仲井戸CHABO麗市[THE Duet] 2005.07.05. ティアラこうとう
THE Duetも2回目である。「四季をテーマにやって欲しい」と前回のDuetで思ったが、その通り今回は夏をイメージしたものであった。
伝説のバンドであるFour Joe Half~はちみつぱいのメンバーであった駒沢裕城さんとのコラボ。ホームページのバイオを確認すると、物凄いキャリアをほこるミュージシャンである。まして彼が演奏するのがペダル・スティール・ギター。チャボのギターとの相性はバッチリであろう。
オープニングはチャボのみによる「幻想の旅人の唄」。夏を歌う、または歌いこまれた曲であるが、まさかこれを最初に持ってくるとは思わなかった。意外な始まりであった。
2曲目から駒沢さんが登場。ここから最後までは二人での演奏になる。
チャボと駒沢さんは今回10年ぶりの再会とのことだが、30年前の古井戸時代のセッションが初めての出会いのようだ。その時にレコーディングした曲「熊野神社を通って」も披露された。これは嬉しかった。
夏がテーマとはいえ選曲はバラエティにとんでいた。そして比較的明るめなナンバーが多かったように思う。これはペダル・スティール・ギターと合う楽曲を意識して選んだ結果なのだろう。その意味では、是非演って欲しかった「SUMMER SAMBA」が漏れたのは残念だった。
「夏の色調」も聴きたかった。これは前回演ったからということもあるだろうが、聴きたかった。そして「特別な夏」がポエトリー・リーディングで披露されたのも、僕的には残念である。ふたりの演奏と唄で聴きたかった。
とまぁ細かい希望や不満はあったのだが、通しては素敵なコンサートであった。
特に今回感じたのは「音楽を演る」ということの素晴らしさである。ライヴ中の二人、特にチャボは楽しそうであった。音楽を演るということが楽しくて仕方が無いという雰囲気が伝わってきて、羨ましかった。ギターがあれば、楽器があれば、すぐにでも心が通い合うのである。
それにしても、30年前にセッションした曲を演奏するということは、どんな感じなのだろうか? 二人しかわからない素敵な瞬間、想いなのだろうな。「熊野神社を通って」を演奏する二人を見て、こんなことを僕は思っていた。
中盤のポエトリー・リーディングでは、単行本「だんだんわかった」から”サマーホリデイ”が取り上げられた。これは好きな一篇なので感動した。そして駒沢さんの曲に詩を付けたという「うれしい予感」と「カモメ」の二篇…。
あぁ、音楽って、夏っていいんだなぁ…。
僕は夏が苦手なので、きっとチャボの描く夏に憧れているのだろう。そして、いつかその夏を大好きになりたいのかもしれない。<2005-07-06 記>