「おはよう、私」⑤(短編連作小説 & 音楽)〜素晴らしいアーティストが加わりました(完結編)
『おはよう、私』(フルバージョン)
うた:坂本櫻 / 詞・曲: Jaga
小説:さち
一曲のピアノ曲から小説が生まれ、小説から歌詞が生まれ、糸を紡ぐように織り上げた短編連作小説&音楽、『おはよう、私』。
このたび素晴らしいアーティストを迎え、この作品に歌声が加わりました。
それが、冒頭で聴いていただいた『おはよう、私』です。
シンガーソングライター 坂本櫻
歌ってくださったのは、プロのシンガーソングライター、坂本櫻さん。
ピアノ曲と小説のコラボ作品である『おはよう、私』とその成り立ちに共鳴し、すべて無償で歌ってくださいました。
時を超え過去や未来にまで響きわたるような深みと広がり、「それでも、生きるって素晴らしい」と、そっと、でも力強く人生に寄り添ってくれるような、その透明な歌声。
坂本さんの歌声は、小説&音楽作品『おはよう、私』の世界に驚くほどぴたりと調和し、美しく響きわたります。
◇ この歌声に出会うまで、そして歌声のもたらしたもの
はじめはピアノの旋律のみで出発した、Jagaさんの『おはよう、私』。
それはもともと、単線列車の景色でした。
日々を戦いながらも朝を迎え、今日という日をまた始める。
自分だけの、誰ともすれ違わない単線列車。
その車窓から見えるひとつの景色にそっと寄り添い背中を押すような、やさしい旋律。
その素敵なメロディから、わたしの中に、第一話の主人公・瑠璃が生まれました。
最初は、彼女のある日の朝を切り取った短いお話をひとつ、そっと曲に添えるだけのつもりでした。
でも、瑠璃の物語を書き終えてしばらくして、この『おはよう、私』を巡って自分の物語を語りたがっている存在がまだいることに、ふと気がつきました。
そのようにして、それぞれ別の主人公を据えた第2話と第3話が生まれました。
それぞれの人生は、そのすべてを他の列車と並走することの叶わない、孤独な単線列車かもしれない。
でもその列車はどれも、それぞれの車窓からしか見ることのできない唯一無二の絶景の中を、ひた走っている。
小説を読み進め、ひとつの列車からまた別の列車に乗り換えることで、それぞれの列車がもつ美しい背景を眺めていただくことができる小説になったと、思っています。
このあと、この小説の広がりに呼応するように、Jagaさんからさらに展開したメロディと歌詞がうまれました。
そしてさらにここから、この孤独な単線列車たちは、坂本櫻さんの歌声によって大きなターミナル駅に辿り着くことになります。
そこは大きくひろやかで、どんな背景をもった列車も集うことのできる場所。
ひととき緩やかに重なり合い、そこからまたそれぞれの新しい景色の中を、走り出していける場所。
そのターミナル駅の高い天井に、彼女の歌声が響いている。
短編連作小説『おはよう、私』の第1話は、こちらからお読みいただけます。
単線列車たちの景色を、坂本櫻さんの歌声とともに、ぜひ。
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◇ いったん完結、でもまた、いつか。
Jagaさんや坂本櫻さんとともに小説と音楽で織り上げ、note創作大賞2024にエントリーしているこの『おはよう、私』という作品は、いったんここで完結します。
作品世界をお楽しみいただき、心から、ありがとうございました。
けれど「ここで終わりではない」という予感もまた、しています。
またいつか、別のかたちで、お会いできますように。
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