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ギブソンは誰のために最初のエレキギターを作ったか?(Western swing)
エレキギターというのはギブソン社が1930年代なかばに作った。いまではフェンダーの方がまあまあ有名だけどフェンダーのソリッドギターはその10年後の40年代終わりだ。なのでギブソンの方がエレキギターとしては老舗だ。
ではなぜギブソン社はエレキを作ったのかだけど、ヒルビリー音楽(アパラチアン音楽とも言われる)のためだ。ではヒルビリー音楽とは何かということだ。テキサスとかオクラホマあたりの白人のダンス音楽らしい。よくわからない。この辺のアメリカはカウボーイとかクリントイーストウッドとかの世界だったのかもしれない。アメリカの西部劇のヤバい世界だろう。ムカつくとすぐライフルをぶっ放すみたいな。ホントによくわからない。
ヒルビリー音楽は白人の純粋な音楽かというとそうでもなくて、けっこう何でもありで、まずかなり黒人ブルースの影響がある。黒人のスイングジャズの影響もある。そういった黒人由来のヒルビリー音楽はウエスタンスイングと呼ばれた。その技術は高度だった。Spade Cooleyは本家スイングのベニーグッドマンより音楽誌投票でベストだとされていた時代もあった。
面白いのはウエスタンスイングの楽器の編成だ。フィドル(バイオリン)やマンドリン(小さいギターだけど高木ブーのウクレレではない)やバンジョー(ボディーが丸いやつ)やスチールギター、アコースティックギター、エレキギターというものだ。それとリズム隊ということになる。ジャズだとトランペットやサックスだけどウエスタンスイングではあるっちゃあるけどほぼほぼない。なぜ弦楽器にこだわったのかは謎だ。
さらになぜスチールギターやエレキギターを電気で増幅させたのかだ。やはり出音を大きくしたいということだろうけど、じゃあベースやピアノはどうするんだと、マンドリンとかバンジョーだって出音はそんなにおおきくないぞと。
ところでこのウエスタンスイングのエレキギターはチャーリークリスチャンやレスポール氏のスタイルそのものだったと言っても過言ではないが、実際には数年でみんな一緒に出てきてしまったのでよくわからない。ただエレキに関してはウエスタンスイングが半歩リードしていたように思う。
これはThe Light Crust Doughboysの曲だ。このバンドはドーナッツ工場の従業員で作られたというウエスタンスイング界の最重要バンドだ。ひょっとしたらギブソンのギター製作にコンタクトしたかもしれない。ギブソンはまさにヒルビリーだろう。
そんですぐにウエスタンスイングはなくなってしまった。なので今ではヒルビリー音楽とかウエスタンスイングという呼称はなくなってカントリー&ウエスタンとかブルーグラスとか言われている。そのギターテクニックはロックに比べるとかなり高い。面白いのが同時代の本家スイングジャズはいろいろな流れを取り入れてジャズという一大ムーヴメントを作る。マイルスやチックコリアやハービーハンコックがスクラップビルドする。それに比べてウエスタンスイング(ブルーグラス)は内向きで絶対ステージに黒人なんかは上げない。
ウエスタンスイングの次の世代が多分、有名なマールトラヴィスみたいな人になるんじゃなかろうか?
ヒルビリーはトランプの猛烈な支持者だったりする。発展しないアメリカの白人層というか。音楽にもあらわれているが時代の流れをあまり取り入れないというか。それはそれで音楽は素敵だなと思う。
長くなった。
おしマイケル。