スタジオで作られる音楽とそうじゃない音楽
YOUTUBEチャンネルで日本のミュージシャンが一発録音しているファーストテイクというやつを見た。私が想像していたのは例えばフランクシナトラのこんな感じのやつだ。全然違っていた。まあ私の頭がおかしいだけだろう。
ところで基本的にライブ以外で我々の聴く音楽はスタジオで作られるものだ。もちろんスタジオでライブみたいに音を録っているわけではない。パートを別々に録音して、どうすれば万人受けするかをあーでもないこーでもないとミキサー卓と向き合いながら、PCと向き合いながら作っている。見たことないけど。
何でそんなことをするのか?一言で言ってしまえばバンドの出音をそのまま録音するとショボいからということになる。もっと言うとバンドで演奏すること自体無理があるというもの。それをどうにかして厚みのある音に変えるか、いかにも生演奏しているような重厚な音にするかがポイントだ。
けっこう有名なのがPhil Spectorのプロデュースした60年代のガールズグループ。ワォーンという良い感じが出ている。ウォールオブサウンズと言われていて何をやっているのかよく分からんが何かしらのスタジオワークだろうと思う。ヒットするにはサウンド作りをしないといけないという風潮になったことだろう。
そんでロックだとボストンだろう。いかにもアメリカンハードロックバンドという体裁だが一人ですべてを録音している。当たり前だけど各パートを別に録音して最後にミックスしている。今ではみんなやっているけど多重録音で一番成功したバンド?ソロアーティスト?ではないかと思う。面白いのがライブをやるために仕方なく各パートを集めたということだ。
80年代にマドンナやマイケルジャクソンと肩を並べるくらいにブレークしたフィルコリンズ。元々ドラマーなので露骨にドラムの音を作りこんでいる。それから他アーティストもドラムの音を作るようになった。当時から個人的には違和感しかなかった。
歴史的に考えると50年代にレスポール氏がこういったスタジオワークを可能した。たぶんギター作りよりも多重録音やテープの編集のようなスタジオワークの方が評価が高いかもしれない。ギター以外にボーカルにもかなり音を加工していた。もの凄い速弾きしている嘘くさい映像だがどれくらい弾いているかは疑わしい。
ということで50年代の後半にもなると明らかに作ってるなという曲もたくさんある。ドリス・デイだが途中からボーカルがダブルトラッキングになっていて明らかに一人で歌うことなんてできない。
スタジオで作り過ぎるとライブで再現が大変ということもある。またはもうお手上げ。ライブなんてできませんということになる。それでもロックはライブツアーをしなければならない。例えばRushというカナダのバンドは3人でなんとかスタジオの音をライブでも再現しようと思ったらしい。こういったビデオを見ると大道芸みたいで楽しい。
話を戻すとアメリカだと1 Mic 1 Takeというチャンネルだそうだ。こっちの方がファーストテイクという名前よりかっこいい。
今どきのアコギはマーチンでもギブソンでもなくテイラーなのか。。。
それと大概の音楽は嘘っぱちだということだ。
おしマイケル。