墓参りの帰りに…
それは年末の墓参りを終え帰宅途中の事でした。
帰路には、とても長い坂道がある。その半分ほどを車で上って行くと左のガードレールの端に突き刺さった形で車が突っ込んでいた。
単独の事故。
事故直後なのか警察や救急車はまだ来ていなかった。
数ヶ月後、そこを通り掛かったら小さな花が供えてあった。
「あの時の…亡くなったんだ…」
そう思いながら横目でチラリと一瞥したが運転に集中した。
あの頃、私はレンタカー会社でアルバイトをしていた。
私の後から入ったバイト仲間Tとは妙にウマが合い仲良くなった。
そのT。仲良くなる内に霊感があると話してくれた。
私はオカルト大好き人間なので、ソコに食いつき色々な霊体験を聞いた。それはまた後ほど語りたいと思う。
話を元に戻すが、事務仕事をしていると、そのTが営業所を勢いよく開けて帰ってきた。
バァーーーーーーーンッッッ!!!!(ドアが勢い良く開く音)
開けたと同時に「助けてーーー!!!」と叫ぶT。
呆気に取られた営業所内の私を含む数名。Tに視線が注がれる。
私「どないしたん!?」と聞くと
T「オバケ!!出たーー!!!」と、また叫ぶ。
聞くとTがレンタカーの回送途中、冒頭で書いた事故があったあの坂道を走っていたら前を走る車の後部座席に座る小学高学年か中学生ぐらいの男の子が、後ろを向く形で、こちらを見ていたそうだ。
「なんか見てるなー…」
そう思った瞬間、男の子が消えた。
「ン!?えっ!?!!??」
まさか…と思い恐る恐るルームミラーをちらりと見ると、前方に走る車に乗っていた筈の男の子がTの運転する車の後部座席に居る…
ミラー越しに目が合った。
「嫌ァァァーーー!!!!泣」
Tはルームミラーをグイッと自分からは見えない方向へやり半泣きで帰ってきたそうだ。
あまりの怖さに霊と遭遇した所から一番近い違う営業所に駆け込んだが社員の人に、ちゃんと自分とこに車乗っていって!と言われ泣きながら必死に自分の営業所に帰ってきたらしい。
Tが乗って帰ってきたその車。
駐車場内で移動させないといけないのだが気味悪がって誰も運転したがらない。
私はオカルトを聞くのは大好物だが実体験は断固断わる!という怖がりな人なので、うちの営業所内で唯一の男性アルバイトのK君に、その作業を押し付けたww
話しは、そこで終わったと思っていたと思っていた。
数年後、私達は結婚したり子供が生まれたりして、それぞれの環境が変わっていたが仲良しのバイト仲間でたまに集まったりしてた。
そこでTの霊on the carが話題に上った。
「そういやそういう事もあったよねー!笑笑」
何の気なしに笑いながら言った私に未だにそこにバイトに行ってるKは「何言っとるん!ショコラちゃん!あの後大変やったんやから!」と語り始めた。
その話を聞くまで忘れてたけどKもかなりの霊感体質。
あの日、Tがオバケを乗せた車を嫌々移動した後、帰宅すると玄関入る手前で家の中から姉がすっ飛んで来て「アンタ!家に入んな!なに持って帰ってきてるねん!!怒」と大量の塩を頭のてっぺんからぶっ掛けられたそうで…
なんか、ゴメン、ゴメン、K君…。とその時初めて思った 笑笑
そして例のレンタカーだが、あの日以来やたらと事故が続くもんだから何処かでお祓いを受けたにも関わらず事故が続き遂には廃車にしてしまったそうだ。
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