【MBTI】16タイプそれぞれのチームワーク適性
16タイプのチームワーク適性(協調性)についての考察記事です。長いので(約9500字)気になるタイプの部分だけ読むという使い方がオススメ。
一応の尺度
今回はシンプルにアルファベットによる判定を行った。
E(外向)>I(内向)
チームワーク適性は基本E型(外向型)の方が優れている。これは特に異論がないだろう。声のデカさ、レスポンスの速さ、関係を構築できる人数のキャパシティ、自己肯定感(自己評価)、いずれも規模の優位性が高い。
I型(内向型)の場合は、この点少数精鋭的になる。難しい問題に対応したり、繊細な心遣いを発揮したりというような、精密性を求められるチームワークに向いている。たとえばINFJの場合、大人数のコミュニケーションは向いていないが、1on1に持ち込めるとかなり強くなる。
S(感覚)>N(直観)
この尺度は判断が難しい。他者理解、組織構造の把握、大局観といった部分では確かにN型に分があるが、いかんせん少数派すぎる。N型8タイプ集めても全体の30%にも満たない。
残りの70%強はS型であり、やはり数の多さは正義だ。またスポーツ性・実務性に優れるため社会適応力が高いのもS型である。場の空気という非言語コミュニケーション、アドリブという即興性も絡むので、普通に考えてチームワークが得意なのはS型になるだろう。
F(感情)>T(思考)
これもイメージになるのだが、F型の方が協調性には寄与するだろう。Feユーザーなら集団意識に根差した社交性や利他性によって、Fiなら良心の発露による真心や愛嬌ににって、チームワークを成すだろう。
T型の場合はもう少しクールかつドライになる。Teユーザーなら合理主義に基づいて利害関係を気付くが、情には引っ張られない。Tiユーザーの場合はかなり個人主義的で一匹狼的特徴が強くなる。
J(判断)>P(知覚)
チームワークで大きく影響するのがJ型とP型の別だ。J型は予定・計画を好み、それ故組織やルールに縛られる。P型は探索・即興を好み、それゆえ束縛を嫌い自由を求める。このスタンスの差から、J型は協調性が高く、P型は低い。
もう少し詳しく説明すると、J型(判断型)は、主機能or補助機能に判断機能(Te・Fe)が来るタイプで、初めて外界を接する心理機能がTorFであるため、社会を通して認知をするタイプとなる。
一方のP型(知覚型)は、主機能or補助機能に知覚機能(Se・Ne)が来るタイプで、初めて外界に接する心理機能がSorNであるため、知覚からダイレクトに認知をするタイプということになる。
点数評価
今回は簡単で、E>I S>N F>T J>P の順となる。点数が高いと集団主義、低いと個人主義の色が強くなる。
したがって、このスケールではESFJがもっとも集団主義的なタイプで、INTPがもっとも個人主義的なタイプということになった。
4点:集団主義なタイプ
ESFJ(Fe-Si-Ne-Ti)
チームワーク性についてはESFJがトップだろう。協調性、社交性、巻き込み力いずれも申し分なく、その政治力と派閥形成力は非常に強い。少々うるさ型だが面倒見はよく、自らが前面に立ってチームをまとめ上げるだろう。
ESFJはFe主機能という印象からディフェンス・サポート向きと思われるが、明確に内と外、友と敵を分け、攻性防壁を展開して味方や友人をを守るタイプである。ISFJにはない「強さ」があるので営業などのオフェンス系のポジションや部署も行ける。その場合は「自分を売る」「人で買ってもらう」「信頼を築く」といった昔ながらの営業スタイルになるだろう。
ESFJで注意なのは同調圧力が強い点だ。無意識のうちに集団の総意=自身の善悪とするところがあるため、場の空気を読まない人、同調しない人に対しては排他性が強い一面がある。もっともその排他性がESFJの政治力や派閥形成力に寄与しているともいえ、「友と敵を区別」することが内輪の結束力を高めている。
3点:やや集団主義なタイプ
ISFJ(Si-Fe-Ti-Ne)
内向型のタイプで一番チームワークが高いタイプはISFJだ。ISFJはフォロワーやサポートを得意とする。自ら引っ張っていく強さがないものの、役割分担や棲み分けがなされているため、ESFJ、ESTJ、ESFPといった主張の強いタイプと競合しないのはメリットといえる。
きめ細かい配慮や気遣い、面倒見の良さ、貢献意識を持ち、他者に対して積極的に攻撃することもほぼないため、チームワークの和を乱すことは少ない。ステレオタイプの日本人の美徳、あるいは女性なら大和撫子・良妻賢母で地を往くタイプであるため組織集団からも歓迎されやすい。
ただしISFJ自身はリーダーシップを発揮しづらい面があり、もっぱらフォロワーに回りやすい。またISFJ本人は嫌われる要素をあまり持っていないが、主体性・自律性に欠けるため、嫉妬や恋愛のもつれなどのトラブルに巻き込まれる面はある。もっともこうなるとチーム自体が荒れているため、ISFJ個人の責任範囲を超える問題になる。
ENFJ(Fe-Ni-Se-Ti)
ENFJもチームワークを得意とするが、最適型のESFJに比べると一枚落ちると思われる。理由としてはNF型特有の垣根のなさで、来るものを拒めないためアンチの対応が下手で、どうしてもチームとしてのまとまりがなくなってしまうためである。
チームの一体感を高めるためには、派閥を形成することが求められる。そのためにはグループに入れたくない人を水際で阻止(排除)する、結束を高めるために共通の敵を作るといった排他的思想がどうしても必要になるのだが、ENFJはこの点を苦手としてしまう。
ENFJの場合、小さいグループの旗揚げは得意なので、自身の思想に共鳴した小集団のリーダーの方が向いているかもしれない。組織集団が大きくなってくると、その思想性が末端構成員まで行き渡らず内部分裂や空中分解をしてしまい、結局解散してまたは小集団からやり直しになってしまう。大らかすぎてもダメなのだ。
ESTJ(Te-Si-Ne-Fi)
ESTJはチームワークを得意とするが、ESFJとはまた違っていて、協調性や場の空気というよりは規則・権力による統率、あるいは合法的支配といった感じになる。タテ社会然とした雰囲気が前面に出るため、軍隊・警察・営業職っぽい感じになる。学生時代の体育会系もノリはやはり同じである。
ESFJよりも硬質だが、同調圧力ではなく規律で動くために良くも悪くも実直で、判断基準が直線的で読みやすい。規律を守るか、責務を果たすかという点がキーポイントになるため、ESTJ個人としての好悪はあまり反映されないからだ。
ただしTe主機能だけあって圧の強さはあり、怒るとやっぱりおっかなく劣勢機能Fiの雷が飛んでくるため、血圧高めでパワハラ気味なところはある。その一方で規律や責務を果たしていれば、失敗しても温情はあるのと、誰よりもESTJ自身がそれを果たそうとするので、硬骨漢でありながら一定人望はあるタイプといえる。
ESFP(Se-Fi-Te-Ni)
ESFPもチームワーク性が高い。P型であるため自分勝手でわがままな面はあるのだが、Se主機能で場の空気を読めるため即興対応力が高く、状況に合わせる順応性がある。Fiの情熱と組み合わせることでスポーツや音楽、エンタメといったライブ感を盛り上げることを得意としており、感覚刺激や作業を通した一体感を醸成する能力に優れている。
SP型全般個人主義的で、かつ人の話をあまり聞かないところはあり、抽象的思考もあまりしないので意思疎通や他者理解が難しい面はあるのだが、とにかくSeが有用すぎてなんとかなってしまうケースは多い。SP型にとってのコミュニケーションは他者理解やシステムでなく、今・この場の状況に合わせることなのだ。これはESTPにもいえる。
その中で一番チームワークに向いているのはESFPになるのだが、ただしESFPはそれ相応に性格がキツイ。心理機能の並びがSe(刺激)⇒Fi(好悪)⇒Te(正論)とわがまま機能が続くため、陽キャ・一軍女子気質が強く出る。フォロワーにはノリの良さと臨機応変な対応が要求される。一度嫌われたらおしまいだ。
2点:立場や状況によるタイプ
ESTP(Se-Ti-Ne-Ni)
ESTPのチームワークは意外とある方だ。ESTPは回遊魚のように常に動き回っているタイプであり、共感力が低めで人の話もあまり聴かないため、協調性という意味では低い。身勝手で周りを振り回すことも多く、ケンカが強い上に短気でせっかちなため、ともすればパワハラ的でもある。
ただし主機能Seの反射神経は流石で、リアルタイムにおける追従性と状況判断能力は高い。たとえばサッカーで相手がパスを出しやすい場所を先回りしてボールを受け取るといった具合だ。あるいはケンカでもやりすぎないラインを見極めて手を引く。ESTPは場の空気を読めないのではない。あえて「読まない」のだ。
一見破天荒で無茶苦茶に見えるが、ESTPは冷静に観察をしている。確かに周りを振り回すが、一方で間合い・仕掛け時に読み、最善の判断を最高のタイミングで打つことでチャンスをものにする。そしてうまくいった場合、食事やお酒を景気よく振る舞うなど周囲に還元もする。チームワークを合わせる対象が「人」ではなく「状況」なのがESTPの特徴といえる。
ENFP(Ne-Fi-Te-Si)
ENFPのチームワーク適性は普通だ。NP型はNeユーザーゆえに協調性が基本あまり高くないのだが、ENFPはその中では一番高い。外向型×直観型×感情型という人たらしな部分はあり、垣根のなさもあって人間関係の構築力が異様に広い。
ただしENFPは知覚型(P型)ゆえに気まぐれなところがあり、浮動性が強い。社交性は高いが、顔が広く一箇所のコミュニティでじっとしていることは稀である。自分の好きな世界、興味のある出来事を追いかけて、いつしか旅立ってしまうのだ。フワーッ!という浮遊感を与えがちなのがENFPだ。
心理機能でいえば劣勢機能Siから、固定メンバーとの付き合いやルーチンワークは折り合いが悪い。ほどほど付き合いがそのうち飽きていなくなってしまう。ENFPは期間限定プロジェクトや、趣味サークルやコミュニティなどのサードプレイスでの活動が向いているかもしれない。
ENTJ(Te-Ni-Se-Fi)
ENTJのチームワーク適性は時と場合による。これはENTJの場合協調性が低いというよりも、トップダウン的性質が極めて強いということに起因する。協調性というよりはリーダーシップの方が強く出てしまうだろう。
ENTJは基本的に自身の所掌範囲はすべて支配しておきたいタイプである。支配する代わりにその責任を負うタイプともいえる。自分の把握することはできるだけ指示はしておきたいし、任せられないなら自分でやる、という気質なので、必然的にリーダー的立ち位置になってしまうのである。
ただしENTJは野心家であっても決して狂犬ではなく、現時点で実力を認めている者に対しては恭順の意を示してフォロワーに回るし、利害関係があれば第三者と同盟や協力関係を結んでチームワークを発揮することもある。
ISFP(Fi-Se-Ni-Te)
ISFPのチームワークはそれなりだ。主機能Fiで人当たりはよく、補助機能Seできびきびと動くので、スポーツやアルバイト、技能職といった体を動かす仕事・軽作業の類はとてもよく働く。ノンバーバルコミュニケーション、あるいはハイコンテクスト集団であればISFPは優秀といえる。
一方で、言葉を用いたコミュニケーションはやや苦手で、特に会話やメールなどにおいて主語を省く傾向があるので、すんなり話が通らないことが多い。これはFi+Seのという心理機能の組み合わせから、NiやTeが発達しづらく、自身の認識≒他人の認識となってしまっているためかもしれない。また束縛・強制の類は嫌うため、ISFJのような責任感も薄い。
ISFPは基本マイペースで他力本願だが、時として上に対して物申すときが稀にあり、周囲を驚かせることもある。このときのISFPは誰もがそう思っていたが、誰も言えなかったことを臆せず言ってくれるので非常に頼もしい。
ISTJ(Si-Te-Fi-Ne)
ISTJのチームワーク適性は並で、可も不可もないという感じになる。内向型かつ思考型ということでSJ型の中では一番低い。その理由は、補助機能Teによる愛想のなさとNe劣勢による融通の利かなさだろうか。額面通りに物事を受け取り、その通りにしかやらない傾向がある。
しかしこの「SJ型では低い」というポイントは実はメリットでもある。警察や軍隊などの公安職、および警備員のように権力による一方的コミュニケーションが働きやすい環境は、アレルギーを感じる者が多いが、ISTJなら務まりやすい。他者理解がなくとも、規則による秩序と帰属意識さえあればISTJはモチベーションを発揮できる。
また情緒性が低いので孤独耐性が高く、他者理解や貢献性を発揮できない環境にも耐性を持つ。営業職のようにチームワークや助け合いが機能せず、個人がバラバラに働く環境でもそこそこ務まる。ISTJの強みはルーチンワーク適性と情緒性の低さによる汎用性で、特に男性職場における適性が広い。
INFJ(Ni-Fe-Ti-Se)
INFJのチームワークは少々特殊といえる。主機能Niによる大局観・俯瞰的視点と補助機能Feの利他性・貢献意欲はチームワークに役立ちそうだが、他方でNiには自律性があり代替機能Tiの勘繰りも強くなる傾向があるため、組織集団とは距離を置きやすい。また劣勢機能Seから順応性に難があり、空気を読めない点が足を引っ張ってしまう。
大人数や動的環境は確かに不向きであるが、他者理解は随一のタイプなので、1on1や、自身を中心とした少人数コミュニティのリーダーには向いている。ただし他者理解の方法がどうしても言語によるコミュニケーションなので、非言語コミュニケーションがメインのSP型とは相性が悪い。
INFJは孤独耐性が低いので個人主義には向かない。どちらかというとリーダーやチームワークの外で、コーチ・スタッフの立場から彼らのやりやすい仕組みや環境を整える立ち位置が向いている。たとえば人事担当者として採用や労務・働き方改革に携わるといった感じだ。Ni持ちなので全体最適化は得意だし抽象的思考にも適性がある。INFJは実働には向いていないが、なんとかして環境構築ポジションに就けると強い。
1点:やや個人主義なタイプ
ENTP(Ne-Ti-Fe-Si)
ENTPは外向型だがどちらかというと個人主義向きかもしれない。ENFPよろしく浮動性が強く、色々なところに出入りする反面一箇所にとどまっていることが少ないのでとらえどころがない。また独特の人を食ったところがあり、相手を試したり議論に持ち込んだりする習性があるため、それを嫌う人からは苦手意識を持たれやすい。
ENTPは頭のいいタイプだが、停滞・束縛を嫌うという特徴がある。いつものメンバーと決まったルーチンを無為に繰り返すような、変わり映えしない毎日が苦痛なのだ。彼らの知性はいつも外の世界や未来に向かっていて、内輪や過去には向いていない。そのためESTPとは違った思想的な意味で協調性に難がある。
ENTPは地に足の付いた考え方を好み、石橋を叩いて渡るISFJの正反対のタイプとなる。さながら旅人気質の強い風の申し子といったところで、かなり身軽な性格だ。ベンチャー企業とか、新規事業立ち上げといった期間限定もののプロジェクトチームならば実力を発揮しやすいかもしれない。
ISTP(Ti-Se-Ni-Fe)
ISTPは本質的には個人主義なタイプだ。度合いとしては、INTJがひねくれているがブレーン気質ゆえに組織集団からつかず離れずというのに対して、ISTPはマジで一匹狼気質だが、順応性や現場適性の高さからチームに組織集団に組み込まれるという感じだ。
心理機能で見ても、Ti(考察)⇒Se(行動)⇒Ni(洞察)とソロプレイに特化した並びであり、劣勢機能にFeを持つために集団に対する同調意識が希薄で、個人主義的なところが強く出る。話した感じは冷静かつ寡黙で、どこかぶっきらぼうな印象がある。決して薄情ではなくぶっきらぼうなのだ。
しかしTi+Seの組み合わせから論理的で話は通じやすく場の空気も読め、何より荒事に強いため本人の性格とは裏腹に当てにされやすい。公安職・技能系専門職・職人として有能で、創作の場合は用心棒などとして一目置かれるタイプになる。
INFP(Fi-Ne-Si-Te)
INFPはやや個人主義なようだ。物腰が柔らかく、良心的で心優しい人が多いのでもう少し高くても良さそうなのだが、このスケールでは割と低めな結果になったようだ。
心理機能で見ると主機能Fi(お気持ち表明)+補助機能Ne(多様性の希求)というところなので、身勝手というよりも寛容性が強く出るようだ。それゆえに「みんな違ってみんないい!!」みたいな収拾がつかなくなる感じなのかもしれない。寛容すぎて方向性が定まらないのだ。
そのスタンスは異なるものの、INFJ同様に信念が強く、劣勢Teから競争を苦手とし、そして何よりも価値観の強制・抑圧を嫌うところがあるので、結果的に個人主義が強く出ているところがあるようだ。確かに言われてみれば、INFPの交友関係は個人単位の付き合いが意外と多いような気がする。
INTJ(Ni-Te-Fi-Se)
INTJはやや個人主義的という評価になった。あまりINTJをよく知らない人、あるいはフィクションにおけるINTJのイメージ通りといったところか。筆者目線だとINTJは軍師ポジションであるため、表面的なイメージとは裏腹に組織集団を好むタイプという印象がある。そのため個人的にはもう少し高くてもよさそうだが、この尺度ではそうなった。
心理機能の並びを見ると、主機能Niの大局観・逆算性があり、補助機能Teで正論力があり、J型なので組織志向はある方だ。INTJは一見孤独を好むように見えるがガチで孤立することは好まない。Seが弱いためISTPと違って一匹狼では生きていけないためだ。
このタイプもINFJと同様部外者向きだ。演劇なら舞台で踊るキャストではなく、裏方に回って照明や音響などの演出をやっている方が生き生きするだろう。事業戦略コンサルタントによくいるタイプと聞けば納得である。
0点:個人主義なタイプ
INTP(Ti-Ne-Si-Fe)
INTPはチームワーク適性は低いかもしれない。どうしてもオタク的な要素が前面に出てしまい、皆と合わせるという場面はちょっと苦手かもわからない。あのESFJとすべて逆の性格と考えるとさもありなんだろう。
逆に言えば、個人で完結する仕事は抜群に向いているということになる。典型的なのは研究・開発職、あるいはIT系職種(SE・PG)などで、特に頭の中で仮説理論を組み立てて、それを検証して、実証あるいは実装していくという仕事は強みを発揮できるだろう。ブロガーやマーケターもいけそうだ。
職階が上がってしまうと管理職・営業職的な要素が出てくるので、劣勢機能Feが試される場面もあるが、技術職故にずっと現場に居続けることもできるだろう。そしてそういう職場は得てして個人主義者の集まりなので、あまり気にならないと思う。
まとめ
今回は16タイプとチームワークについて論じてみた。だが筆者は協調性の高い人=仕事ができる人とは全く思っていない。特に中小企業のような「見て盗め」の会社、営業職のような個人主義的な職種は、むしろ協調性の高さがマイナスに働く傾向があるからだ。
これを書いたのは、新卒就職での「求める人物像」として人事担当者・採用担当者が皆口を揃えて協調性を挙げることに強い違和感があるからだ。筆者は何社か転職しているが、チームワークを求められる仕事というのは実はそれほど多くないと思っている。
チームワーク適性を求められるのは、研修・教育体制・マニュアルなどが有効に機能する大企業・官公庁か、労働各法や就業規則といった社内統治が有効に機能する環境を享受できる本社配属社員(≒間接部門職)限られるだろう。協調性を持ち味とするJ型(秩序型)は実は環境を選ぶ。
プレーヤー適性の高いP型
彼らとは対照的に、世の中における多くの中小企業あるいはプロフィットセンター(直接部門)はもっぱら個人主義的でチームワークは醸成されない。営業職が典型的だが、彼らの使命は業務の改善ではなく、業務の遂行であり、個人目標の達成だからだ。
業務改善するのはライン部門管理職あるいは間接部門(スタッフ職)の権限・職域であるが、支店・営業所や中小企業、直接部門といった環境では十分な教育ノウハウやマニュアルが整備されず、チームワークも醸成されていないことも多い。
そのような環境ではむしろ協調性の低い人材の方が有能であることが多い。持ち前の探索志向ゆえに「教えなくても勝手に育つ」からだ。雑なOJTしかない環境でも使い物になるのは、ルールや物事の後先、他人の顔色を気にしない要領のいい人間だ。
そして世の中の仕事はそのプロフィットセンターが8割弱程度を占めるので、実は協調性の低い個人主義者の方がむしろ汎用性が高いとみている。MBTIでいうならばP型(知覚型)と呼ばれる人種だ。営業職や技能職として優秀な人、プロフェッショナルと呼ばれる人たちはその多くがプレーヤー特化型だ。P型のPはプレーヤーのPなのだ。
技能職・現業職・公安職は現場レベルでのチームワークを求められるが、動作故に個人の身体能力・技能的熟練に依存しており、付いていけないと脱落するため本質的には個人主義である。この分野はSP型の独壇場だろう。
プレーヤーとして有能な人が、昇進すると無能になってしまうというピーターの法則が、科学的根拠性がないにもかかわらずほぼほぼ現実に当てはまってしまうのもこれを裏付けるだろう。プレーヤー特化型なのでプレーヤー「しか」できないのだ。
意外と汎用性が低そうなJ型
この点J型はどうしてもプレーヤー適性でP型の後塵を拝してしまう。もちろんコストセンター(間接部門)、医療専門職・育児介護などのケア労働従事者といったチームワークを求められる職種もあるのだが、筆者の体感では雇用におけるメイン層からは外れる。
結果として、チームワーク適性のある人は官僚的ポジションは確かに得意だが、チーム営業やプロジェクト制を導入している企業や、間接部門といった高学歴新卒じゃないとそもそも入社が難しい仕事も多いため、その適性を腐らせやすいと思っている。医療系の場合、高校生までに自身の適性に気付かないチャンスを逃してしまう。
J型はそのイメージとは裏腹に意外と汎用性が低く、むしろサードプレイスのような会社組織の外の方が向いているんじゃないだろうか。noteで生き生きしているのもJ型が多そうだ。
リンク
余談(関連概念)
チームワークや協調性、集団主義or個人主義を表す概念には、ダンジョン&ドラゴンズのアライメントという概念がある。
これはTRPG(ボードゲーム)のシステム要素で心理学とは関係がないのだが、なかなか面白く、MBTIを知っている人ならこちらも知っている人も多いと思われる。筆者はエニアグラムよりコッチのほうが好きだったり。