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緊張のご対面

前にNoteで記事をアップしたが、昨年次男坊に彼女ができた。
こちらがその時の話。

今日はその彼女がはじめて我が家に来てくれた時の話。

次男坊は地元のジュニアホッケーリーグで現役の選手。

毎度、試合会場には必ず選手の彼女なんだか友達なんだかよくわからないギラギラしたティーン女子たちが応援に駆けつける。

そんな彼女たちを見るにつけ、こういうの流行ってるの?と自分がついていけてないだけなんだろうだけど、ついつい眉間に皺がよってしまう私。

つけまつげに極太アイライナー。くるんくるんに巻いた長い髪、絶対に寒いはずなのに肩出しヘソ出し、ちょっとけだるい感じが今時ってこと?

それは室内用スリッパ?それはパジャマのパンツ?

でも不思議となんかみんな似てる。

とにかく一生懸命目を引く格好をして大好きな選手の応援をしている体なんだろうけど、実際試合が始まると必ず携帯に釘付け。

おーいどうした?緊急事態?どうして来た?間違っちゃった?と思わずにはいられない。

入場にはお金もかかるし、一試合2時間半。長い。

試合に興味ないなら無理して来なきゃいいのに。。

とまあ、今時女子の辛口批評はその辺にしておいて。

そういうちょっと肉食系女子に見慣れていたし、息子の友達の親御さんからも彼らの恐怖の彼女話を聞いていたので、非常に警戒していた私。

でも初めて彼女と対面する時は、見た目で判断しないよう、偏見を持たないよう自分に何度も言い聞かせて、とてもニュートラルな状態を保つよう心掛けた。

でも実際に会ってみると、

シンプルにとてもいい子だった。

ジーンズに淡いピンクのセーターは長すぎず短すぎず、肩もおへそも隠れていたし、お化粧もしていなかった。

フィールドホッケーをやっているということで、健康そう。小柄でソバカスが可愛い。キャンディーキャンディーみたい。

栗毛色の髪の毛も無理矢理染めて巻いて痛み切ったブロンドの髪と違って健康そのもの。天使の輪、久しぶりに見た。

大きいうちの息子の後ろにいると、全く見えない。まるでチッチとサリー。次男坊サリーみたいにカッコ良くはないけれど、サイズ的に はあんな感じ。

英語でCute as a button という言い方があるんだけど、次男坊の彼女チッチはまさにそんな感じ。小さいボタン(花じゃなくて洋服の)みたいにかわいい。

どんな子が来ても大丈夫なようにシュミレーションしていた私だったけど、必要なかったかも。

彼女から再三うちに遊びに来たいと言われていた次男、人が来られる状態に綺麗にしたら呼んでよし、という夫の条件に、死ぬほど嫌がる掃除を進んでかってでた。

掃除機がけ、ガラス磨き、ゴミ出し、皿洗い。思いつくことは全てやって「これでいい?」「これでいい?」としつこく夫に迫り、めでたくこの日がセッティングされた。

チッチは地元で有名な女子校に通う一人っ子。仲良しのご夫婦に大切に育てられた大事な一人娘だ。次男坊とは彼のいく男子校とのダンスパーティーで知りあったそう。後に「私が先に目を付けたと」とチッチが教えてくれた。

本当に次男坊でいいの?こんなガサツな家で大丈夫?私や夫の頑張ってない初老感、がっかりしない?

次男坊もうすでに何度も彼女の家に行ってあちらのご両親にも気に入ってもらえているようで、今の彼らの課題は我が家と彼女の関係構築。

彼女にどんな印象を与えるのか私たちも気がかりだったから、正直かなり緊張していた。

ドキドキの到着。男ばかりの汗臭い我が家の玄関に登場したチッチ。ひまわりみたいにパッと花やいだ。電気変えた?っていうくらい。そして会って真っ先に

会えて嬉しいです。

と恥ずかしそうな笑顔と小さなガラスの花瓶に刺したかわいい花束。ほっとした。

なんだ、いい子じゃん。


ピンクの花瓶がかわいい

お花なんてもらったのでどれくらいぶりだろう?

本当にいい子で良かった。

テンションあがる夫、もう完全に舞い上がってて3cmくらい空中に浮いてた。

マシンガンを思わせる喋りっぷり。いつ息してるんだろうか、この人は。

でもチッチはそれを面倒がらずに楽しそうに聞いてくれ、一生懸命相手をしてくれた。

いつもの誰も笑わないつまらないオヤジギャグに、マジかと凍りつく私と息子たち。そしてそんな私たちをよそにケラケラと楽しそうに笑うチッチ。

あー面白くなさすぎて面白いよね、新鮮でしょ?今時こういうこと言う人いないからねと心の中の私がつっこむ。

でもその辺にしとかないと、このおじさんつい調子に乗っちゃうからね、と私の心の中は警告ブザーが鳴りっぱなし。

でも久しぶりに話を聞いてくれるかわいいチッチにもう夫はでれでれ。年末年始の体調不良でちょっと老け込んでしまった夫のたまの楽しい時間、まあよしとする。

私、次男坊、そして長男は黙々と食べ、楽しい夕食は終わった。

近くのレストランへ一緒に行ったので帰り道歩きながら次男坊に

チッチ、ボタンみたいにかわいいね

というと、嬉しそうに

でしょ?すごくいい子なんだよ。

ってキラキラした目で私に言いやがりました。
次男坊よ、君は今青春真っ只中だね。

何だか急に次男坊が大人になっちゃったみたいな気がして胸がちくっと痛んだ私。これって幸せな痛みってやつよねえ、きっと。

レストランを出ても、まだ喋り続ける夫とそれを聞きながら小走りして隣を行くチッチ。

そんな光景をを眺めながら、幸せな痛みを満喫しました。


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