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富士見台高原2023夏
富士見台高原は、岐阜県中津川市と長野県下伊那郡阿智村に跨る中央アルプスの南端である恵那山系にある高原。富士見台とあるが富士山は見えない。晴れていれば山頂から南アルプス、中央アルプス、北アルプスまで見渡せる。
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お手軽な登山口がある萬岳荘までのアクセスが限られていて、尚且つ所々で離合困難な狭い林道(大谷霧ヶ原線)を通らなければならないこともあってか、入山者はそれほど多くはない。車は手前の神坂峠駐車場に停められるが、そこに辿り着くまでに気疲れしてしまう。朝は車は少ないが、たまに対向車やバイクが下りてくるから安心はできない。帰りは時間帯によっては多くの車とすれ違う。夏の今は、道端の植物(笹など)が林道に迫り出していたり、頭上から木のつるが垂れ落ちている場所がある。小さなカーブも多く、ヘッドライトを点け、クラクションを鳴らしたりしながら走行する。こうまで書くと富士見台高原には行きづらく思うかもしれないが、行ってみるとなかなかのパラダイスなのだ。
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今年はササユリを見に行けなかった。富士見台高原のササユリは、7月中旬、2週間ほど前にピークを迎えている。咲いているササユリがあればラッキーと思っていたが、なんと一輪だけ咲いていた。
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ありがたきかな、たった花一輪。
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神坂小屋。ガスが濃く視界が悪い。体調がやや悪い。萬岳荘からそれほど登っていないのに異常なほど汗が出る。自分は暑さにも弱いが、高湿度にも弱いのか。
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霧に霞む奥の山塊が富士見台高原だが山頂は少し奥にある。手前の岩は晴れていれば腰を下ろして一休みしたい場所だ。
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この時山頂には自分の他、女性が一名。横川山まで行くつもりだったので軽く会釈して先を急いだ。
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バテて戦意喪失。敵前逃亡。
横川山まで行けなかった。発汗がひどく風呂に入りたい。展望もないし無理することもないか…と自己肯定。
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神坂小屋に下りてテラスに腰掛けて蜂や虻に囲まれながらコーヒーブレイク
神坂小屋は無人の避難小屋だが、テラスに腰掛けテルモスの湯でコーヒーを啜るぐらいは問題なかろう。
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尾根をせり上がってきたガスが境界線を引くように堰止められる。
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手ぶら・軽装の人々と擦れ違う。飲み水ぐらいは持った方が良いんじゃないの?と思うが…。
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岩場でも咲く花だが、木段も好きなようだ。
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ヤマブキショウマの群生。蜂がブンブン。
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こちらも蜂や虻が群れていた。蜜に気を取られ、人間には興味はなかったようだ。
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そのフジバカマにアサギマダラ。なんとも美しい紋様。アサギマダラは長距離移動することで有名だが、夏から秋にかけて南西諸島や中には台湾まで飛んで行くらしい。
ササユリとアサギマダラ、今日はこの二つに会えて満足。あの林道を走らなければ家には帰れない。慎重に下りて麓の温泉に入ろう。
山行日:2023年7月29日