入笠山(雪山ハイキング)
出発~車中で仮眠
寒い日は出かけるのが億劫になる。ましてや夜、仕事を終えてからの出発となると、なおさらである。数日前から準備はしてきたが、何かとバタバタしてしまう。それでも予定より早く準備が整い、19時過ぎに家を出た。ガソリンスタンドで満タン給油をして、いつのもように「かつや」で夕食を済ませて目的地へ向かった。今の時期の夜間の山越え・峠越えのドライブは、路面の状況に気を使う。幸い、中央自動車道は路面への積雪や凍結もなく順調に駒ケ岳SAまで進み、トイレ休憩とコンビニでの買い出しを済ませて再出発。諏訪湖を通過して中央道原PAで仮眠をとった。到着した頃の気温は−3℃前後だったが、翌朝は−9℃まで下がり、結露した窓は内側に霜が降りたように凍りついている。とにかく寒かったが、それもそのはず、このPAは標高920mにある。朝食をとったり、片づけをしたり、窓の氷を暖気で溶かしている間に太陽は上っていた。PAを出て本線に合流すると右方向に甲斐駒ヶ岳のシルエットが見えた。
富士見パノラマリゾートに到着
入笠山登山でもっとも手っ取り早く登頂できるのが富士見パノラマリゾートのゴンドラを利用するルート。標高1050mの山麓駅からゴンドラに乗って一気に1780mの山頂駅へ。入笠山山頂の標高が1955mなので、その差は僅か175mということになるが、そこは山登り、アップダウンがあって差引勘定通りには行かないのである。山頂駅前には多くのスノーボーダー、スキーヤーが集うが、隙間を見つけてチェーンスパイクを装着、駅の裏に回ってウォーミングアップがてらに坂道を登って入笠湿原の下り口へ向かった。
お花畑(御所平)の九十九折
入笠湿原を越えてヒュッテ入笠付近が御所平と呼ばれ、その前に広がるのがかつてのゲレンデ。今はお花畑となっている。このお花畑の九十九折の登りは、何となく性に合わない。お花畑と並行して首切り登山口(物騒な名前)に向かう舗装路に迂回した。この舗装路は首切り登山口まで少し歩くが、途中にサルオガセの群生が見られるポイントがある。それを楽しみに進んでみたが、日陰になると深い轍がカチカチに凍りついて歩き辛いことこの上なくギブアップ。笹薮に踏み跡を見つけて辿って行くと、お花畑の中腹にある鹿止めのゲートに出た。何のことは無い、遠回りをしただけであった。下から見上げるとえらくキツそうに見える九十九折の登りだが、ゆっくり歩行すれば心拍数を上げずに登れる。
岩場コースで山頂へ
山頂までの所要時間の目安となる迂回コース・岩場コースの分岐。どちらを進んでも15分と表示されている。単純に比較すれば迂回コースは緩やかだが距離が長い。岩場コースは距離は短いがやや急で、おまけにゴツゴツして、所により段差があり一歩一歩が険しくキツイということになるのだが、雪で段差が埋まっていることもあって、この時期は、岩場コースがおススメです(今回、下山は迂回コースを利用)。
山頂は大賑わい
入笠山の広い山頂広場は大賑わい。撮影のため山頂の標識が空くのを待っていたら何時になるやら。ということで3倍ズームで撮影。やや風は有るものの、好天に恵まれ穏やかな山頂。西寄りの岩場に空きを見つけてテルモスのお湯でコーヒーブレイク。中央アルプス、御岳山、乗鞍岳、北アルプス(後立山連峰は微妙)が見渡せる。右正面には八ヶ岳、後ろには富士山から甲斐駒ヶ岳、間ノ岳、仙丈ヶ岳。絶景である。不安定な岩の上でストーブにケトルを乗せてお湯を沸かそうとしているお兄さんがいたが、風力が想定外だったようでなかなか着火せず、挙句にケトルをひっくり返してしまい、見ていても気の毒だった。
サクサク下山
ヒュッテ入笠の「鶏のから揚げ定食」に未練があったが、山彦荘前のベンチまで一気に下山。2回目のコーヒーブレイクと行動食兼非常食用に持ってきた菓子パンを食べた。本来、朝食用にと前夜購入したもので、冷え切ってはいたが美味かった。入笠湿原の木段を息抜きを繰り返しながら登り、ゴンドラ山頂駅に無事帰還。往きのゴンドラは自分も含め5人が乗車し、時節柄お互いにやや気を遣ったが、帰りは貸切り状態。ハイカーには温かいおしぼりのサービスもあり。ゴンドラの中で八ヶ岳と向き合いながら山を下りた。まっすぐに帰宅する筈もなく、いつものように今宵も諏訪で酒場放浪記…。
山行日:2024年1月27日