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2024年4月9日
2024/04/09 09:12
記憶のトリガーはどこにでもある。
先日空腹に任せて肉うどんとカツ丼を単品で頼み、完食し、満腹感と罪悪感をブレンドした感情に浸っていたときにトリガーは引かれた。
あれは三年前の話。
仕事で市外に行っていた。少し遅めの昼食。
県内に数店舗存在するうどんの美味しいうどん店。
この時も空腹だったが、多少の理性あった私は親子丼セットを注文した。
親子丼と小さな素うどん。
壮年の女性店員さんによって運ばれてきた親子丼セット。食べる前からもう美味しい。
さっそく箸をつける。まずはうどん。外はまだ暑い時分にクーラーの効いた室内で食べる熱いうどんは贅沢だ。やっぱり美味しい。
続けて親子丼に箸をつける。豪快に箸を差し込みお米からすくい上げる。
お米から、すくい上げる。
お米から。
箸先から伝わる感触がなにやらおかしい。
妙に柔らかい。米粒の当たる感触ではない。
例えるなら麺に箸を進める感触。
え、うどん?
うどんの麺の上に親子丼の親子にあたる部分が乗っていた。
親子丼ではなく、親子うどんだった。
すぐにメニュー表を確認する。間違いなく「親子丼セット」と書かれている。
「今日だけ特別親子うどん!」みたいな表記も見当たらない。
おばちゃん、間違えちゃったのかな。
ここで思考停止。すぐに思考フル回転。
どうしよう換えてもらおうかしかし既に箸をつけてしまった仮に換えてもらったとして他の誰かが美味しくいただけないのでは廃棄されてしまうのではしかしこれはこれで美味しそうだな一口食べちゃえ。
アリ、だな。
結局どちらとも完食。意図せずうどんを1.5玉ほど食べることになった。
誰にも気がつかれず美味しくいただいた。
その日は会った人に大興奮でこの話をした。
そんなことがあった3年前のあの日のことを、先日思い出した。
記憶のトリガーは、そこら中に広がっているのだ。
また食べたいが、注文の仕方はわからない。
2024/04/09 09:27