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桜の君|短歌

薄らかに かりそめしの世は過ぎて
 時の川にぞ いざ夜離よがれせむ

薄らかなり:(ものの厚みが)薄い、うっすらとしている
仮初かりそし:うたたね
夜離よがれ:愛が薄らぐこと/女性の元に通うのをやめること



 先日の 桜の姫 に続いて、桜の君 です。

 この世を愛おしく思って咲いていたけれど、もう倦んできたから散って去りますよ、というような意味。(のつもり)

 写真を撮りつつ感心するのが、桜の花びらの薄さ。だから風に乗れるのね。

 そして、和歌をひもときつつ感心するのが、古語の密度の高さ。数文字で、複雑な意味を表せるので、31文字が成立したのはそのおかげかもと思います。現代日本語だとこう濃くは詠めません。(非力ゆえでしょうけれど)



「わが心こころにもあらでつらからば夜離れむ床の形見ともせよ」〈後拾遺・恋二〉


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星の汀 / ほしのみぎわ
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