【MBTI】ISFPとINFP 違い・比較・見分け方
今回はISFPとINFPの見分け方について。筆者はFi(内向的感情)がマイナスなこともあり、自信の程は(ないです)
心理機能比較
心理機能で比較した場合、ISFPとINFPは思ったより違いが見えない。主機能Fiと劣勢機能Teが同じで、補助機能・代替機能もSN軸と内外を入れ替えたものであるため、ぱっと見近い印象を受けるからだ。
ISFP(Fi-Se-Ni-Te)
一行構文で表すと以下の通り。
FiをSeで表現というのがポイントか。FiもSeも生まれ持って使える機能なので、どちらかという早熟型になるかもしれない。また主機能Fiがセルフケアに関わる機能であり、補助機能Seが有用なため、代替機能以降は無理に開発せず、健全性を保っている人の方が多いかもしれない。
INFP(Fi-Ne-Si-Te)
一行構文で表すと以下の通り。
こちらは補助機能がNeとそのままでは実用的ではない機能なので、ISFPに比べると多少晩成寄りになる。また代替機能以降も開発していく必要があるためか健全性を損なう人もいるようだ。特に現実社会ではSiを用いてペルソナをかぶってやり過ごしている人が多い印象がある。
ポイントは世界観
ISFPとINFPを見分ける上での最大のポイントは「世界観」だ。ISFPはコンパクトで、INFPは内面性が深い。このことは両者の自分らしさ、コミュニケーション、社会適応のスタンスなどにも広くかかわってくる。
ISFPはコンパクト
ISFPの世界観はコンパクトでこじんまりとしている。これは主機能Fi+補助機能Seの合わせ技で、自分の生活空間は好きなこと、心地よいもの、大事な人で占められているためだ。
反面、自分の生活空間から離れているもの、嫌いなこと、不快なもの、その他大勢の人は無関心で、認識自体しないことも多い。あのENTJとすべて真逆の性格と考えるとわかりやすいかもしれない。
INFPは深い内面性
INFPの世界観は対照的に広く、特に深い内面性を持っている。これは主機能Fi+補助機能Neによるもので、INFPは自身の生活空間にないものにも一定の興味と理解を示すことがある。
嫌いなもの、不快なものは遠ざけたいのはISFPと同じだが、Neによって視野が広くなるため、一定意識せざるを得ないところがある。これはINFPの持つ深い共感力に寄与する一方で「生きづらさ」に広がっている節がある。
「自分らしさ」の対象
自分らしい「暮らし方」を求めるISFP
ISFPの「自分らしさ」は衣食住といった暮らしの面に現れる。たとえばファッションや料理、インテリアといったものに対するこだわりや関心が高い。部屋はSeユーザーらしくこまめに清掃し、不要な物も片づけるため、さ綺麗にしている傾向がある。
一方で思想面はINFPほどはっきりしたものはないようで、ノンポリに近い。自身がポリシーを持たず、他人にも求めずまた押し付けない。ISFPの関心事はあくまでも自身の生活空間や、自身の身近な人間関係が優先される。
自分らしい「生き方」を求めるINFP
INFPの「自分らしさ」は生き方に現れる。自身の理想とする思想・信条を追求できる生き方を求めようとする。自身がポリシーを持つタイプなので、他人においても何らかのポリシーを持つ人に興味を持ち、惹かれる傾向がある。それでいて他人のポリシーも尊重できる性格をしている。
一方で衣食住はISFP程のこだわりはないかもしれない。特に部屋に関しては好奇心旺盛なNeユーザーらしく汚くなりやすい傾向にあるようだ。
自己表現の方法
五感表現が得意なISFP
ISFPは五感表現を得意としている。主機能Fiの価値観を補助機能Seで表現するという形で、典型的にはファッション・デザイン・イラストなどだろうか。こういった視覚表現をISFPは得意とする。
他にも、スポーツ・音楽・ダンスといった視覚・聴覚・体感覚を使うもの、料理のように動作・味覚・視覚を伴うものなどもISFPは適性を示しやすい。
補助機能Seはかなり有用で、自己表現のみならず働く上でも適性も高い。上記のクリエイティブ系職種の他には、接客業・医療系専門職など対人要素を伴う技能職と相性がいい。アルバイトも業種を選ばない。
心情表現が得意なINFP
INFPは心情表現を得意としている。主機能Siの価値観を補助機能Neで表現するという形で、想いを言葉にしたり、文章にしたためたりというということが得意なようだ。
文章表現は他のIN型も得意とするが、INFJ・INTJ・INTPが評論チックな文章になるのに対して、INFPは随筆(エッセイ)・詩(ポエム)を得意としているようで、このタイプのユニークスキルといえる。
外向型のENFPは心情表現をその場の会話で用いたり、交友関係を築いたりと「広さ」を発揮するタイプに対して、INFPは内心で反芻してから相手に伝えたり、文章に想いを乗せたりと「深さ」を発揮するタイプといえる。
コミュニケーション方法
ISFPやINFPはともにマイペース型で、リーダーシップはなく、フォロワーとしてもそこそこである。ISFPは動作・非言語領域に強く、INFPは抽象・言語領域に強い。
動作を用いて伝えるISFP
ISFPは他のSP型らしく、非言語コミュニケーション能力に優れている。目線の移動、ジェスチャー、会話の間といった「間合い」を読むため、場の空気を読む能力に優れている。そして前述の通りISFPはスポーツや技能職適性が高めなので、フォロワーとしては有能だ。
一方で言語コミュニケーションは割と不得手であり、言葉の解像度が低かったり、こちらの伝えた言葉の意図がすんなり通じないことが多い。
たとえば二者択一(「はい」か「いいえ」)で質問した場合に、あさっての答えが返ってきたり、質問に質問で帰ってきたりという感じである。仕事の場合、メール・チャットツールでのやり取りはすんなりいかないことが多い。
これは補助機能Ni+劣勢機能Teという、言語機能に関係する心理機能が後ろ2つに並んでいて、ISFPに関しては補助機能Seが有能なためあまり発達しないことが多いためと思われる。
言語を用いて伝えるINFP
INFPは他のN型と同じように言語コミュニケーション能力は比較的高めで、IN型らしく文章・書き言葉に対する適性が高い。INFPは一見ファンシーでポエミーな雰囲気があるが、印象とは裏腹にINFJ目線で見ると言葉の意図は通じやすい。
これはおそらく補助機能Ne+代替機能Siによるもので、今現在という時間軸や、自分を中心とした生活空間の外にある世界にも興味を持ち、一方で常識や世間のルールといった現実的目線も持ち合わせるため、抽象的思考を行うながらも想像と現実バランスが取れているためと思われる。
たとえば中世ファンタジー小説を書く場合、騎士物語なら荘園制について調べたり、商人ならギルド制について調べた上でそれを反映させて書く、みたいな感じだ。
一方で動作性や非言語コミュニケーションはISFPほど高くない。飲食店のアルバイトや親戚の集まりではあまりきびきび仕事をしている印象がなく、INFPはじっとしているイメージだ。
他者への感情移入
ISFPはあっさり
ISFPは割とあっさりしている。主機能Fiで共感力はあるのだが、代替機能Ni、劣勢機能Teがあまり伸びないと、一般常識、世の中の仕組み、他人の立場といったものに理解が及ばず、ともすれば興味もないため、表面的にはともかく、内面的・本質的にはあまり寄り添えないことが多い。
ISFPはそれなりに共感力や協調性があるが、究極的には「人は人、自分は自分」というタイプで、SP型特有の個人主義はISFPにも当てはまる。
INFPはどっぷり
この点INFPはどっぷりつかってしまう。主機能Fiに加え、補助機能Neによる想像力があり、旺盛な好奇心からそれなりに世の中に対するアンテナを張っているため、それらを補完して他人の立場、取り巻く環境を理解しようとするため、内面的・本質的に感情移入しやすい。
一方で共感力が強すぎて、他人の苦痛・負の感情に引っ張られやすい面もあり、他人との距離感が近すぎて傷ついてしまう、あるいは寄り添い過ぎて不健全化してしまいやすい面はあるかもしれない。
環境適応力
環境適応力とそのスタンスについては両者で差がある。ISFPは素で対応するが、INFPは擬態して対応しようとする。この辺はISFJとINFJにも通じるものがある。
この記事中段の「INFPの劣勢機能Te」も参照にしてほしい。
ISFPは素で順応する
ISFPは環境に対して素で対応する。主機能Fiの屈託のなさは愛嬌があり、補助機能Seで即興性・即応性に優れるため、環境における順応性が高い。
アルバイトや技能職であれば素で対応をしやすい。世の中の仕事は企画・管理をする側よりも、技能職や現業職として実働を担うものの方が圧倒的に多いので、Te劣勢が気になる場面はあまりない。
なおISFPのTe劣勢が気になる場合は、本人が困るというよりは、ISFPと接する他者が意思疎通ができずに振り回されるという方が多い。SP型の劣勢機能は自分自身は不自由感を感じにくいために「自分が困る」というよりも「他人が困る」というパターンになりやすく、ISFPもその例になる。
同じ場所にとどまるISFP
ISFPは同じ場所にとどまりやすい。主機能Fiによるセルフケアは得意なことに加えて、補助機能Seから順応性が高く困り感が少ないからだ。反面困り感が少ないので代替機能Ni、劣勢機能Teがあまり発達せず、外界へ興味を持ちにくいため、組織集団にそれなりに長く留まりやすい。
たとえばブラック企業に入ってしまった場合のアプローチは、ISFPは持ち前の要領の良さで乗り切るが、外界の世界に疎いので転職活動は腰が重くなりやすく、問題を先送りしたまま惰性で続けやすい。あるいは逆に後先考えず衝動的に辞めてしまうこともある。
ISFPの心理機能をいたずらに発達させずセルフケアを優先する特性は、順応性の高さと世界観の狭さに関わっていて、それが生きやすさにも生きづらさにもなっているという感じだ。
INFPはペルソナを被る
INFPは環境に対してペルソナを被ることが多い。具体的には主機能Fiの「お気持ち」や、補助機能Neの妄想力はあまり役に立たないので、代替機能Siを発達させて常識的な振る舞いを装ってやり過ごすのである。INFJがTiやSeを発達させて男性社会にムリヤリ適応するのに似たムーブになる。
そのためINFPは表面的にはISFJあたりとよく似ていて、見分けがつかないことも多い。これはそのうち書いてみたいと思う。注意深く見ると少し抜けていてポンコツっぽい方がINFPで、そうでない方ががISFJという感じになる。
当然ペルソナは「素」ではなく擬態であるため、INFPはそれなりに消耗する。仕事が上がったその夜、あるいは土日はベッドに突っ伏したまま動けなくなるINFPもいるかもしれない。
環境を変えるINFP
INFPは環境に対する順応性がそれほど高くなく、一方で補助機能Neを持つことで外の世界に対して一定の関心がある。そのため組織集団の環境が自分に合わないと転職などによって環境を変えよう試みることがある。
INFPは行き詰ると、自身が身を置く環境の外側に「未来」や「可能性」を見出そうする。特にブラック企業などの抑圧的環境に遭遇すると、「ここは自分が要るべき場所じゃない」という心の声に逆らえなくなってしまう。
これは主機能Fiで自身を守った形で、ISFPと違って問題の先送りもクリアしているが、反面逃げ癖が付いてしまう。これをやりすぎるとジョブホッパーや就職恐怖症になってしまうため、やはり生きやすさと生きづらさが二律背反となっている。
まとめ
今回はISFPとINFPの違いについて述べてみた。主機能Fi、劣勢機能Te、補助・代替機能がSNとあまり違いが無いように思えるが、環境におけるムーブメントが違うため、そこに着目をすると違いが見えてくる。これはISTPとINFP、ESTJとENTJ、ESFJとENFJなどにも言えるかもしれない。