2024年3月8日
2024/03/08 07:16
先日のこと。
夕飯を作りながら方々に連絡を取り洗い物を進める。あたふたしていた。
野菜の火の通り具合とスマートフォンの画面とを意識が何往復もしている。
流し台からスマートフォンに目を移した数秒後、「ゴトン」と流し台で何かが倒れる音がした。
切った覚えの無い、透明ななすびのような物が湯気を吐きながら横たわっている。
ほんの一瞬思考が止まり、すぐに動き出す。
やっちゃった。
いつも出かける際にお茶を入れるのに使っているプラスチック製のタンブラーが変形し収縮し自立できなくなって見たことも無い、先ほども言ったがなすびのような形になっている。
ちょっとゴーヤにも見える。
どうしてこうなったか。
タンブラーの底に茶渋がついていたから、しばらくぬるま湯にさらして茶渋を落とすためにまず先に熱湯を入れ、そのあと冷水を入れてちょうどいい温度にするつもりだった。
そう、するつもりだった。
実際には注がれたのは熱湯のみ。プラスチック製のタンブラーの説明書には丁寧に「熱湯は入れないでください」と書かれていたことは鮮明に記憶に残っている。その日は蒸し暑かった。
昨年購入し、暑い日も寒い日も遠征中でもお構いなしに襲ってくる喉の渇きを潤してくれたタンブラー。好きなイラストレイターさんのグッズでとても気に入っていた。
が、それも今日でおしまい。
透明ななすびになったタンブラーでは私の喉の渇きは潤せない。飲みにくそうだしそもそも蓋が閉まらないのでこれでは持ち運びはできない。
諸行無常。形あるものはいつか必ず終わりを迎える。
どんな終わり方か、いつ終わりが来るか誰にも分からないから心の準備ができておらずいつも悲しみに暮れる。
それでも、今日までありがとう。楽しい時間と、喉の渇きを潤してくれてありがとう。
そう思いつつ、火の通りすぎた野菜を口に放り込む。
2024/03/08 07:31
タイマーが鳴ったのでこれでおしまい。