにBDより細く、握りやすく取り回しがしやすいのも特徴です。
ただし、チューブの組み合わせは粗雑で、使用中の振動やたわみも大きいのでハードなトレイルでの使用には要注意です。
MOTHとの取り合わせも悪くなく、問題なくシェルター設営に使用できますが、ロック機構が弱いので強風時にはゆるゆると縮んでくることがあります。
その辺は値段とのトレードオフとなります。
GossamerGear LT5
言わずと知れたGGの超軽量ポールの名品です。
ツイストロックのこのポールは非常に軽量でありながら、重心バランスにも非常に優れています。
また、振動減衰性能も高く、非常にスムーズな長さ調整と使用感の信頼性もあります。
LT5はタープ設営に最適で、強いピッチにもよく耐えます。
精巧に作られているためにガタつきが少なく、風に煽られた際も幕体の安定性に寄与します。
ただし、軽量化のために肉厚の薄いカーボンを使用しているようですので、高負荷下での使用では折れる可能性が高くなります。
タープでキャンプする場合はそこまで強い風を想定しませんから、これはテントよりもタープに向いています。
グリップは非常に快適なEVAて成形されており、ハイキング中も疲れを感じさせませんが、こちらも肉厚が薄く柔らかいために、MOTHなどのポールポケットで強く押さえつけられると簡単に変形してシワが寄ってしまいます。
グリップが破けてしまったりするとトレイル上での修理は困難となりますので、シェルターでの使用は推奨しません。
ハンドルを下向けに使うタープのセットアップでは変形も最小限で、使用に問題はありませんでした。
RutaLocura YANAポール
長さ調整ができるタイプでは世界最軽量レベルの一角を占めるYANAポール。
一本あたり約100g。
細いチューブながら肉厚は1mm程度と厚めで、独特なツイストロック機構を持っています。
その軽量性へのこだわりは強く、ロック機構に使われるネジはチタンで作られています。
チューブエンドカバーや長さ目盛まで省いたミニマムなデザインはとても魅力的です。
ツーピース伸縮式ということもあって、チューブの細さベースで見ると振動減衰性能は最高レベルです。
また、肉厚のあるチューブですから見た目の細さからは想像できない剛性を持っています。
硬めのEVAフォームグリップは変形しにくく、シェルター設営でも問題なく使用できると思います。
ただ、目盛がないためにシェルターよりは感覚的に設営するタープ類のセットアップに向いているでしょう。
トレイルでの使用感としては、バランスが若干悪く、重心が真ん中ほどにあるため振り出しが少しもたつく感じがします。
これは、チップハウジングにBDのものを流用しているためにチューブの細さとのアンバランスさに起因します。
しかしトレイルでの修理などのことを考えると、汎用品であるBDのパーツを使うことは理に適っていると考えられます。
CTでは、どの町のショップにもBDは置いてあって、おそらくアメリカでの修理部品入手可能性からBDのものを流用したと考えられます。
ステーク
自立式でないシェルターの場合、ステークは保持力の強いものが必要です。
風を受ける前からプレピッチとしてステークには強い力がかかっているため、耐風性を考えると強いステークが必要になります。
Easton Nano
基本的にはEaston Nanoステークの8.5インチを推奨します。
Eastonは航空機レベルのアルミを使用した軽量で丈夫なステークです。
8.5インチで1本あたり11g。
この8.5インチは非常に保持力が強く、また曲がりにくいためにトレイルで重宝します。
貫通力もあり、多少の石混じりの地面にも入っていきます。
※ただし、力の方向に無理をかけると曲がります。
チューブ断面は、打ち込んだ時に土がステークを締め付けようとする力を均等にステーク全体に分散する働きがありますから、このタイプのステークは長ければそれだけ〝利き〟が良くなります。
Nanoの6インチもエクストラで使用します。
しかし6と8.5では保持力にかなりの差があります。
BTGのピッチトラスを使用した場合、ステークポイントに力が集中するため、弱いステークではプレピッチの段階で引き抜かれてしまいます。
このため、長めで保持力の強いEaston Nano8.5はMOTHシリーズやMAYFLYのピッチトラスオプションに最適です。
次に紹介するグランドホグスも8.5インチを推奨しています。
MSR Ground Hogs
これはCTで使用していました。
というのも、Eastonがアメリカで手に入らなかったためです。
これはコロラドのどの町のアウトドアショップにも置いてありました。
トレイルでの入手可能性を考えるとこちらでも良いかもしれません。
8.5インチでは保持力は割と良かったのですが貫通力はイマイチで、特に石混じりの地面では一度石に当たると下がりませんでした。
また、その断面形状から地面の土をかき回すように働くため、ステーキングし直すたびに保持力は落ちます。
6インチも使っていましたが、こちらは保持力が弱くエクストラとして使う場合も使用方や場所などを選ぶかもしれません。
また、引き抜き用のラインは連用すると切れやすいので注意が必要です。
suluk46
チタンで作られたこのステークは見た目以上の保持力を持っています。
ヘッドに向かって段階的に幅を変えることで、刺さりが良く、板状の断面形状の〝利き〟の良さを活かしています。
細いので割とどんな場所でもスルスルと地面に入っていき、しっかりとラインを保持します。
ヘッド形状もラインをしっかり固定するようになっており、ラインが抜けることはほぼありません。
ただし、これはメインステークとして使うよりはあくまでエクストラ用と考える方が良いでしょう。
一本あたり5gと超軽量で細い造りになっていますから、強風などに耐えるほどの強さはありません。
終わりに
いかがだったでしょうか。
ボクのシェルターはとにかく耐風性と小さなフットプリントを念頭に設計されています。
このため、周辺装備もなるべく推奨のものを使用していただきたいと思っています。
とはいえ、トレッキングポールにしてもステークにしても全ての製品をテストしたわけではありません。
最終的には使っていただく方の〝工夫力〟に頼るしかありません。
ご自身の装備とシェルターとの相性を、是非いろいろと試してほしいと思います。