サラヴォーンについて
ジャズボーカルと言えばサラヴォーンだろう。この人だけ聴いていてもまあ大丈夫なんじゃないかと思うくらいだ。もちろんボーカルなのでジャズだけではなく、いろいろ歌っているのも聴いていて飽きないと思う。
80年代に亡くなってしまったが、40年代にデビューしてそれなりに長くやっているのでちょっとまとめた。
40年代中盤はMusicraft Recordsというレーベルに録音していた。このあたりが初録だろうか。ピアニストとしてビッグバンドに加入したのが始まりだ。この時期に旦那のすすめで整形したという話もある。
ジャズボーカルについての師匠は当時ビバップの楽団のリーダーでもあったビリーエクスタイン。何度も共演をしている。似てると言えば似てる。
その後、メジャーのコロンビアに移籍。それが50年代初頭だろう。初期マイルスと有名なレコーディングしていたのもこの頃。個人的にはこの時期が好きで、ジャズボーカルならではのエグいボーカルスタイルになってくる。Sarah Vaughan In Hi-Fiというアルバム名も味があって良い。
50年代半ばになぜか分からないがマーキュリーレコードに移籍する。たぶん我々が一番聴いているサラヴォーンはこの時期だろう。クリフォードブラウンとの共演もこの時期だ。
経緯は良く分からないがルーレットというアメリカオールディーズのレーベルにもこの時期に名盤を残している。
アレサフランクリンみたいなゴスペルルーツのR&Bの歌い方とはちょっと違う。これがジャズボーカルなのかもしれない。
そうこうしている間にヴィジュアルもパンチの効いた感じになってくる。性格はまあ自由な性格だったという。愛称はサッシー(生意気)だったという。強烈な歌唱力のわりには他の女性ボーカルに隠れがちなのは性格の問題か?
この頃に有名なラヴァーズコンチェルトのヒットがある。正直白人が売れ線でやりそうな曲を歌わせてもらったという感じ。
ところがこの後の70年代はレコード契約さえなかったいう。なぜだったのだろうか?不思議だ。調子が悪かったのだろうか?
ところでサラは元々ピアニストなのでピアノの弾き語りも得意とするところ。
80年代にレコード復帰。スマッシュヒットしたブラジルのミルトンナシメントとのコラボ。
またモダンジャズの世界にも戻って、これも80sにヒットした枯葉だ。
多分この後も体調が悪くなって音楽活動から退くのかな。正直よくわからない。そんで80s後半に亡くなる。私はやっぱり40s~50sが好きなので80sのブラジル音楽なんかはあんまり聴いていない。
ジャズボーカルというのはポップスのボーカルとどう違うかだけど、R&Bのようにギャーギャー騒がないでレガートに歌うこと。それとジャズならではのアドリブを入れること。そんな感じだろうか。
おしマイケル。