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【トラブル回避のコツ】テキストコミュニケーションが苦手……わたしもです。

「クライアントからの理不尽な修正、どうやったら断れる?」
「質問に対して返事が来ない……催促ってしてもいい?」

結論からズバっと言います。

理不尽な修正は、はっきり断りましょう。
催促しなきゃ返事をくれないようなクライアントは、仕事がしにくいのでサヨナラしましょう。

でも、そうは言っていられないですよね。

「この仕事がなくなったら、収入がなくなる」
「クライアントとの関係が悪くなったほうがストレス……」
「このディレクター、ムカつくんだけど報酬がイイの……」

そんな場面も多々あるかと思います。

でもこういうトラブルって実は、ちょっとの工夫で回避できるんです!

わたしは現在、4社と業務委託契約を結んでいます。
そのうち2社とは3年以上継続しており、最近契約した他の2社とも良好な関係を築いています。

今回のコラムは、フリーランス5年目のわたしが、クライアントとのトラブルをどのように避けているのか、そんなお話です。

↓最初のころは失敗もしたよ↓


【前提】トラブルは、よいクライアントでも発生する

前提として、あなたの人格やクライアントの社風、担当者の人柄に関わらず、発生する時は発生する。それがトラブルです。

仕方ない、としかいえない。

あなたがとても優しくて穏やかで優秀な人材だったとしても。
担当者が親切で丁寧な人だったとしても。

トラブルは避けられません。

理由、わかりますか?

なぜなら、どちらも

「感情や意思を持った、人間だから」

です。

考え方が全く同じ、という人間は存在しないでしょう。
感情を完全に排除してAIのように働ける人も、稀です。

どちらにも感情があって、欲求があって、目的があります。

双方の人柄がよくても、成果物に対する評価が違えば、トラブルになります。

それから、双方の忙しさもトラブルの原因になるでしょう。

でも、こういうことって、実は簡単に回避できるんです。

【極意】最初にルールを決めてしまえ!

これに尽きます。

まず、契約書を読んでください。

不明点があったら質問して、必ず確認して納得してから契約書にサインをしましょう。

そしてこの「契約書にサインする時」が、最も「お願いを伝えやすい時」です。
先方は絶対にメッセージを確認しますし、返信をする必要もあります。

特に一発目の仕事はクライアント側の準備が整っておらず、トラブルになりがち。

クライアントからスケジュール感を申し出てくれたらよいのですが、そうじゃないケースも多いんじゃないかと思います。

なので、

「最初の納品についてなのですが、◯日までに情報をいただけましたら、▲日に余裕を持って納品できるかと思っております。ご都合はいかがでしょうか?」

と、聞いておきましょう。

これを聞かずに何日も経過してしまうと、不安になって催促が必要になります。

催促するの、嫌ですよね。迷惑かな、とか思っちゃうし。

実は「催促されたら、返事をわざと遅らせてる」っていう人がいた、と聞いたことがあります。

だから、最初に絶対にやり取りが必要な場面で、自分の都合や希望を「〜だと想定している」「〜だと嬉しい」という感じで伝えておきましょう。

ただし、都合や条件だけを伝えるのはNG!

「御社のご都合もあるかと思いますので、もし調整が必要でしたらご遠慮なくお申し付けください」

のように、相手への配慮を含んだメッセージも入れてくださいね。

あと、連絡が取りにくい曜日があるなら、このタイミングで

「水曜日はすこし返事が遅くなるかもしれませんが、遅くとも翌日にはご連絡するようにいたします」

と伝えておきましょう。

【業務開始後】ケース1:返事が来ない

これ、一番多いんじゃないかと思います。

わたしのやっている方法は、こんな感じ。

〜の件ですが、ご都合いかがですか?もしお忙しいようでしたら、次のように対応いたしますので、他に優先する作業がある場合にのみ、お返事をいただけると助かります。

・〇メディアのリライト
・▪️さんの納品物チェック&KW共有
・×記事に掲載する解説画像の作成

上記で問題なければ、お返事はなしでも問題ありません。
どうぞよろしくお願いいたします。

「◯日までにお返事がない場合は」と予定を組み込むと、よりよいと思います。

このメッセージを送る際、念頭に置いて欲しいのは「クライアントも忙しいだろう」というところ。

いや、ぶっちゃけ、忙しくても返事はしろよ。って思っています。
返事がなくて提出が遅くなったら、それはクライアントのせいじゃん。

でも、トラブルは回避したいですよね。
クライアントのせいでも、トラブルを回避できるなら、自分を守るために工夫しましょう。

このようなメッセージを送るメリットは結構あって、

①クライアントがスタンプだけの返事でOKになる(可能性が高まる)
②「自分はちゃんとやってる」と証拠が残る
③ストレスが減る
④「仕事がしやすい人」と認識してもらえる

クライアントがスタンプで反応してくれたら、作業は問題なく進められます。

仮にこのメッセージに返事がなかったとしたら、
「返事がなかったから、記載した通りに進めた」という体裁が整うため、
トラブルを回避しやすくなるんです。

あと「自分はやることを伝えた」という証拠が残るので、仮にこれでトラブルになったときにも、担当者より上の人に自分が”有利”な状態で状況を伝えられます。

わたしは言ったよ?伝えたよ?

これが証拠として残るだけで、ストレスはかなり軽減されるはずです。

【業務開始後】ケース2:納得できない修正対応①

5年もWebライターをやっているんです。そりゃ、理不尽な要求なんて数えきれないほどありましたとも。

これ、理不尽か理不尽じゃないか、という線引きがまず難しいですよね。

わたしにとっては理不尽ですけど、クライアントにしたら「契約の範囲内」という認識の可能性があります。

だから、契約書はちゃんと読んでおきましょうね!

というお話なのですが。

Webライターが多く直面する理不尽シーンは、

  • 納得できない修正対応

  • いきなりの契約変更

が多いのかな〜と思っています。

まず「納得できない修正対応」について、ディレクター目線でお伝えすると、

何に納得できないのか、を考えてみて欲しい

というところ。

わかりやすいように、実際にわたしがディレクター側として直面した事例を紹介します。

採用後、1発目の納品物。
まずはキーワードと構成作成の解説をした動画を共有し、1週間の納期を設けて構成を提出してもらいました。
しかし、納品された構成はマニュアル度外視でSEOの基本もできておらず、論理的でもありませんでした。

最初だったので、全部こちらで修正。
構成作成のポイントを具体的に解説した動画を撮影・共有し、
「今回はこちらで修正いたしましたので、このまま執筆してくださって大丈夫です!次回の参考にしてください」
とお願いしました。

しかし、全修正の構成を見たライターさんから届いたのは
「非常に理不尽です。契約解除でお願いします」
というお返事でした。(動画は再生されていませんでした 泣)

すごく低品質な構成でしたが、動画を見たら次につながってステップアップできたかもしれません。

「FBされた」「全部修正された」というだけで、理不尽だと感じているなら、それは非常にもったいないと思います。

【業務開始後】ケース3:納得できない修正対応②

でも、なかには本当に理不尽なFBってあるんです。

ここでは、わたしがライターとしてFBされた実例を紹介します。

クライアントからのFB:
「薬機法の最上級表現NGにより『最大30,000円オフ』の『最大』は削除してください。レギュレーションを遵守してください。」

……アホなのか。
この場合の「最大」っていうのはね?最上表現の逆だよ?
「最大」を削除したら、絶対に30,000円オフになるって意味になるけど、大丈夫?

と思ったので

「最大30,000円オフ」から「最大」を取ると、逆に「絶対に30,000円オフになる」と勘違いされた場合に言い訳ができなくなるかと思います。「薬機法の最上級表現」には抵触しないと思うのですか、いかがでしょうか?

とお伝えしました。
そうしたら、なんと!

クライアントからのFB:
「では『約』にしてください。レギュレーション上『最◯』はNGです」

あのね?
「約」にしたらしたで、今度は30,000円以上オフになる可能性、生まれるよ?

と思ったのですが。

この担当者は他にもちょっと面倒なことがあって「もう限界だな」って諦めました。

さらに上の人に事情を説明し、やりとりも確認してもらって、穏便に契約解除できたのは、唯一よかったことです。

かなり引き留められましたが、そんな人がディレクターの会社、信頼できます?できないですよね。

信頼できないなら、今後もトラブルになる可能性があるので、早々の契約解除がおすすめです。

【業務開始後】ケース4:いきなりの契約変更①

3度目ですが、こういうトラブルを回避するためにも、

「契約書は読んでおこう!」

契約書にない仕事を、サービス(無償)でやる必要はありません。
サービスでやると、それがその会社で「普通」になってしまい、他の業務委託さんに迷惑をかける可能性もあります。

また、他の人がサービスでやっているからって、自分もやらなければいけない理由にはなりません。

なので、契約書にない仕事を依頼されたら

「契約書にない作業内容ではないかと思うのですが、確認していただけませんか?」

と、確認を促しましょう。

その上で、契約書にないけどやってほしいと言われたら、

単価交渉チャーンス!

「この作業は、今後も続くご予定でしょうか?もしそうであれば、現在より作業量が増えることになりますので、よかったら報酬をあげていただけないでしょうか?」

でもちょっとこれだけだと弱くて、追加で、

「最近は仕事にも慣れ、修正がほとんどない状態が続いており、御社に貢献できているのではないかと自負しております」

みたいな、実績アピールを軽く添えると納得度が上がるので、おすすめです。

もし、単価アップしてもらえなかったら、その「契約書にない仕事」はお断りしてもよいんじゃないかと思います。

ですが「今回だけの特別対応です」と言われたら、わたしなら無償でやります
もちろん作業内容にもよりますが、クライアントとの関係を良好にしておきたいなら、ギブもアリです。

信頼も得られますしね。今後も一緒に仕事をしたいクライアントなら、少しくらいのサービスは先行投資です。

【業務開始後】ケース5:いきなりの契約変更②

契約変更って、業務内容だけじゃないですよね。

いきなり報酬が変わることもあるんじゃないかと思います。

でも、フリーランス新法によって、

契約時に定められた報酬額を一方的に引き下げる行為は、禁止行為になりました!

1か月以上の業務委託をする場合の禁止行為

発注事業者がフリーランスに対し1か月以上の業務委託をした場合に行ってはならない禁止行為が定められています。具体的には、以下の行為が禁止されています。

・発注した物品を受け取らない。
・発注時に決めた報酬を後で減額する。
・受領した物品を返品する。
・通常の対価に比べて著しく低い報酬の額を不当に定める。
・自己の指定する物の購入・役務の利用を強制する。
・自己のために金銭、役務その他の経済上の利益を提供させる。
・フリーランスが悪くないのに、内容を変更させ、又はやり直させる。

※出典:フリーランスが安心して働ける環境づくりのための法律、2024年11月からスタート!
政府広報オンライン
 

なので「禁止行為に該当しますよ?」と、やんわりお知らせしましょう。

それでもクライアントが納得しなければ、
フリーランス・トラブル110番
への相談がおすすめです。無料で弁護士に相談できますよ。

フリーランス・トラブル110番

でもまぁわたしなら、そんな法令遵守もできないような相手とは、早々に手を切ります。

今後、同じようなことをされたり、もっとヤバいトラブルに巻き込まれたりする可能性もあるので。

将来に大きな波乱を呼ばないために、今、小さな波で終わらせる

というのも、フリーランスにとって大切なリスク回避方法のひとつだと思っています。

大切なのは「信頼」と「尊重」

わたしが実践している方法や考え方をお伝えしましたが、大切なのは「信頼」と「尊重」だと思っています。

お互いに「信頼し合えるか」
お互いを「尊重し合えるか」

それができないクライアントとは、仕事をしないほうがストレスがありません。

例えば、

信頼していないと、FBを素直に受け入れたり、反論したりはできません。
尊重してもらえないと、雑な扱いをされ続けます。

わたしはいつも、
発注書が届くたびに「ご依頼、ありがとうございます」と伝えています。
FBがあると「ご指摘、ありがとうございます」と伝えています。
請求書を送るたびに「◯月もたくさんのご依頼、ありがとうございました」と伝えています。

そう、隙あらば!感謝を伝えています!

それから、相手のミスでわたしの仕事が増えたときも、

「すぐに修正できますし、あまりお気になさらないでくださいね」

と、年に数回程度なら「気にしなくていいよ」と伝えて、無償で対応します。(修正量によっては少し別料金をもらうけれども)

だって、わたしだっていつか、ミスするかもしれないんです。
相手のミスを許せなければ、わたしのミスも許してもらえません。

わたしのミスを、たとえ相手が許してくれても、わたしがわたしを許せません。

あの時、あの人のミスを許せなかった自分を。
そして、自分がミスをしたことを。

相手のミスを許せなかっただけで「誰も幸せになれない」なんて、無意味だと思いませんか?

ただ、なぜか調子に乗る(優しさにつけあがる)クライアントもいるので、加減には注意が必要です!

最後に

このコラムでは、テキストコミュニケーションが苦手なわたしが、クライアントと仲良くやるために編み出したコツを紹介しました。

2社とは3年以上、もう2社とはまだ3か月程度ですが、大きなトラブルなく円滑にお仕事ができています。

もちろん、納期を守るとか、丁寧で誠実な仕事をするとか、そういう「姿勢」や「成果」でも信頼を得られます。

同時に「テキストコミュニケーションがしやすい」というのも、クライアントにとっては重要な評価ポイントです。

とはいえ、搾取されないためにも未来の自分を守るためにも、本当に理不尽な要求については、しっかり断る姿勢も身につける必要があります。

匙加減が難しいのですが、

  • 相手を信頼できるか

  • 相手から尊重されているか

というのをひとつの指標にして、場合によっては契約解除も検討しましょう。

最後に、言いにくいことを伝えるときに、わたしがよく使っている言い回しを伝授します。

「〜はいかがでしょうか?」

  • 理不尽な要求について、相手に検討を促せる

  • 自分にとって妥協できる方法を提案できる

  • なんか、配慮しているみたいに感じてくれる

など、使い勝手がよい言い回しです。ぜひ使ってみてください。

このコラムが、あなたが円滑に仕事をするための知恵となれたら幸いです。

24時間以内にお返事いたします

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あおこ|山梨ライター・ディレクター
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