2024年3月16日
2024/03/16 07:33
食パンが、無い。いつもの食パンが。
近所のスーパーのパンコーナーで立ちすくむ。
適度な厚さの3枚入りがひとり暮らしの朝食用にちょうどいい。
いつも棚の最上段に威張ることなく遠慮がちに佇んでいる、3枚入りジャストサイズ食パン。
しかし、そこに置いていないとなると話は別だ。
さてどうしようか。
人間は落ち込むと自然と下を見る生き物だと思うのだが、それが功を奏した。
棚の最下段で幅をきかせていたのは、牛乳パン。5個入り。
そのまま食べてもよし、焼くとカリッと香ばしい。ただし焼きすぎ注意。火加減を誤るとたちまち黒く焦げてしまう。
サイズは小さいが一度にふたつ食べたらちょうどいい。
よし、君に決めた。
翌朝。
さてどう調理しようかと考えると同時に包丁を手に取り立てに切り込みを入れる。
ホットドックと同じ要領だ。具材を挟んで焼けばいい。
手をかけずおいしく食べるのが長続きする自炊のコツ。
火加減に注意しながら完成を待つ。カリッと香ばしくおいしい。
いつもと違うことはよい刺激になる。たとえどんなに小さな事でも、それは冒険だ。
ここまで書いて思い出したのだが、最近めっきりフレンチトーストを作っていない。
ひとり暮らしを始めた頃、前のアパートに引っ越した頃は本当に毎日作っていた。
毎日作って毎日食べた。バンドの遠征先でも作ったしライブハウスのイベントでも作った。友人宅でも作った。脳の半分フレンチトーストに支配されていた。
今の家に越してからも数回作ったが、以前ほどではない。
あの熱量はどこにいったのか。
熱量では無く、フライパンがどこかに行ったのだ。
フレンチトーストを作る時は四角いフライパンを使っていた。
1枚を4等分に切った食パンにまんべんなく火が通るから便利なのだ。
四角いフライパン。どこにいるんだい。
これを機に新しいものを買おうか。
いや、それよりもいつもの棚に3枚入りの食パンが戻ってくるまで待つことにした。
2024/03/16 07:48
今日はこれでおし枚。