最後の授業
皆さん、こんにちは。
お元気でしょうか。僕はいつもと変わらず元気ですよ。
僕の元気が皆さんにとって元気かどうかは、個人の主観によるものなので、皆さんの元気の基準よりは下かもしれません。
今日は大学生活、ひいては学生時代、最後の授業が行われました。僕は大学4年生、かつ今年のドラフトで指名がかからなかったこともあり、4月からは民間企業に就職します。木を板にして、それを販売する仕事です。最近では木以外も板にするそうです。木以外を板にして、それにシールを貼って木の板に見せることもするそうです。だから板の会社ですね。板会社です。会社の人にはたくさん板を売ってほしいといわれました。特に何も知らない僕が約2か月後には木の板を売ることになるなんて、今も想像できません。
四谷学院の広告で、「なぜ私が○○大学に?」という、謳い文句を見ますが、僕ならば「なぜ僕が板を売る会社に?」です。
会社についてはこれくらいにして、とにかく今日は学生として最後の授業を受ける日でした。とはいっても、4年生のこの時期はほとんど単位を取り切ってしまい、唯一、単位を取得する必要があるゼミも、卒論を出したので特にやることがありません。そのため、僕のゼミでは生徒が自由に発表するという何とも楽しいことを、後期の授業では行ってきました。僕は出席番号が早いので、すでに発表を終えていて、今日は最後の一人の発表でした。最後の一人は「いろいろ話します」と書かれたパワーポイントのタイトルスライドを見せた後、いろいろ話を始めました。アルバイトの話や旅行、趣味の話など、いろいろなことを話していました。聞いていて楽しくてよかったです。大学には友達が全くいないので、本当い大学生って楽しいのかと思っていましたが、ほかの人の学生生活を聞くと、やっぱり大学生は楽しそうだなと思いました。一人の発表で、100分の授業が埋まるはずもないので、後半はだらだらと教授の先生が話をしてくれました。その中で、教授は生徒一人一人に言葉をくれました。
僕がもらった言葉は「大器」でした。「未完の大器」などに使われる大器です。教授は「あなたは将来何か大きなことをなす人になるんじゃないかと思っています。」と僕に言ってくれました。正直、ほかのどの人の言葉よりも「大器」という言葉はかっこよかったので、とてもうれしい気持ちになりました。僕はどんな大器になるんだろうかとぼんやり考えていました。お笑いを見るのが好きなので、ダウンタウンみたいになるかもなぁと思いながら聞いていたので、あとの話はあまり覚えていませんが、「ポルシェ911を買ってください」と先生が言っていたことは覚えています。僕はあまり車に興味がないので、フーンと思いながら、その車を調べてみると、「1400万円~」と書いてあり驚きました。そんな値段は、うちで暮らしている同級生から譲ってもらった黒い犬の700匹分に相当します。命は値段に変えられないとは言いますが、「700の命をポルシェ911は本当に背負えるのかね」と思いました。
授業が終わり、みんなは散り散りに帰っていきました。なんだかさみしかったので唯一しゃべることができる人に、「最後だしご飯でも行かない?」といいました。「いいよ。」といわれたので行くことにしました。そう思っていた人は多かったらしく、結局、6人でご飯に行くことにしました。学校の近くには長居できる場所が少なく、まあまあ歩いて鳥貴族に行きました。僕は車なのでジンジャエールを注文しました。みんななんとなく寂しかったので、ご飯に行くことにしましたが、特段仲がいいという訳ではないので、あまり盛り上がりませんでした。
僕が誘った手前、何とか盛り上げようとこの前観たスパイダーマンの映画がとてもよくて、泣いてしまったという話をしました。両端のおじさんも泣いていたと話したら、「はい、それは盛ったわ。」といわれました。確かに盛っていたけど、なんだかムカついたので盛ってないと嘘をつきました。
なんだか寂しいという理由で何となく集まった6人はたいして盛り上がることもなく、蔓延防止条例によって閉店時間となった21時頃まで、誰も帰ることなく座っていました。そんなに楽しくはないけれど、これで帰ったら、なんかいやだな、これで学生生活が終わるのは嫌だな、という気持ちが6人の中にはあったのでしょうか。普通に鳥貴族がおいしかったので、ずっといたのかもしれません。結構食べたので一人2800円でした。僕は3000円払ったけれど、お釣りが帰ってこなくて、おかしいと思ったけれど、200円くらいまあいいかと思いました。
僕は車だったので、駅でみんなと別れました。「じゃあ、また卒業式で。」と言い合ったけれど、なんだか集まることはもうない気がしました。車へ向かう途中、今のメンバーで集まることはもうないなと分かって、すごくむなしい気持ちになりました。これがエモいってことかなと思ったけれど、違うだろと一瞬で自分にツッコみました。その時、なぜか、夏休みのお昼頃とかに、アニメ・メジャーの再放送がよくやっていたことを鮮明に思い出したけれど、それはなんでなのかマジでわからん。
車では、宇多田ヒカルの新しいアルバムを聴いて帰りました。毎回、とても素晴らしいので、そろそろ素晴らしくないのではないかと思ったけど、とても素晴らしくて、また今回も素晴らしいんかーいと思いました。そのあとは、自分で勝手に大喜利のテーマを決めて、大喜利をしました。テーマは「こんな陸上部員は退部だ。どんな陸上部員?」でした。「ピストルの音が怖いので、大きい声を出してかき消そうとしている」と「めちゃくちゃ足が速いけど、フライングしかしないので、よーいドンのよーいでスタートしてしまい、ドンですでにゴールしている」がお気に入りの回答になりました。
飲食の中では、今日の会は全く上位の楽しさに食い込まなかったけれど、なんだか一生忘れない気がします。6人全員がそんな風に思っていたら、いいなと思いました。