2024年3月19日
2024/03/19 22:54
窓越しに見る景色はどうして心に残るのだろうか。
教室から、車の中から、家の中から、窓を介して見える外の世界は切り抜かれた風景としてそこに描かれる。
特に私は、車窓か見る景色が心に残ることが多い。
自分で車を運転するようになって十数年、運転する機会はみなさんよりもちょっとだけ多いような気がする。
目的地が決まっていてひとりで運転する時はなるべく景色のいい道を、特に海がよく見える海岸線を走るようにしている。
広く遠くどこまでも続く海が好きなのだ。
あまりに綺麗で車を停めて、窓を介さずに海を眺めることもある。
だが不思議なもので、運転席から窓を介して見る海の方が心に残るのだ。
ここまで書きながら気がついたのだが、写真と同じだ。
どの場所のどの部分を切り取るのかを選ぶのが写真で、世界を四角く(時には丸く)切り抜く行為は窓を介して外を見るのと同じ事だ。違うのは記録できるかどうか。
子供の頃から窓越しに外を見るのが好きだったら、もしかしたらもっと早く写真を撮っていたかもしれない。子供から大人になる過程で徐々に惹かれていった窓越しに世界を見る行為の行き着いた先が私の場合写真を撮ることだったのかもしれない。
遠征帰りの海に浮かぶ大きな月明かり。
出張帰りの夕日の雄大な輝き。
初めて走る道の、川沿いに浮かぶ竜のような雲。
五車線はあろう都会のハイウェイから見える摩天楼。
思い出されるのは、窓を介して窓に切り取られた世界の一部だった。
2024/03/19 23:09
今日はここまで。おやすみなさい。