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【新卒就職①】新卒就職を失敗したらどうなるのか?【無い内定】

新卒就職を失敗したら人生終了‥‥そんな風に考えていた時期が俺にもありました。


1.新卒就職を失敗したらどうなるのか?

 12月に入ってビルのイルミネーションが灯ってくるとにわかに新卒就職活動に活気づいてくる。リクルートスーツに身を包んだフレッシュな大学生が説明会や面接試験を受けに企業訪問がなされている時期だがこの時期見かける大学生には実は2種類の人間がいる。それは‥‥‥




─────大学三年生と、大学四年生である。

①希望にあふれた大学三年生

 大学三年生の足取りは軽い。これから就職活動を迎えるため、可能性がまだ残っているからである。

まだ誰にでも大手企業や公務員、間接部門の門戸は開かれている。希望に胸を膨らませ、説明会への参加、SPIの勉強、面接対策など各々が行きたい業界・企業に向けて準備を進めている期間と言えるだろう。

②絶望に打ちひしがれる大学四年生

 一方でこの時期にスーツを着ている大学四年生は悲壮感が漂っていることに違いない。卒業まで残り3か月しかない中で、大手企業や公務員は今年度の採用活動を終了しているため、受験できる企業が無いのである。可能性を失ったまま季節だけが過ぎていく。これは焦る!

そして辛いのは「入りたい!」と思う会社がもうほとんどないことだ。この時期に新卒就職サイトに残っている企業はキツイ業界の営業職か、店舗運営職、現業職、SES(客先常駐型システム開発)、零細企業といったところだろう。正直どれもキツイ。

何がキツイって、キツイことが分かり切っていてそれしか選択肢がないことである。今日もサイトを見ていつもの顔ぶれに絶望し、何もできないまま一日が終わる。けれども一日、また一日と時間は経過して、大学生でいられる期間はどんどん残り少なくなっていく。

周りの友人はとうの昔に大手企業や公務員の内定をもらい、卒業旅行やアクティビティに謳歌している(卒論に苦しんでいる人もいるが笑)。就職活動を続けている自分を周りは応援してくれるが、腫物を触るような扱いが逆に傷付く。




───なんで、どうして。どうして俺だけが、私だけが。

置いて行かないでくれ! オレも一緒に連れて行ってくれ!

今まで一緒だったじゃない。どうして私はそっちに行けないの?

いいな、みんないいな。それに比べてオレはみじめで、私は何ひとつ取り柄が無くて。どうして、どうしてこんなことに‥‥‥。

ずるいよ。どうしてオレだけ認められない? 私の方が可愛いのにどうしてあの子が大手企業に! オレは存在価値がないのか? 私はいてはいけない子なの? どうして、どうして、どうして‥‥‥?





これの辛さ、惨めさは味わった人間にしかわかるまい。


2.新卒失敗したら人生終了!?

 リアルでもネットでも新卒就職を失敗したら人生が終了するという意見は散見する。確かに大手企業や公務員といったキラキラした企業に入れる可能性はかなり低くなってしまうし、間接部門を志望する人(特に男性)もそのハードルは上がるだろう。残念ながらそれは事実だ。

しかし、君の人生が新卒就職を失敗しようがしまうが、君の人生は無情にもこれからしばらく続いていく。平均年齢に直せば残り60年は続くだろう。それまでの間、君は何らかの方法でお金を得て生活を続け、食べていかなければならない。人生とは無慈悲で残酷なものなのだ。

新卒就職で勝った人も負けた人も、それは平等だ。平均残り60年の人生は平等に続いていくだろう。中にはこれよりも長い人がいるかもしれないし、短い人もいるかもしれないが、新卒就職の結果は本来あるべきその人の寿命には関係ない。

もっとも終わらせることもできる。自身の人生を儚んで、そう考えてしまう人も中にはいるかもしれないし、そう考えるのも無理はないかもしれない。

だが安心してほしい。それには及ばない。かつて新卒就職で敗れた人も、晴れて無職になった人も、なんやかんやで生きている。生きてしまう。人間はそう簡単には死ねないのだ。死なない以上は生きなければならない。


3.終了しない人生をどう生きるか。

 少々意地悪く引っ張ってしまいましたがここで結論を。新卒就職は失敗しても別に人生は終了しない。まして死になどしません。

何故そう断言できるかというと、筆者が現に生きているからです。

筆者の経歴はかなりメタメタで、初年度の新卒就職は全滅、親に大金払ってもらって就職留年した年は内定取り消しで実質全滅、仕方ないので卒業して公務員試験受けるも面接試験で全滅、その翌年再チャレンジするも全滅、その翌々年国家公務員試験で最終合格果たすも官庁訪問で無い内定で全滅、ついでに国税専門官も無い内定で全滅、公務員諦めて簿記二級とFP二級で経理の仕事探すも全滅、という感じで推移していました。

オマエの20代全滅しかしてねーじゃん!!という感じですが、まさにその通り。世の中が、世界が、地球が、この世のあらゆるすべてが私を拒絶する。お前のすべてを否定してやると言わんばかりの20代でした。ありふれた表現になりますが、生き地獄というものです。

しかしそれでも問題なく生きています。ちゃんと正社員になれて、アリエクで無駄遣いしたり、FXで小遣い稼ぎに興じたり、トンカツをいつでも食えるくらいにはなっています。まあこの暮らしが明日と続く保証はないし、実際性懲りもなくまた転職活動しようとしてるんですが‥‥笑

だから新卒失敗した程度で死ぬ必要なんてどこにもないんですよ。ましてや人生終わったりなんてしません。拒絶されようが否定されようが生きていれば勝ちなのです。

自分が今のこの世界において異端である事はとっくにわかっています。しかし私のような者が生き残れば、それは世界が私を認めたということ。

今日も世界は私のことを認めています。今のところはね。


4.残り3か月でできること

 さて残り3か月の学生生活ですが、できることはまだあります。ここでは残り3か月でできることをざっと書いてみました。もう少しだけ戦えそうならまずはこれを検討してください。既卒になるにはまだ早い。

コレ、筆者が諦めてしまったことなのでやればよかったなーとちょっと後悔している部分もあります。やっぱり大学生って卒業を迎える最後の一日まで特権身分なのですよ。

①就職課に相談

 まずやって欲しいのは大学の就職課に現状を相談することです。大学の就職課はとりあえず新卒学生の味方です。

何故かというとそれが彼らの仕事だからです。在校生の内定率を可能な限り上げる。および卒業生の進路を調査する。これが大学の就職課の仕事のひとつです。彼らは企業の人事部、人材業界のエージェントからの転職者が多くつまりはプロです。そのプロが新卒学生を毎年学生を見守っています。

まだ社会に出てすらもいないぴよぴよの新卒が、世間の冷たさを存分に味わってきた大人に敵うわけがありません。だから行き詰ったら一番身近な大人である就職課をまず頼ってください。そして就職課に頼ることができるのはあなたが学費を払い、大学生でいられる時だけです。

面接に受からないこと。受けたい企業がもうないこと。どうすればいいのかもうわからないこと。卒業まで間もないこと。それを打ち明けるだけでも構いません。大学就職課はあなたが学生である限り味方です。

②大学の求人票を確認

 それから確認してほしいのは大学の求人票です。求人票は大学の求人課で受け付けているもので、アルバイトもありますが正社員募集もあります。

なぜ求人票をチェックするかというと、穴場なんですコレ。ほとんどの学生はナメていて、チェックすらしていないと思います。

企業が求人を出す場合、採用広告を就職サイトに出さなければなりません。新卒向けの就職サイトに掲載しようとすると毎月大金がかかるのです。中小企業だととても払えません。

一方で都道府県労働局(ハローワーク)は掲載料はタダなのですが、タダゆえにいつまでも求人を出し続けることができ、一方で誰でも応募できるため、ぶっちゃけ質があまりよくありません。需要と供給の法則にしたがって掲載企業もあまりいいものがなく、カラ求人もあるため職業紹介機能は微妙です。

実態としては雇用保険(失業保険)の受給手続きや、職業訓練の受講でお世話になる方がメインだったりします。

ここで大学の求人票はちょうどニッチなんです。掲載料は就職サイト程高くないし、ハロワ程誰でもウェルカムでもない。新卒採用を行う程の体力や組織体制が整っていない企業でも「大卒」が取れる。採用企業にとって大学の求人票はそういったメリットがあります。

そういう案件を、世の中右も左もわからないぴよぴよの新卒の多くは気に留めず、むしろナメている。これをスルーするのはとてももったいないと思います。

あと当然ながら、大学の求人票は随時更新されています。有料ゆえに募集定員が決まる、掲載期限が過ぎると取り下げられるので、カラ求人の心配が少ないです。ここもハロワよりも優れているところですね。

③20代向け転職エージェントに相談

 それからやって欲しいのは、20代向け転職エージェントへの登録です。名前は伏せますが、某返信メールっぽい名前のところとか、某働く系の名前のとことかですね。

20代という若さの持つ付加価値は、あなたが想像しているよりも高いです。その輝きと可能性に比べれば、30代の実務経験やら国家資格やらの付加価値は微々たるものでしょう。

この20代向け転職エージェントに求人を出す企業は、とりあえず若い人が欲しいのです。30代の経験者よりも20代の未経験者を求めます。だから未経験であろうが無い内定であろうが、あなたは20代である限り歓迎されます。

相手に申し訳なさを感じたり、自身が無い内定であることを恥じたり、劣等感や罪悪感、傷心を感じて後ろめたさや遠慮を感じてしまう人がいるかもしれませんが、あなたがエージェントを気遣う必要は一切ありません。

なぜかというと「エージェント」と呼ばれる人たちは、要は「営業職」だからなのです。エージェントサービスは成功報酬制で、求人企業があなたを企業に入社させた際に成約となり、提示年収のパーセントをフィーとしてエージェント企業に支払う方式となっています。

エージェント(営業職)は、あなたを入社させて成約するとそれが売上実績となり、そのノルマを追っている人達です。だから内定が欲しいあなたと、入社して欲しいエージェントは「あなたが入社する」という目的が一致する限りは味方です。

善意や優しさに基づいての関係ではなく、自分が得をしたくて寄ってくる人たちであり、利害関係に基づいての協力関係なので、遠慮することなく気兼ねなく使い倒してよいのです。


まとめ

 今回は新卒就職についての記事を書いてみました。この時期の4年生はかなりつらいと思います。自身もかつてそれを2回味わったので、そのときの辛さ、惨めさと言ったらナイですね。

ただし、無い内定=ダメな人 では決してありません。内定がない人の中には、たまたま人事の見る目が無かっただけの人や、そもそも就職活動をやってなかった人もいるわけで、そんなもので人の優劣など決められるわけなどがないのです。

そもそも新卒就職しなかったことでこれだけ可能性が閉ざされ、後ろ指を指され、生きづらくなる世の中の方がおかしい。「私は間違っているが世間はもっと間違っている」というあなたの感覚はきっと正しいものだ。

だからこそ、困った時こそ大人を頼ってください。就職課にしろ、就職エージェントにしろ、優しさではなく仕事としてやっているので、あなたのことを見放すことはしません。あなたをサポートすることで彼らの金と実績になるからです。

あくまで利害関係に基づいてのサービスなので、あなたは劣等感や罪悪感をといった負い目を覚える必要はなく、遠慮なく利用して構いません。そしてあなたが入社すれば彼らもをするのだから、そこは目的や利害関係が一致するわけで、こちらも堂々と利用すればいいのです。

そんなわけで残り3か月、もう少しだけ頑張ってみませんか。望みを捨てて諦めるにはまだ早いかもしれませんよ。

■続き記事


リンク

何かの縁でこの記事にたどり着いた就職活動中の方へ。このnoteではたまに転職活動についての記事を書いています。また副産物としてMBTIの考察をやっています。よろしければご参考まで。


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