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高ソメキャンプと野麦峠
敬老の日の三連休、土日の二日間、キャンプに出掛けてきた。まだまだ暑い日が続くが、”夏”を乗り切った自分へのご褒美で、ちょっと豪勢なキャンプ飯が食べたかったからだ。向かった先は高ソメキャンプ場だが、サイトはほぼ予約で埋まり、普段は孤独なオッサンが点在するソロ向きとされるエリアにもファミリーがテントを張るなど、大賑わいであった。
一説では、新型インフルエンザの感染も落ち着いて、アウトドア、とりわけキャンプブームの終焉を伝える向きもあるが、このキャンプ場に至ってはそんな風潮もどこ吹く風であろう。
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地元に近い精肉店で飛騨牛を調達し、道中のローカルなスーパーマーケットでアルコールやその他の食料を買い求め、木曽街道に乗って一路松本市奈川へ。もう何度も通っているが境峠付近の道路の改修も進み、大部走りやすくなっている。但し、工事用信号による短時間の停車区間はまだ存在する。
精肉店で購入したのは牛ホルモン300gと豚味噌500g、そしてステーキ用の飛騨牛が1枚。一晩でこんなに食べられる筈もなく、元より日持ちの良い豚味噌は持ち帰って家で食べるために調達した。
高ソメキャンプ場に到着し、受付で支払(薪代を含む)を済ませて予約しておいたサイトへ移動。その前に「薪置き場」で薪を詰める。支払い時に受付で貰った梱包用のバンド(いわゆるPPバンド)に薪を詰め込めるだけ詰め込むのだ。幾つかのサイトが並ぶ中で一番奥のサイトを予約したが、さすがにトイレが遠くて今回の反省材料となった。しかし、サイトは静かで申し分ない。
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缶ビールを空け、牛ホルモンを少量焼いて前菜とする。普段はブランデーなんぞは飲まないが、スーパーマーケットで(いつも飲んでいる)ウイスキーの廉価品と変わらぬ価格で売っていたので思わず手が伸びた。時期が違うこと、この日は雲が多かったことから、昨年の8月に見た真っ赤な夕焼けは期待できないことは分かっていたが、日没が近づき、酔いが回る前に釣り池の周りを散策に出かけた。案の定、乗鞍岳方面には雲が下りて焼ける気配もなし。
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サイトに戻って焚火台に火を入れて晩餐を開始。牛ホルモンはなんとか平らげたが、メインのステーキは半分でギブアップ。加齢とともに食べられなくなったことを実感。自宅に放置してあった古いラティスを解体して焚き付けと薪にしたが良く燃えた。キャンプブームに便乗したのか、少し前にホームセンターで400円もしなかったヒノキの薪も今や600円以上もする。途中立ち寄った御岳山の麓の道の駅では1000円だった。ちなみに高ソメキャンプ場では広葉樹と針葉樹のミックス?で600円だ。薪はなるべくキャンプ場で調達することにしている。
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最後に燃やした薪が炭化すると宴は終了。片づけ時に、吊り下げたガスランタンのホヤ(ガラスの部分)に指が触れてしまい、軽い火傷をしたのはここだけの話。火の始末をしてタープ内に椅子やテーブルなどの道具類を一纏めにしてテントに潜った。テントはモノポールのピルツ7。折りたたみのGIコットはテントを若干押し出すが寝心地は良い。時折、雨がテントを打つ音が聞こえたが、ブランデーの酔いもあって眠りについた。
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GGEの朝は早い。が、天からは6時までは静かにせよとのお達し。遅かれ早かれ雨が降る。朝の焚火は止めてカセットガスコンロでお湯を沸かす。高ソメキャンプ場は標高1200m、下界同様に湿度は高いがさすがに肌寒く、車に積んでいたアノラックを着た。ランチパックをホットサンドメーカーで焼き、ドリップコーヒーに牛乳を加えたカフェオレを飲む。ロゴスのこのマグカップは保温性が高くてお気に入り。雨が降り出す前に早めに撤収(いつも早いが…)して、次の目的地へ向かう。
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高ソメキャンプ場から自宅までは、奈川温泉を横目に見ながら旧乗鞍スーパー林道を乗鞍高原に抜けるか、奈川渡ダムに出て沢渡経由で平湯に出るか、というのがいつもの選択だが、野麦峠を越えたかった。野麦峠は今回二度目で、前回は2020年10月。この時は乗鞍岳が冠雪していた。今回は小雨が降ったり止んだりの天気で乗鞍岳はまったく見ることが出来ない。最近、山本茂美の「あゝ野麦峠」を読み返してみたが…、壮絶であった。岡谷を中心とした製糸工場で工女たちによって作られた生糸が、やがて富国強兵の大きな柱となって行く。
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野麦峠からは野麦街道(別名:ぶり街道*越中から飛騨を経由し信州へ運んだことからその名が付いた)を下り、高根第一ダムを過ぎたところにある塩沢温泉七峰館で入浴。2020年に訪れた時は貸切状態だったが、時は流れてこの日は開店から数名の客が訪れていた。
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塩沢温泉七峰館がある高山市高根町は、2005年の平成の大合併で高山市に編入したが、北に乗鞍岳、南に御嶽山を抱える山間地にある。年間降水量の多さは日本有数で、水力発電に適しているという点に着目され、野麦峠が水源とされる飛騨川に高根ダム(第一、第二)が建設された。ダム湖の湖底には旧高根村住民の生業であった牧場やワラビの原野が沈んでいる。
実は野麦峠の「お助け小屋」も所在地は高根町。次回は是非訪れてみたい。
旅行日:2024年9月14日~15日