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Voigtlander NOKTON Vintage Line 28mm F1.5 Aspherical

私はLeica M11で写真を撮っています。
このカメラは2023年の暮れに購入したので歴としては1年くらい、所有するレンズは4本でラインナップはこんな感じです。


  • Leica Elmar 50mm f2.8(1957-1966)

  • Leica Elmar 3.5cm f3.5(1930-1950)

  • Voigtlander NOKTON Vintage Line 28mm F1.5 Aspherical(2024-)

  • Voigtlander COLOR-SKOPAR 21mm F4 P VM(2007-)


この中でもElmar 50mmとNOKTON 28mmの2つの頻度が特に高く、ここではNOKTON 28mmについて少し触れたいと思います。

このレンズの購入背景と決め手としては4つあって

  1. エルマー50mmと3.5cmの最短撮影は1m。もっと寄りたいよね。

  2. これまで28mmは未経験なので使ってみたい。

  3. 比較的お手頃価格。で見た目も良い。新しい。寄れる。

  4. コシナの製品紹介サイトの作例が大杉隼平さん。(←好き)

あたりとなります。ちなみに私はクラシックな外観のType Ⅱというモデルのシルバーを発売して間もない2024年5月頃に購入しました。

レンズの特徴については

歴史的な名作とされるクラシックレンズのスタイリングを彷彿させる外装に、現代的な撮影機材にマッチする性能のレンズを組み合わせた広角レンズ。大口径、コンパクトで引き締まったサイズ感、極めて優秀な光学性能という3つの要素を併せ持つ、ハイグレードなレンズです。

コシナ公式製品情報サイトより

と謳われており、この126文字が最も的確に表現していると思います。実際、所有する4本の中で最もシャープに写る優等生という印象です。比較対象となるレンズの年代や価格を鑑みると、いやまあそりゃそうでしょ、ではあるのですが。


Photos

それではいくつか写真を見ていきましょう。

まずはそのシャープさがどれ程か、ということでf8くらいまで絞った2カットです。尚、掲載している全ての写真はM11で撮影し、RAW現像はLightroomで露出の微調整と水平補正だけしています。

1枚目は東京の柴又帝釈天の邃渓園(すいけいえん)という庭園です。ガラス越しに胡蝶蘭を撮ったもので、中心部は言わずもがな、廊下の奥に続く欄間まできっちりと解像しています。

2枚目は夕日が沈みゆく海辺で風景を眺めるご家族が印象的で撮った1枚。太陽と正対していますがフレアやゴーストも見当たらず逆光耐性の高さが現れているカットかと思います。中心部の人物もかなり遠い距離ながらしっかりとシルエットが解像されています。

続いてはこちらの3カット。こちらもf8くらいに絞っています。

金属の梯子やダクト、石段などそれぞれの質感がとても良く現れています。特に石段の方は雨上がりでわずかに湿っていたのですが、その具合や仄かな反射も表現されていますね。所謂抜けも良く描写力の高さが伺えます。

では徐々に絞りを開いていきましょう。f5.6から4くらいです。

このカットは少し足を伸ばして京都で撮影したもので、早朝朝日が登る直前くらいの先斗町です。中心部に趣のある街灯、そして左右にはその街灯の明かりに照らし出される町家を配置してみました。少し暗いですが周辺部もしっかり解像するのが分かるかと思います。私の中では「カッチリしっとり」という謎の言葉が符号します。

カッチリしっとりなのを他にも何枚か。

カッチリしっとりはモノクロでも良い感じです。



更に絞りを開き、f2.8から2あたりにすると柔らかな描写に変わります。このカットだと被写体や構図から受ける印象もありますが笑。

2枚目はスコーンを選ぶ妻の後ろ姿を捉えたもので、シャツの腕の際に距離を合わせました。よく見るとシャツの毛羽立ちまで解像していて腰辺りのシワの立体感がよく表現されています。

最後に絞り開放、f1.5です。合焦面からのボケは非常になだらかで自然。とても美しいです。私は普段あまり開放では撮らない派ですが、このレンズの場合は積極的に開放で撮りたくなります。

所有レンズで明るいレンズはこれだけなので夜間撮影は必然的にこのレンズが選択されます。明るいは正義。

とこんな感じです。

「極めて優秀な光学性能」と公式で自ら謳っているだけのことはある現代の最新レンズなのかなと。前述のType Ⅰ・Ⅱによっては重量が異なり、私は重い方ですが個人的にはそれほど気になりません。寧ろ多少くらいずっしりしている方が良い写真を撮れそう、みたいなよく分からないイメージあったりしますし笑。ライカの現行エルマリートも使ってみたいと思うものの、その価格などを考えると28mmは今後も引き続きこのレンズがカバーすることになるでしょう。


28mmという画角

最後に、28mmという画角に対する個人的な見解を少しだけ。元々は35mmをメインで長く使っており、28mmはチャレンジという感じで使い始めたばかりですが、難しさというか不慣れさを感じています。かなり意識しないとついつい引きの画ばかりになってしまい、うーん、、と他のレンズに交換しがち。せっかく良いレンズなのにもっと使いようがあるとは思うのですが、まだまだ活かしきれてないので積極的に使っていきたいところです。

それではまた。