GLAYは日本のバンド。
日本で間違いなく凄いバンドとして、20年以上その活動を止めていないバンドというのは非常に珍しいと思います。
そんな事はお構いなしに突き進み、今なお第一線で活躍し続けるバンドがあります。
それがGLAYです。
GLAYは1988年に北海道函館で結成されたバンドです。
1995年のアルバム『SPEED POP』のヒットを皮切りに、
翌年にはシングル『グロリアス』がスマッシュヒットを記録すると、立て続けに作品をリリース。
1997年にリリースされたベストアルバム『REVIEW』は、初動枚数200万枚、最終的には450万枚を売り上げ、その人気が不動の物となります。
1999年には日本音楽史上最高動員数である20万人を動員した『GLAY EXPO』を開催するなど、悉く日本のロックの記録を塗り替えてきたバンドです。
90年代-00年代に、多くのバンドが成功を収めていきましたが、その中日本で最も商業的に成功したバンドがGLAYであったと言っても過言ではないでしょう。
その理由はやはり作られる音楽にあります。
GLAYの作る音楽というのは極めて日本の歌謡曲に近い印象があります。
メロディーやリフが激しいのに非常にキャッチー。
この『彼女のMordern...』がそれを如実に物語っていると思います。
全てのギターのメロディーが印象的であるのと同時に、覚えやすい。
GLAYと同時期に売れたロックバンドと言えば、LUNA SEA、L'Arc~en~Ciel、黒夢などが代表的でありますが、これらのどのバンドよりも楽器パートのメロディーが口ずさめる。
この辺りは恐らくサウンドプロデューサーであった佐久間正英さんの影響であると思います。
佐久間さんと言えば、古くはBO∅WYのサウンドプロデュースを手掛けた事で有名ですが、同時代のロックバンドのプロデュースも手がけられておりましたが、その中でも影響が色濃かったのがGLAYだったと思います。
元々、BO∅WYに影響を受けていた事をTAKUROさんも公言されている事から、それを体現しやすかったのかもしれません。
そう考えると、第二のBO∅WY的な所を狙っていた部分も当時はあったのかな?などと思います。
あとはやっぱり歌詞。
これも非常に大きな要素だったと思います。
と言うのも、GLAYの歌詞ってバラードになると如実に分かるんですが、物語なんです。
ロックバンドの歌詞って、詩であることが多いんですよね。
その方がロックミュージックに音として乗せやすいですから。
例えば、THE BLUE HEARTSを見ると凄く分かりやすくて、
楽曲の中でテーマを決めて、そこから一言のインパクトのある言葉を連続して紡ぐという方法が取られています。
『リンダ・リンダ』なんて、見ただけでは意味が分からないじゃないですか。
けれど、一曲を通して聴くと、楽曲のテーマを知ることが出来る。
そういう楽曲がロックとしては一般的な中、GLAYの楽曲は一曲が一つのドラマのような展開をしていくんです。
これは、ロックナンバーよりもバラードナンバーで非常に如実に表れています。
『HOWEVER』などは、一人の人間が紆余曲折がありながら、今後の人生を共に歩むパートナーへの想いの丈を尽くすという物語です。
こういうバラードナンバーの歌詞は非常に演歌的な要素があるのと同時に、楽曲の歌詞を重視する傾向のある日本的な要素でもあります。
日本製のロックバンドとしての現時点での最高峰なのではないでしょうか?
あと、スタイルとしても非常に日本的であると言えます。
メンバーチェンジが当初はあったものの、20年以上今のラインナップで活動を継続させているという面で非常に稀有な存在。
多くのバンドマン達は口ぐちにGLAYについて言います。
「仲が良すぎる!!!!!!!」
と。
90年代に活動していたバンドは大体5-6年でその活動に一度ピリオドを打つことが多くありました。
その状況を過去にリスナーとして経験していた人たちは、その状況に大きな驚きを隠せないようです。
成り立ちとしてはX JAPANの要素に近くありながらも、同じような運命は辿っていないのですから。
この長い年月、同じラインナップで一度も解散せずに第一線で活躍し続けているバンドというのは他にBUCK-TICK位のものなのではないでしょうか?
それを象徴するエピソードというのがあります。
その昔、JIROさんが少し精神的な部分で調子を崩された際、
GLAYとしての活動が困難になり、その空白期間にTERUさんがソロ活動をした方が良いのかな?とTAKUROさんに相談を持ちかけた事があるそうです。
その際のTAKUROさんの返答が
「ソロ活動したいならしてもいいよ。けど、曲は俺が書くし、ギターはHISASHIが弾くからね!」
というものだったらしいです。
結局GLAYやってんのと変わらないじゃん!となってその話は無くなったそうです。
この返答の仕方が未だに僕は物凄く好きです。
自分がメンバーの魅力を最大限に引き出せるんだから!!!!!
っていう可愛らしくもあり、絶大なる自信があるというのが物凄く面白くもありました。
と、同時にやりたいことは全部GLAYでやればいいよ!っていう懐の深さも感じさせるエピソードだなと思います。