日本vsコスタリカ戦レビュー
コスタリカ戦で気になったこと、①不可解な選手起用法、②三笘を有効に使えなかった理由、大きくこの2つに分けて自分なりの考えの記録。
①不可解な選手起用法
今w杯メンバーは、はっきりドイツ・スペイン戦や決勝トーナメントなど格上相手に使いたい選手とコスタリカ戦のように格下相手に使いたい選手に、ある程度役割を分けて考えて選考したと思ったんだが、森保は適材適所の選手起用が出来てない。
具体的には遠藤・柴崎、鎌田・南野の起用法。遠藤はドイツ戦を見ても分かるように守備の強度が高く、格上相手に守備で我慢する時間が多いような試合で必要不可欠な選手で、逆に柴崎は守備強度があまり高くないため格上相手では使いづらいが、親善試合カナダ戦で相馬のゴールをアシストしたシーンのように広い視野から精度の高いラストパスを出したりパスで相手を揺さぶれるため、コスタリカのように引いた相手に対して有効な選手。(もちろん、遠藤はコスタリカ戦でも使いたいレベルのスーパーな選手だが、w杯の過密日程の中で休ませるとしたらコスタリカ戦しかなかった。)
鎌田もキープ力があってカウンターの起点となれるため格上を相手する時に必要な選手で、逆に南野は狭い中でも僅かなスペースを見つけて決定的な仕事が出来るため点が欲しい試合や時間帯に有効な選手であるはず。
しかし、コスタリカ戦の柴崎の出場はなく、さらに明らかに低調だった鎌田を最後まで引っ張り続け南野の出場時間は短めだった。
コスタリカ戦で使わないのなら柴崎を呼んだ意味が分からないし、スペイン戦で使いたい鎌田と遠藤は疲弊してるし、これでスペイン戦で遠藤や鎌田をターンオーバーして柴崎や南野を使ってもマジで意味が分からないことになる。
その意味で森保は適材適所の選手起用が出来ておらず、ベスト16や8まで行くためのプランニングもしていないんだなと思ってしまった。
②三笘を有効に使えなかった理由
まず最初に言っておくと、三笘を先発で使わなかったことに不満はない。三笘が仕掛けられる状況が少なかった原因は出場時間が問題ではなく戦術の問題だったと考えているから。長くなるから詳しい言及は避けるけど、ドイツがコスタリカに勝つ計算をするならドイツvsスペインの結果にかかわらず、日本はコスタリカ戦で勝ち点1とることが何より重要だったし、勝ち点3とる価値はそれほど無いから後半に勝負かけるという意図は理解できる。
後半から入った三笘が1対1になれば対峙するコスタリカの右SBをチンチンに出来ていたため、三笘に良い状態で渡せばチャンスになると試合を見ていた人の多くが感じたと思う。でも実際そういうシーンは少なかった。その原因は後半から入った伊藤のポジショニングにあったと考える。
日本は後半途中から三笘をWB、伊藤を左CBにして3-4-3にシステム変更した。これはドイツ戦で逆転した時に用い日本の攻撃的なシステムと言える。実際ドイツ戦はこのシステム変更が功を奏して勝ったため「森保名采配」という声も多かったし自分もそう思ったが、このコスタリカ戦を見るとあの采配は偶然だったとしか思えない。
ドイツ戦は左センターバックに冨安が入っていて、冨安は最終ラインのビルドアップの時にはサイドに張らず少し内側にポジショニングするため、斜め前にいる三笘へのパスコースを作りやすい。
しかしコスタリカ戦の伊藤はビルドアップの時にサイドに張りすぎているため、三笘と完全に縦関係になってしまって三笘へのパスコースを作りづらいし、出せたとしても三笘が後ろ向きでボールを受けることになるため仕掛けられる状況にはなりにくい。よって、三笘に渡せばチャンスになると分かっていたのに、そういう配置になっておらず、三笘が仕掛けられる試行回数が少なくなってしまった。
冨安は所属クラブでも同じような戦術をやっているため自然に有効なポジショニングが出来ていただけで、あのポジショニングは森保の指示ではなかった。その証拠に伊藤のポジショニングを修正する指示は出していない。
さらに言えば、ドイツ戦も特に攻撃に関して言えば、冨安の個人戦術が高かったおかげでたまたま上手くいっただけで、森保が戦況・相手を見て論理的に明確な意図があって3-4-3にしたわけではない、ということが証明されてしまったと思う。
と、いうことでドイツ戦は運が良かっただけ。コスタリカ戦は森保の計画性のなさと修正力の無さが浮き彫りになったと思うから、スペイン戦で奇跡が起こったとしても森保はw杯終了後に即解任してくれ。
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