【TOR】ジャリエル・ロドリゲスを獲得
(画像はSportsnetより引用)
多忙につき更新が滞りがちですが、出来るだけタイムリーな投稿に努めたいものです…。他のトランザクションも追って更新しますが、今回は本日正式アナウンスのあったジャリエル・ロドリゲス獲得について触れます。
当初の報道よりはリーズナブルな価格
1月頃から契約合意の報道がありましたが、カナダに入国してのメディカルチェックに時間を要し、本日ようやく正式にアナウンスがありました。
当初は4年32Mと報道されましたが、実際は5年32M保証の契約。5年目は6Mのプレイヤーオプションで、ジャリエル側が破棄した場合は球団が10Mのオプションを得ます。インセンティブとして4Mが含まれ、最大で5年40Mとなります。
ジャリエルの契約に伴いオットー・ロペスがDFA。23年は3AでOPS.656と平凡な成績に留まり、MLBでの出場機会もありませんでした。ドミニカ出身のカナダ人ということもあり期待していましたが、この成績ではDFAも仕方ないといったところでしょうか。
マイナースタートもありうる
野手と異なり、オフシーズンにおいて投手の流出は限定的で、ジャリエルはマイナースタートの可能性もあります。昨年大不振のマノアも含めるとローテは5人いて、中継ぎもロマノ、スワンソン、メイザ、ガルシア、リチャーズ、カブレラ、グリーンら頭数が揃っています。ジャリエルは23年3月以降で実戦登板が全くなかったことも考慮すると、マイナーでじっくり調整する可能性も考えられます。
先発投手としての適性は相当に疑問符
MLBTR等ではジャリエルの先発投手としてのポテンシャルを評価されていますが、個人的にはかなり懐疑的。最後に先発をしていたのがキューバ時代の19-20年で、与四球率が4.9と制球に苦しみました。
偶然にも、昨年のWBC準々決勝のキューバ対オーストラリアの試合で、私はジャリエルの先発を生観戦しました。その試合でも投げている球は光るものがあるものの、5四球を許し4回持たずに降板となりました。投球スタイルも典型的なスライダーとの2ピッチ投手で、サイズ的にもスターターと評価されるのが不思議なくらいです。先発でも平均95マイルを計測するスタッフ面が優秀なのは事実ですが。
成功する可能性があるものの分の悪い投資だろう
まだ26歳と若く、100マイルの直球とシャープなスライダーがあり魅力ある選手です。一方で、リリーフ濃厚の投手に5年契約は相応のリスクがあります。22年に中日でマークした防御率1.15は立派ですが、K/9は9.5、BB/9は3.0で、圧倒的な投球内容ではありませんでした。
同時期にNPBでリリーフとして活躍してMLB移籍した松井裕樹の5年28Mの契約と比べると、昨年全く投げていない不透明さも含めて分の悪い投資という印象は否めません。
とはいえ、ブルージェイズのブルペンもFAが近い選手も増えてきたので、ジャリエルが支配的なリリーバーとして定着すれば将来的に大変大きいな強みになります。ジャリエル獲得が成功すれば、ブルージェイズの海外FA選手に注力する路線にも弾みがつきます。ブルージェイズでは過去にも多数のキューバ人野手が在籍しましたが投手は初めてなので、名実ともに新たな歴史を切り開いてほしいものです。