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【直前期】宅建士試験の罠 落ちやすい人と要注意ポイントについて

 今回はMBTIではなく勉強ネタです。去年合格した宅建士試験について経験談も踏まえながら語ってみます。


宅建士試験は「直観型キラー」の試験!

 宅建士は簡単な試験だと思われていますがぶっちゃけ難しいです。特に何回かこの試験を受けたことのあるリピーターの人、あるいは全体像を先に完成させていくタイプの人は要注意です。

最近の流行りで言えば、16タイプ性格診断で直観型(N型)に当たるタイプの人は要注意です。中途半端にナメてかかると私のように何回も落ちます。

この試験が難しい理由、試験範囲全体を把握済みのリピーターの人、一般的には勉強が得意とされる直観型の人が落ちやすい理由も書いていきます。宅建士資格に興味のある人、今現在絶賛追い込み勉強中の人は良ければ参考にしてみてください。

範囲自体はあまり広くない

宅建士試験の学習範囲はそれほど広くありません。この試験は、

1.権利関係(14問)
民法 借地借家法 区分所有法 不動産登記法など
2.宅建業法(20問)
宅建士 宅建業者 34条書面 35条書面 37条書面 8種制限 罰則など
3.法令上の制限(8問)
都市計画法 建築基準法 国土利用計画法 農地法 土地区画整理法 宅地造成等規制法など
4.その他関連知識(8問)※うち免除科目5問
不動産鑑定評価基準 地価公示法 税金関係 住宅金融支援機構 広告に関する規制 統計 土地建物など
【合計】50問

という感じの出題ラインナップで、公務員試験や他の法律系科目をやったことがある人なら試験範囲自体はそれほど広くなく、論点もさほど難しいものはありません。



────が、実はこれが罠です。



宅建士試験は広くない範囲の中で細かいことを聞いてくる試験なので、「全体像をざっくり把握するのが得意な人」ほどその難易度を見誤ります。
とりわけ、

・一度通しで範囲全体を勉強したことのあるリピーターの人
・全体像の把握を優先して細部の詰めが甘くなるタイプの人

はこの罠に陥りやすいです。筆者は公務員試験一般職試験、国税専門官試験、管理業務主任者試験、ビル管理士試験、日商簿記検定2級、FP検定2級などは大抵1回で合格していますが、この宅建士試験に関しては合格するまでに3回落ちています(満面の笑顔)

敗因1.勉強開始時期を見誤る

①テキストを読み終わってからが本番!

 宅建士試験は毎年10月の第三日曜日に行われます。試験にかかる勉強期間はおおよそ6か月(民法既修者)~1年(未修者)と言われています。出題範囲はあまり広い試験ではないので論点の把握自体は意外と早く終わります。

しかしこれがこの試験の罠で、試験対策期間を少なく見積もってしまい、舐めプレイしてしまうんです。宅建試験はインプットで全体の学習量の1/3程度、残り2/3はアウトプット(問題演習)といっても過言ではありません。

その意味では日商簿記検定や電気工事士のような技能系資格試験にも似ていて、参考書は程々に、後はひたすらに演習をやりこむ試験と言えます。

②詰めが甘くなりやすい人は注意!

 ところが、直観型の人は参考書のライン引きが終わった時点で「よっしゃ間に合った!」「たぶん何とかなるやろ!」と油断してしまうんですね。リピーターの人も参考書再読とインプットの時間はさほどかからず、1か月間くらいで終わるため、再受験に必要な学習期間を過小評価しがちです。

これが危なくて、学習範囲が終わったことで満足したり、体系的知識の定着や本質的理解を重視するあまり肝心の問題演習がおろそかになって落ちる、ということがあり得ます。

 6月は仕事が忙しいし、7月は暑いし、8月のお盆が終わってから「そろそろやるかぁ…」、みたいな感じだと最後の追い込みが足りずに落ちます(3敗)仕事が忙しい人なら年明け、リピーターでもGW過ぎくらいから着手しましょう。

とはいえ、この記事書いているのは9月19日です(鬼)

もう9月下旬じゃねーか!おせーよ!!という人はこのまま下に読み進めてください。

敗因2.ソリッドな知識を要求される

 この試験は、範囲が広くない代わりにソリッドで正確な知識をベタで要求されます。

公務員試験や他の法律系試験でありがちな、知らない知識でも法体系や推論、選択肢の絞り込みを利用して正解に持ち込む、という試験テクニックが通用しません。あくまでも学習範囲が終わって問題演習をやりこむところからが本番です。

直観に頼りがちな人、リピーターで全体像がわかる人は、この点特に注意してください。前述の通り筆者はコッパンの最終合格歴があり、管業やビル管も一発合格していますが、過去の経験から舐めて受けたおかげでいつも追い込みが足りずに3回落ちてます。ダメな見本ww

敗因3.合格点の高さ

 この試験の合格率は得点率の上位15%と言われています。2023年水準のラインで行くと36±2点くらいです。全体が50問の試験なので35/50、つまり75%でボーダー、80%で安全圏の試験となります。これは国家公務員試験一般職、地方公務員上級レベルよりも高い水準です。

この点公務員試験は範囲が膨大で、教養試験は数的推理、自然科学、英語など何かしらの強みがないと厳しい、専門試験は国家公務員一般職の一部の科目がマニアックすぎて運ゲーという別の難しさもありますが、全体65%でボーダー、70%で安全圏なので要求される得点水準は宅建試験よりも低いのです。つまりある程度捨て問も許容されます。

 選択肢も5択でこそあるものの、宅建士試験ほど作りこんでいないので推論や消去法で落とせるもの、問題本文や選択肢の組み合わせで正答にたどり着けるもの、など鬼の目にも涙的な情けはあります。「お前はマジで知らねえ…」って選択肢があっても、他で正誤判定できれば何とかなるやつです。

宅建士はそういう有情な問題があまりなく必要な得点率も高いので、残り1か月のところで過去問32/50くらいの正答率でいると、「本番はまあ何とかなるやろ」の心境の反して落ちます。

敗因4.4択試験という罠

 宅建試験は4択試験です。あてずっぽうでも25%は当たります。公務員試験や他の〇〇士の試験は5択(20%)なので、試験範囲が広くないこともあり一見楽勝っぽく見えます。

────とんでもない。

楽勝っぽいのは見た目だけです。こんな性格の悪い試験見たことないよってレベルです。見た目に騙されるとダメな奴です。この試験の悪辣さは下記に詳しく書きます。

敗因5.選択肢の悪辣さ

①恐怖の個数問題

 宅建士試験では「正しいものはいくつあるか」「誤っているものはいくつあるか」という問題が出題されます。設問が3つか4つあってその正誤判定を行っていくわけですが、その選択肢というのが、

①1つ ②2つ ③3つ ④4つ

①1つ ②2つ ③3つ ④0つ

これ。設問すべての選択肢が全部合ってないと得点くれないんですよ…。オレが何したってんだ。

しかも全部合ってる、または全部間違ってるという選択肢があり、それが正解のパターンも普通にあるので、「なんか怪しいけど1個くらい合ってんだろ」というのも無理です。ひどくない?

②単純記憶力を問われる

 宅建士試験はソリッドな知識をベタで問われる試験です。よって正確な記憶力を要求されます。

よく見るのは、社労士試験でもよく見る「数字」に関する問いで、「7日以内(営業日除く)」「20㎡を超える」「20%以上」「400万円以下」みたいなやつです。

これらの数字はベタで聞かれることが多い上に、「営業日含む/除く」「以上/を超える」「以下/未満」のところまで覚えないと選択肢を切れません。筆者のように飲み込みの悪さをエピソード記憶やパターン把握・推論でカバーするスタイルの人は苦労するでしょう。

③注意力を問われる

 宅建試験はひっかけも多いです。そのため知識を引き出す集中力とは別に、注意力や動作性知能を要求されます。

よくあるのが「甲県知事/乙県知事」「許可/届出」「広告/通知」「売主/買主」「宅地建物取引業者の/ではない」などの入れ替えで、ザッピングしていると見落としがちです。2つ正答らしきものがあった場合、これらをひっかけてどちらかが偽物というのがよくあります。

特に「甲県知事/乙県知事」は紛らわしいので、目を皿のようにして問題文をよく読まないと正しい知識があったにもかかわらず、まんまと引っかかってしまいます。

④出題形式そのものも厄介

 さらに出題形式自体もミスを誘発しやすくなっていて、「正しいものを1つ」「誤ったものを1つ」「正しいものはいくつ」「誤ったものはいくつ」 と設問の聞き方がバラバラなので、結構な割合で選び間違えやマークミスが出ます。

宅建試験自体の制限時間が結構タイトで、50問×4肢=200の問題分を120分で解答する試験なので1つの問題文を平均36秒で切り、1問あたり2分20秒で解いていくことになります。そのため見直しの時間が取れるかは微妙なので、1問ごとに確認をした方がいいです。。

私は公務員試験時代の癖で数問解いてからまとめてマークを記入することが多かったのですが、宅建試験は問題の性格が悪いので、少々面倒でも1問ごとに確実にマークは塗っていきました。

宅建3か月余裕論は本当か?

①これ本当かなぁ??

 去年受かった時に思った素朴な疑問。昔の試験は簡単だったと言いますが、最近に関してはあまり当てはまらないと思います。

実際受かる人もいますが、そのほとんどは法学部卒や他の士業試験、公務員試験などで民法の学習が住んでいる人、または宅建士試験を過去に受験したことがある人(リピーター)と思われます。

 ゼロから3か月は余程の頭のいい人でないと無理です。マーチ半年余裕とか、簿記二級3か月余裕みたいなフカシとして捉えてください。

理由としては3か月では民法が完成しない為で、自分なりの体系的理解が進まないと権利関係の点が伸びないからです。(なくてもできますが、宅建業法、法令上の制限、その他関連知識をほぼ完璧に得点した上での運ゲーになります)

②経験者も油断しないこと

 また法律系試験経験者やリピーターの人で落ちる人の原因は、この試験の難易度を見誤ってしまい勉強開始時期が遅れて追い込みが足りないことが多いです。筆者はどうもこの試験との相性が悪く、実に3回も不合格になっているのですが、


「合格者と不合格者 どうして差が付いたか 慢心、環境の違い」


 本当コレに付きます。落ちた原因は 「まあ範囲なら終わっているし」 という慢心です。仕事の忙しさを言い訳にし、既習であることにかまけてお盆明けくらいにそろそろやるか~という感じで始めると負けパターンで、養分確定です。

結局4回目も懲りずに8月お盆明けから始めたのですが、ようやく「これあかんやつや…」と気付き、予備校の演習講座を受講して最終的の39/50で受かりました。悪い見本ですね(笑)

ヤベーやつは予備校にGO!!(超大事)

 そんなこと言われたって9月中旬じゃねーか!もう3週間しかないじゃん!どうすんのさという人は最後の手段があります。資格予備校に行きましょう(課金)

自分も宅建士はテキストと過去問集を買って独学でやってたんですが、独学だとちょっときついなと感じました。理由としてはまず法令上の制限。これ知らないのが結構出ます。また権利関係が法学部生や公務員試験受験生から見ても難しく、宅建業法も結構テクニカルなんです。

独学だとこの辺の曖昧な部分をズバリ聞かれ、選択肢として絞れない、個数問題でなんとなく答えて間違える、ということを頻発します。散漫で注意力が足りないのでそこで足元を掬われて得点力が伸びないパターンです。

 資格予備校の講義だとプロがこの辺に手を入れてくれるので、すでに30点くらいは取れているようなある程度の基礎ができている人なら直前講座のみでも結構得点力が伸びるかもしれません。筆者も4回オチは嫌だったので予備校に通って受かったクチです(でもサボってたのでギリギリ)

まあ受かってしまえばこっちのものなんで、もうゼッテー落としたくない!!!って人は検討してみるのも良いと思います。

なお筆者は今年は賃貸経営管理士の試験を受けようとしていますが、noteで存分に遊んでしまい、ガチでまだ何もやっていません。なのでいよいよヤバくなったら予備校に行こうと思います(白目)

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