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2024年4月13日

2024/04/13 09:12

今の私は9時15分を握っている。
富士山を正面に見ながら晴天の空を時速100キロで西に向かって走っている。
普段の私は10時10分だな。
これはハンドルを持つ手の位置の話。
車種によって位置が変わる。
今、9時15分を握っているのはちょうど親指の付け根がハンドルの中心と外円とを結ぶ交点に当たる部分であり、無駄な力を掛けずにハンドル操作ができるからだ。
それと、ハンドルに付いている便利なボタンにも容易に触れることができるからだ。
燃料の現在量から導き出された航続距離を確認した直後にカーオーディオのボリュームを上げる事ができる、運転者が快適に過ごせる工夫が凝らしてある。
これはバンドの機材車の場合。

自家用車だと、10時10分。
ハンドルの作りは機材車と大差は無いのだが、シートの位置や目線の高さの違いが握る位置の時間を55分ほど進めているのだろう。
また、右肘を窓枠に置く場合は左手の位置は南西の位置にあることが多い。
同時にこの場合はぼんやりと考え事をしていることが多い。もちろん運転には気を配って。

コーヒーカップを持つ位置や万年筆を握る部分など、無意識に行っている「持つ位置」には必ず理由がありその理由とはつまり自分自身が負荷無く快適に使える部分を探り当てている。だが基本的に無意識だからこそ、意識を向けて分析することは少ない。
そしてこれらは人それぞれ微妙に異なり、全く同じ人はこの世の中にふたりと居ないのだ。

こうして私を一歩引いて分析すると、あなたと私は違う、差異があって当たり前だと強く感じる。同じである必要は無く、どちらが正しいなんて事も無く、どちらも正しいのだ。

カーテンと窓を開けて外の空気と光をふんだんに取り込んだホテルの部屋から外を眺めると、誰ひとりとして同じでは無い沢山の人々が歩いている。
たくさんの「あなた」が今日も生きている。

2024/04/13 09:27

今日はこれでおしまい。

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