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マツコの知らない世界、ヴィジュアル系特集を見て。

『マツコの知らない世界』にてヴィジュアル系が取り上げられました。

編集版ではありますが、一週間程度はTVerで観ることが出来ます。

実は、カットされた部分が面白かったりもしたんですが、恐らくテレビはオッケーだが、ネット配信はダメというお達しが出たのかもしれません。

このオンエア中のTwitterトレンドにはLUNA SEAやPENICILLINなどの90年代を彩ったバンドが多く上がっていました。

何故か紹介されていないPierrotまでがトレンドに上がる始末なのは、DIR EN GREYが紹介されたからだとは思うのですが、これによって未だにPierrotの人気は高いのだと再確認させられる内容でもありました。

絶対にヴィジュアル系を特集する際には

「このバンドが出ていて、何故このバンドを紹介しない?」

「この解釈は語弊がある!」

という論争が必ず巻き起こるのですが、藤谷さんはそこを分かっている方であったので大きな問題にはならなかったようですね。

しかし、こうやって一時代を築いたであろうバンドの名前が未だに人々の記憶に残っているのは嬉しくもありました。

『ヴィジュアル系』という呼び方に関しても、ちゃんと「諸説ある」という事を仰っている辺りが、ガチな人である事を物語ってくれています。

以前、関ジャムでも鬼龍院翔さんがヴィジュアル系特集の際に説明をする為に、藤谷さんにオファーをされていただけの事はあります。

本当に纏まりのないジャンルに於いて、現代の世相を軸に持ってくる事によって纏めたという事は見事だと思います。


現代に於いて語弊を恐れずに言うのならばヴィジュアル系というジャンルは限られたバンドを除いて既にそれを名乗るのは厳しい状況にあると思っています。

マツコさんも仰っていましたが、

「等身大の人が多い」

というのが非常に的を得た言葉だと思いました。

このSNSが全盛の時代に於いて、演者と観客との距離感が曖昧且つ、近づき過ぎてしまった為に、そこに興味を唆られなくなってしまった。

変に人間性等が重視されるようになった事によって、その秘匿性が無くなってしまったのが主な原因だと思います。

ヴィジュアル系という自らの世界を作り上げる事が目的とするアーティストが、外部の人間によってその世界をどんとんど破壊できる状況にある現代で、その世界を作り上げる事が難しくなっているのだろうと思います。

平気で誰が何処で何してたなんて事が平気でTwitterで呟かれて、その情報が全世界に拡散されるし、それでいてアーティスト側も普通に弱音をSNSで発信したりする。

そうやって生身を晒せば晒すほどに、魅力が薄くなっていくという事を分かってない。

現代に於いて、SNSによって宣伝活動をする事は必須であり、そのフォロワー数が人気を裏付ける能力値のようになっている。

いつからそんな事になって行ったのでしょうね。

というにも関わらず、インターネットには嘘で溢れている。

虚構に真実を求めるナイモノネダリが延々と繰り返されている世界なのかも。

古い考え方だとは思いますが、僕はステージに立つ人間は嘘で塗り固められた存在でいいと思っています。

ぶっちゃけ法に触れるような事をやってても僕は構わない。

訳がわからないような人の方が面白いじゃない。

そういう人間が、自分がどう足掻いても乗り越えられないモノとは無縁のような姿で全部をぶっ壊していく所を見てみたいし、見ていたいんです。

そう考えるとロックスターって昨今居ないよなって思ってしまった訳です。

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