ブーガルーという音楽ジャンルを知っているか?
60年代中盤に盛り上がったブーガルーという音楽ジャンルを知っているだろうか。たぶんルーツミュージックが好きな人は聴いたことがあると思う。ジャズやR&Bやファンクにも影響を与えたとも言われている。
平たく言ってしまえばビートルズやストーンズのような60年代のロックとその当時のラテン音楽を融合して生まれた音楽ジャンルだ。もっと平たく言えばコンガやボンゴやティンバレスやギロといったラテンパーカッションが入った4ビート・8ビートの曲調だ。
ラテン音楽側がマーケットを広げるために60年代半ばに作った音楽で、基本的にブーガルーは英語で歌われるものが多い。ラテン音楽のスペイン語はなるべく封印して英語圏におもねる形でヒットを狙った。アメリカの有名なラテンレーベルのファニアは初期についてはブーガルーで稼いだと言われている。Joe Cubaは60年代初期のブーガルーの開祖だと言われている。
ノリもコード進行もほとんど同じという何とも大らかな時代。これらの音楽性はファンクやフュージョンに吸収されてしまって表立って現存しているミュージシャンはいないと思う。
ラテン音楽と欧米のポップスでは曲のアクセント(ノリ)が違う(詳しく書くと長くなるのでまたにする)。ラテン系の方は欧米ポップスのノリを理解しているが、逆に欧米の方はラテンのノリを理解している人は案外少ない。白人系(日本人含む)はラテンのノリは苦手のようで、ブーガルーはその辺りをターゲットとしたのだろう。
こういったラテンとロックの差異を埋めようとして作った音楽でけっこう成功したのがサンタナだと思う。ハードなブーガルーみたいなものだ。
これからブーガルーの時代が来る!とは絶対にならないと思う。でも意外な発見はあるような気がしないでもない。