温度

彼の何が好きなのかって、ハッキリ『ここです!』とは答えられない。

パートナーシップにおける『好き』って、いろんな感情や感覚が複雑に絡み合って、すごく奥深いと思うんだ。

でも、私が常日頃、『たまらない』と思っていることがある。

それは、【温度】。

触れた時の手の温度、身体の温度、声や感情の温度。
それが彼はとても暖かい。

相性の良い温度ってあると思う。
こういうのを『肌が合う』というのかもしれない。


とにかく、温度が気にいる人なんて、今まで出会ったことがなかった。

でも、この温度がしっくりくる安心感といったら。
手を繋いだりハグをしたりしただけで、心の中の不安とかストレスとかが溶けてなくなっていく。

彼と出会うまで、抱き合って『冷たい』と感じたり、温度を感じさせない隔たりがあったり、そういう人ばかりだった。
だから私はどれだけ身体が密着していても、全く安心感を感じなかった。

むしろ、冷たさを感じれば感じるほど、心の距離を感じて不安が募っていった。

でも彼は、泣きたくなるくらい暖かいのだ。

触れていたいな、と思う。

だから私は、彼が隣にいるとものすごく深く眠れる。
ストンと眠りに落ちて、スッキリ目覚める。

聞かれても、恥ずかしいから答えないけれど。


あなたの【温度】は、たまらない。