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【MBTI】INTJとINFJ 違い・比較・見分け方

 INTJとINFJの違いについて。これも割と自信がある記事です。考察のINFJ成分が多めなのは(お察しください)


1.自分軸と他人軸

 INTJやINFJはタイプを識別する上で、この2択まで絞り込みはさほど迷わないと思う。問題はINTJかINFJかという部分で、この部分は紛らわしい。INFJは不健全状態になりやすいため、他のFeユーザーのような社交性や協調性を顕現していない場合も多いからだ。

INTJとINFJの最大の違いは目的意識やコミュニケーションの態度が自分軸か他人軸ということだ。INTJは自分軸がしっかりしているのに対して、INFJは他人軸のため相手に合わせようとする。

ポイントになるのは、補助機能のTeとFeおよび代替機能のFiとTiということになる。いわゆるTe-Fi軸か、Fe-Ti軸かということに着目するとわかりやすいかもしれない。

エゴイストなINTJ

 INTJはあくまでも利己的に振舞う。自分自身のため、あるいは大切に想うただ1人のため、そのほかは切り捨てても、敵に回してもかまわないというエゴイスティックな発想を持っている。理想主義的なNJ型の中でも一際シビアな面が前に出やすい。

このためTJ型にあって組織との相性があまりよくない。ENTJのような熾烈さや圧の強さこそないものの、能力や態度が尖っていてとっつきにくく、ひねくれ者な印象を持たれがちだ。そしてINTJ自身も他者や組織にあまり馴染もうとしない。馴染み方がわからないのかもしれないし、なれ合う必要も感じないためなのかもしれない。

 INTJは見切りが早い。特に社会経験をまだ十分に積んでいない若いINTJは自身の能力を過大評価しがちで、「自身の能力が活かせないのは環境が悪い」と尊大な態度を取ったり、「ここでは俺の目的は果たせない」と組織集団をしばしば離反しようとする。新卒で国内大企業(JTC)や国家総合職に就職できた高学歴INTJなどにありがちだ。

そうかと思えば、自分自身の存在すら目的達成の「手段」として使い捨てることを辞さないところもあり、傍目で見ていてなかなか危なっかしいところがある。漫画ならハイライトがなくて目が氏んでいるキャラのイメージだ。

 しかし実際にはここまでテンプレ的な態度を持ったINTJは稀で、MBTIなどの知識、および社会経験を処世術として用いてそれなりに愛想よく振舞う。その方が面倒が少なく合理的だからだ。

INTJは頭がいいので「人の感情」や「常識」をも社会公理として受け入れ、人間の習性や組織社会の一般的法則として理解し、これを利用する方向で動く。これらのコミュニケーションは補助機能Teでなされる。

INTJは純内向型

 INTJは純粋な内向型だ。両向型のきらいがあるINFJとはこの点でも見分けがつきやすい。

 INTJは頭がいいので、そのつもりがないにもかかわらず、自身の目的達成過程において副次的に他人や組織に貢献することがままある。複雑な問題を解決したり、副次的に得た成果で他人を救済したり、組織に恩恵をもたらしたりすることもあるが、INTJ本人としてはあくまでついでにやっただけなので、能動的に獲得した成果とは認識しておらず、意に介さないことが多い。

 通常INTJは自身が有能だと思われたい欲求が強く、成果のアピールはそれなりにしてくるのだが、このパターンでは自身が納得していないためか、あまり積極的なアピールをしてこない。この辺りはINTJの内向型らしい特徴で、ENTJとは毛色が少し違うようだ。独特の美学が働くのは代替機能Fiが仕事をしているためと思われる。

またINTJは自身を理解されたいとはあまり思っておらず、自己開示欲求はあまり高くない。自身をわかってくれないなら別にそれでいいと思っている。しかし自身と同じステージに立つ理解者が向こうから現れるとそれはそれで喜ぶ。代替機能Fiがあるためだ。INTJは理解者に対しては妙な愛嬌を見せることもあり、可愛いポイントとなる。

ロマンチストなINFJ

 この点INFJは基本的には利他的に振舞うことが多い。自身と他者が相互理解を深めてきちんと話し合えば組織はうまく回るし、世の中はきっと平和になるというロマンティックな発想を持っている。NJ型の中でも理想主義的傾向が一際強いのはINFJだろう。「話せばわかる」を本気で信じているところはある。

ではINFJは組織との相性がいいのかというと意外とそうでもない。ENFJもそうだが博愛主義は周りから浮くのである。垣根のなさはNF型ゆえなのだが、それは一般的には受け入れられにくい価値観だ。ST型は個人主義なので相反するし、SF型は家族主義によるムラ社会なので垣根を作るという点で馴染まない。

 INFJは「自身を理解してもらえなかった」「ここは私の居場所じゃなかった」と傷心のまま所属している組織集団を追われたり、自ら去ることが多い。このように見切りが早い一面はINTJに負けず劣らずだ。

INFJは相互理解に命を懸けているところがあり、そのためならばリスクを取るし捨て身も辞さない。傍目で見ると理想に殉ずる宣教師や狂信者の類にしか見えず、これはこれで危なっかしい。漫画ならGペンで雑にゴリゴリ塗り潰した目をしているような、どこか傾倒・倒錯した印象のキャラになるだろう。

 ただしINFJもそこはある程度自覚をしていて、普段は理想主義や博愛主義を程々に抑えて鳴りを潜めていることが多い。自身の価値観や信念に抵触するようなやり方だったり、大きな損失リスクや不可逆性をはらむやり方、持続可能性に問題を抱えたやり方でない限りは、あまり積極的に意見することはない。

INFJはこのように主機能Niがあまり出せないため、普段は補助機能Feに振っているか、それすらも無理なら代替機能Tiに振っていることが多い(筆者はこのパターン)

INFJは両向型

 INFJは補助機能にFeを持つため、内向型でありながらそこそこ社交的だ。ENTPが最も内向的な外向型なら、ISFJは最も外向的な内向型ということになるのだが、INFJもISFJに準じた両向性を備えているタイプと言える。

INFJは相互理解を最重視しているので、相手がどのような人物なのかを知ろうとするために、傾聴や自己開示を用いて対話を試みることがある。そのためENFJ程ではないが初対面でもあまり人見知りしない人はいるし、一時的・短時間であれば外向型のノリに合わせることもできる人もいる。この辺は補助機能Feの賜物で、ISFJにも通じるところがある。

ただし根っこの部分はあくまでも内向型なので、パーソナルスペース自体は広い。INFJが集団に身を置いて社交性や協調性を発揮すると段々疲れてくるため、一人きりとなって内省するための時間・空間は必ず必要とする。ここもISFJと共通するポイントとなる。

2.「こだわり」か「自問自答」か

ここも割とわかりやすいポイントで、INTJの意識の根底にあるのは「好き嫌い」という個人的なこだわりだ。代替機能のFiが作用している。対してINFJの意識の根底にあるのは「どうして」という自問自答だ。代替機能Tiが作用している。

割り切ろうとするINTJ

 INTJは目的のために手段を選ばない。どうしても避けられない犠牲が出る場合、それが不可避であれば非情な判断も辞さず、割り切ろうとする。

この「割り切り」はSJ型とは少しプロセスが異なる。SJ型は内向感覚Siが働くため、最初から、自分/他人、身内/他所、味方/敵、といった身内意識で垣根を作り、はじめから区別している。だから「割り切る」のは無意識かつ日常的な振る舞いで、自分自身での意思決定や能動的選択ではない。あの誰にでも優しいISFJも例外ではない。

 状況から、前例から、規則だから、周りの雰囲気が、という形となるため、他人や環境のせい、あるいは仕方なく、というニュアンスが出る。これは卑怯なやり方ではあるが、「割り切り」には痛みが伴うため防衛機制としてはむしろ自然な働きだ。自分を守るためには必要かつ有効な方法で、こうしなければ常人では良心の呵責に耐えられないだろう。

しかしINTJは違っていて、NiとTeで割り切るため、あくまでも自分自身の意思決定に基づいて判断を行いその責任を負う。その判断には常に覚悟が乗っていて、その結果として生じた犠牲から目を背けない。それはもはや漆黒の意思と言ってもいい。

撃っていいのは撃たれる覚悟のある奴だけだ


他人や環境のせいにせず、自分自身の選択・判断で犠牲を出すので、当然しんどいし痛みが伴う。けれどもINTJは弁解や言い訳をしない。そうした痛みや責任もひとり背負い込んで目的を達成しようと孤軍奮闘する。

この本質をわかっている人は、かえってINTJを信頼することが多い。ファンになるまである。

ひねくれもの、コミュ障、根暗と散々な評価になりがちだが、他人・状況・環境にせいにしない潔さはINTJのカッコイイところだと思う。あとはもう少しこう、根回しを覚えてくれれば……(笑)

そんなわけで、INTJの目的達成志向はENTJと同じく高い。主機能Teと代替機能Seも駆使して、面的制圧を推し進めていくのがENTJなら、主機能Niの精度をひたすら高め、まるでスナイパーライフルによる狙撃のように目標をピンポイントで打ち抜くのがINTJだろう。

根底にあるのは「個人的な好き嫌い」

 先見性や合理性を駆使して問題解決や目標達成を目指すINTJだが、その恵まれた知性を一体何のために振るうのかというと、代替機能Fiに由来する。つまりINTJの個人としての好き嫌い、美学、こだわりといった部分になる。

INTJにはオタクが多い。統合や体系化を得意とするNiをベースに、 趣味性の高いFiがエッセンスとして加わるため、 自身の世界観を追求することに余念がない。オタクとしての資質に恵まれたタイプであり、INTJのチャームポイントでもある(かわいい)

しかしあまりにものさばらせると独断専行が過ぎたり、身内に極端に甘かったりと主観性を欠く場合がある。INTJは往々にしてエゴイストなところがあるため、増長するとワガママ大王になる。権力を得て抑える者がいなくなると、軍事政権の独裁者とか、新世界の神とか銀河皇帝になってしまう。こうなると歯止めが効かなくなってヤバい。

 

割り切れないINFJ

 INFJもNJ型の例に漏れず、目的達成のために手段を選ばない。しかし補助機能にFeがあるためINTJほど徹することができず、犠牲が出ることを嫌がるため、何かと割り切れないことが多い。

この補助機能Feというのが厄介で、目的達成志向の強い主機能Niとの食い合わせが悪く、しばしば矛盾することがあるため、INFJが常に葛藤や矛盾を抱える原因となっている。ブレーキを踏みながらアクセルを全力で踏んでるようなところがあり、この摩擦熱はINFJの悩みの種となる。

 なのでINFJは相互理解に熱心で、犠牲を避けるために傾聴や自己開示を積極的に行い、時にはリスクを取ってでも対話・説得を試みようとする。それで付いたニックネームが提唱者なのだ。

ただ世の中はそれ程甘くない。どれだけINFJが熱心であろうと相手が説得に応じることはそれほど多くない。ではどうするかというと、INFJ自らがリスクを負い、自己犠牲という選択をしがちなのである。


根底にあるのは「自問自答」と「信仰」

 Niで全体を俯瞰しFeで他人に気遣うINFJだが、彼らが洞察力や利他性を振るうその動機は代替機能Tiに基づいている。INFJの根底にあるのは「自問自答」だ。はたしてこの世の中が正しいのか、自身がどうあれば正しいのか、それが気になって仕方ないのだろう。

INFJは「自分がない人」が多い。補助機能Feの利他性+劣勢機能Seの劣等感から自己評価が恐ろしく低いためで、その度合いはおそらくISFJよりも深刻だろう。

そんなINFJだからこそ、自分なりの答えや解を得て、真理を知りたいと願うのだ。そのための行いが主機能Niによる洞察力と、補助機能Feによる利他性で「自分の行いはきっと正しいはず」という納得を欲する。INFJは「正しいことをしている」という納得をもって生きる実感を感じるのだ。

信仰は外に求めるものではなく、内に芽生えさせるものなのです


 これは「ゼノギアス」というゲームの登場人物のセリフで、プレイしていた当時ハッとなった。筆者はキリスト教系の学校に通っていたのだが、宗教はシステム、神はモチーフにすぎないのだ。どちらもから与えられたもので信仰の補助・触媒でしかない。神や宗教は信仰の本質ではないのだ。

INFJはこの「内に芽生えた信仰」を何かしら持っていて、その価値観に従って生きている。INFJの信念がバカ強いのはおそらくこれが原因だ。他のタイプが触媒たる神や宗教を外から与えられて「信仰」を得るのに対して、INFJは本能で「信仰」の本質を理解してしまうため、その影響を強く受ける。だから歴史上において教祖がしばしば出現してしまうのだ。

 前述の通り「信仰」は神様や仏様とは限らず、過去の体験や人物に起因するものもあるだろう。ただその「信仰」に照らして正しくあることで、自分なりの解や答えを得て「納得」したいのだろう。いわば納得が動機(目的)であり、洞察力も人助けもそのための確認手段というわけだ。

筆者がINFJなこともあって少しエキセントリックになってしまったが、INFJがMBTIにのめり込む理由、noteに大量発生している理由もこの辺にヒントがあるのかもしれない。

まとめ

 今回はINTJとINFJの違いに付いて述べてみた。INFJの最後の方は神がどうとか、信仰がとか若干危ない人になってるが、INFJには刺さると思うし、そういう表現をすること自体がINFJたる特徴にもなってしまっている。

INFJは自他共にタイプ識別が難解で、筆者のようなTiの発達した不健全状態のINFJは、INTJとミスタイプすることが多い。これは他人からはもちろん、自分自身でも間違えることがある。

特に割り切れるかどうかの部分で、割り切るのに多大な葛藤やストレスが発生する人、それを避けようとするあまりしばしば自己犠牲的傾向が見られる人はINFJの可能性もある。迷っている人は参考にしてほしい。

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