見出し画像

【MBTI】16タイプのサラリーマン適性について(前編)

16タイプのサラリーマン適性について。適職の話ではありません。長いので前編と後編に分けました。こちら前編では前置き説明とサラリーマン適性が比較的高めの人々について考察します。


一応の尺度

①興味関心の方向 E(外向型)>>>I(内向型)

 向性についてはE型(外向型)>I形(内向型)と考えている。サラリーマン適性、とりわけ営業職ならこれはイメージ通りだろう。Se、Ne、Te、Feが主機能に当たるタイプは基本的にはコミュニケーション能力が高い(Neはちょっとわからん)

内心に留保することなく相手に働きかけるので、コミュニケーションの様式として「書く」ことよりも「話す」ことの方が優先される傾向があり、結果としてレスポンスの速さ・巻き込み力の強さに寄与する。そして人と話すこと自体のハードルが低く、また内省よりも人と話すことでストレスを解消する傾向があるため、対人ストレス耐性が高く、また回復手段も手軽であることが多い。この特性は特に営業職で強みを発揮する。

内向型の場合は慎重さや思慮深さ、文章作成能力、勉強適性などが持ち味になるのだが、不注意特性を持っているとこの点はハンデになりやすいかもしれない。またストレス回復手段が内省になるので、アイデア出しはともかく公私ともに人との関係性構築で後れを取りやすい。

②ものの見方 S(感覚型)>>>N(直観型)

 視座については、S(感覚型)>N(直観型)となる。サラリーマンの仕事は戦術レベル、あるいは実働要員として従事する人がほとんどであるため、短期的目線で追っていく仕事の方が圧倒的に多い。ほとんどの人間は営業職・技能職・現業職として60歳まで働き続け、組織の周辺・末端従事者として、会社の全体像や、世の中の仕組みなど何一つわからないままその社会人人生を終えることになる。

そのためサラリーマンはS型(感覚型)のように、今・目の前で必要な仕事を手際よく捌いていく人が向いている。会社の営業戦略や経営企画、マーケティング、作業オペレーションの刷新、業務改善などは、営業管理職・間接部門職の仕事であって、直接部門職の仕事ではない。それをやりたいのあれば、まずは昇進・異動・転職などによってそのポジションを得なければならないが、現実的にはそれは困難であることが多い。

よってN型(直観型)の持つビジョンやアイデア、長期的目線や大局観は、実働要員して働く場合はかえって邪魔になることが多い。業務改善は不可で、会社の将来や自分のキャリアに先がないと思ったら転職するしかない。あるいは副業を始めた方が早いだろう。

③判断機能 Te>Fe・Ti>Fi

 判断機能としてはTe>Fe・Ti>Fiとした。これは職種にもよるが、特に文系大卒者の大多数が配属されることとなる営業職の場合、気質としてテイカー、またはマッチャーである方が向いている。Fe・Fiユーザーに多く見られるギバーは向かない。

何故かというと、営業職は自社(より正確には自分)に対して利益誘導を図る仕事だからである。顧客に対しては価格を吹っ掛け、調達元や協力会社に対しては値切って価格を抑え、その利ザヤで利益を出す。そのサイクルを高速かつ反復に行って課せられた毎期毎月のノルマを達成するのが営業職という仕事になる。

その反面として利益・権益・数字を獲得するために行った、自分のアクションが原因で発生した揉め事・トラブル・法律違反等から逃れられない仕事となるわけで、この点利他性や内向性が高いと向かない。ノルマのプレッシャーもあるだろう。この性質にマッチするのはESTJに代表されるTeユーザーだ。

営業事務職、間接部門、技能職、公務員、医療関係者といった非営業系職種になるとまた違うのだが、利益や案件に対して直接責任を負う職種は概ねこの傾向があるだろう。

 もうひとつあって、それは他責性だ。もちろん高すぎてもサイコパスやソシオパスになってしまうのでダメだが、罪悪感が軽い人間の方がサラリーマンに向いている。ある程度ならば、他人や組織、環境のせいにする人の方がサラリーマンとして長続きする。自責性が高いと悩みや爆弾案件を抱え込んでしまいがちだ。

前項の外向性も合わせると、外向性と他責性の高い人種はサラリーマンとして向いている。ESTJ、ESTP、ENTJあたりが強いのはこれによる。ストレス耐性≒営業職としての行動力となるため、高速サイクルでこれを回すならばこうした性質は必要になってくるかもしれない。

点数評価

暫定的に感じに評価してみる。基本的には外向的かつ思考型の人間が強い。

①外向型:1点 I(内向型):0点
②S(感覚型):1点 N(直観型):0点
③主機能or補助機能が Te:2点 Fe・Ti:1点 Fi:0点

この方式で評価するとこんな感じになった。この前半記事では太字部分のタイプまで解説する。

4点:ESTJ
3点:ESTP・ESFJ・ISTJ・ENTJ
2点:ISFJ・ESFP・ISTP・ENTP・INTJ・ENFJ
1点:ISFP・INTP・ENFP・INFJ
0点:INFP

4点:最適(ESTJ)

ESTJ(Te-Si-Ne-Fi)

 ESTJは総合的なサラリーマン適性が一番高い。営業力のみ主機能SeのESTP・ESFPに瞬間火力やDPSで譲る部分があり、劣勢機能Fiから人事業務にはあまり向かなさそうな欠点はあるが、それ以外は軒並み高水準で穴がない。Te主機能ゆえのテイカー気質は営業職として強みを発揮するだろう。

ESTJは組織や上司には忠実で、与えられた使命や責務を一生懸命に果たそうとする。配属する職種は選ばず、営業職なら激務に耐えてノルマを果たし、転居を伴う転勤辞令もイヤな顔をせず受ける。ずっと支店勤務の営業職に放り込んでいても辞めない。会社からすると極めて優秀なソルジャー(兵隊)であり、かつ扱いやすい人種だ。

 必然的にESTJは出世をしやすいが、実際に中間管理職として適任だ。Te主機能ゆえに自身の力関係をよく理解しているため、上には決して意見をせず、下にはノルマ達成のために檄を飛ばす。やりすぎると自分がつぶれたり、パワハラ的になってしまうが、現場のことなどまったくわかっていない上役や親会社のわがまま・無茶ぶりに耐えてよく頑張っている。

欠点は、NJ型のような長期的ビジョンを持たない点だが、ビジョンをもたないからこそ長くその会社・職種(特に営業職)で長年勤続できるということでもあるので、総合的に見るとやはりサラリーマンとしては優秀だ。ESTJは有能な現場指揮官・将校である。ただし司令官ではない。

3点:適性あり(ESFJ・ISTJ・ESTP・ENTJ)

ESFJ(Fe-Si-Ne-Ti)

 ESFJもサラリーマン適性が高いタイプと言える。特に新卒就職活動における面接試験適性は全タイプでもトップクラスで、大企業・官公庁に入り込みやすい。またその派閥形成力から社内評価も高いため、出世もしやすい。

出世しやすいタイプとして、カタログスペックではESTJ、ENTJあたりなのだが、実際にはESFJが出世頭になっている会社も多いと思う。筆者の働く会社も営業部長はESFJで、定年・再雇用になったので新しく別事業部からスライドして就任した部長もまたESFJだった。

 ESFJは、攻性防壁を展開して身内を守るタイプと別の記事で書いたが、この特性から営業職にも向いている。たとえばマンション管理会社のように複数いる利害関係人をまとめる仕事だと、持ち前のFeが生きる形となる。いわゆる他者志向型ギバーと呼ばれるタイプに近く、安易に自己犠牲をしない強かさがある点が他のFeユーザーとの違いかもしれない。

営業職における単純な打点の高さはTeユーザー、Seユーザーの方が上だが、ESFJは自身の直属の上司、営業事務職・技術担当者・協力会社といった身内ウケが良く、お客様の信頼を得て合意形成プロセスを行うトラブルが少ない。この守備力の高さがESFJの持ち味で、それでいて他のF型と違って攻撃力も十分なので攻守にわたって安定した実力を発揮する。

マネジメントではたとえばノルマ未達の社員(=筆者)に対して、「君が未達(or失注・解約)したことで会社や支店の他のメンバーに迷惑を掛けることになる」という詰め方が印象的だった。これがT型だと「何が原因だと思う?」「どうすれば達成できると思う?」という詰め方になると思うので、この点もFeユーザー的かもしれない。

ISTJ(Si-Te-Fi-Ne)

 ISTJは一見すると地味で特徴がないように見えるが、営業職・営業管理職・間接部門職どのような環境でも安定して活躍できる。この汎用性の高さがISTJの長所と言える。

意外なのが営業職適性の高さで、ESTJの制圧力、ESTPの多動力はないものの、Si主機能ゆえにミスが少なく、注意力の高さから無駄なこともしないので確実着実に成果を上げていく。テイカーではなくマッチャー気質なのでわかりやすい速さや強さがなく目立たないが、いぶし銀の活躍をするバイプレーヤーといったところだ。

営業職では地味であまり外向的に見えない人が意外と売上トップになったりもするが、ISTJやISTPには割とちらほらそんな感じの人がいて、筆者の上司もこのタイプだ。空振りが少ないのがISTJの営業職の特長で、主機能Si+補助機能Teの絞り込みがいい仕事をしていると思われる。

 他には間接部門にも適性があり、ミスの少なさ、注意力の高さから公務員行政職経理系職種は適任かもしれない。N型は簿記や税法など勉強はできるが、五感が常に優勢ではないため注意力が低く散漫になりやすいため「目を使う仕事」は微妙だと考えている。これは筆者がビルメン時代にモニタ監視業務に従事していた経験による。

視空間認知が低い人だと目が滑ることがあり、不注意による見落とし・間違えが多いかもしれない。他方ESTPやESFPは多動性からルーチンワーク耐性がない。ESFJやISFJだと会話・コミュニケーションが少ないと滅入ってしまう。消去法からISTJが適任になりやすい。

ESTP(Se-Ti-Fe-Ni)

 ESTPは営業職として最適格を示すタイプとなるだろう。営業職としてのDPS・瞬間火力はESTJを超えるかもしれない。世の中営業職はいくらでもあり、常に人手不足なので働く場所には困らない。文字通り裸一貫で生きていけるのがSP型の強さだが、ESTPはその最たるだろう。

ESTPの強みは卓越した営業フィジカルの強さ、特に多動力だろう。営業職で最重要なのは速さ(手数の多さ・レスポンスの速さ)で、つまり行動量の多さ・動作性知能の高さが性能に直結してくるのだが、この点せっかち・短気で忙しなく、まるで回遊魚のようにいつも高速で動きまわっているESTPは申し分ない。事務方や技術方、協力会社などを巻き込む性能も高い。

また共感力が低めなことがタフネスに寄与しており、ストレス耐性が高い。実はESTPは防御力が低いという欠点があるのだが、営業力や行動力が高いので顕在化しない。ついで劣勢Niが営業職に関してはかえって長所になっており、短期間で結果を出す、綱渡りでもいいのでなんとかする、受注は取った後は知らん、というスタンスは営業職としては正解だからだ。

 営業職に長期的見通し・再現性など不要だ。強引な営業がたたって長期的目線では損失になったとしても、それは営業戦略を策定する会社役員や営業管理職の責任であって営業活動を実行する営業職の責任ではない。独立起業するとまた別の問題があるが、営業職は労働者なので転職すれば問題ない。案件を受注し毎期毎月のノルマを達成するという使命は既に果たしている。

以上の点から、ESTPは営業職として特化型といってもいい性格をしている。特化型ということは、営業管理職のようなマネジメント業務、間接部門職といった頭脳労働(座り仕事)は向いていないのだが、適性職となる営業職自体が常時人手不足なためあまり問題にはならないだろう。

ENTJ(Te-Ni-Se-Fi)

 何かと最強扱いされるが多いENTJだが、やはり仕事ができるタイプだろう。まず心理機能の並びが強く、主機能Teの制圧力+補助機能Niの洞察力+補助機能Seの現場力を兼ね備えている。さらにいえば劣勢機能Fiすら仕事においては長所となるので最終的には最強の存在になる。最終的には。

ただしENTJには重大な欠点があり、それは大器晩成タイプということだ。つまり最強になれるのは中高年以降ということで、人生の前半にあたる18歳(大学受験)~22歳(新卒就職活動)はまだ弱い。ゲームでたとえれば、ENTJは極限育成すれば確かに最強なのだが、ゲームクリアのレベル帯は決して最強ではない。この年齢はESxJか、ESxPの方がまだ強い。

この辺はNJ型特有の向上心がアダとなる。ENTJは持ち前の長期的視野や大局観から、自身の能力を均等に鍛えようとする性質があるので、若い間は一点特化型人材には勝てない。そして会社とは能力を獲得して自己成長するための場所ではなく、既に持っている能力を使って結果を出す場所なのだ。

 たとえば営業職で出世したいなら資格など必要ない。ひたすら数字を稼ぐべきだ。営業職は「数字」だけを考えるのが最適解なのだが、数字を達成した「後」のことを考えしまうのがENTJの弱点になる。これはINTJもそうだ。案件の先行き、営業手法の再現性、会社の将来性、自分のキャリアデザイン、スキルの獲得とかは度外視できる人間じゃないと営業職としては大成できず、捨て身で目の前の仕事に取り掛かれないと出世しない。

営業職は極論言えば将来の100万円よりも現在の1万円を刈り取る仕事であり、ENTJはその賢さゆえにソルジャーに徹しきれず、ES型人材に敗れることになる。出世できるENTJは自身の本能とも言える自己決定権を一時的に封印し、臥薪嘗胆しながら耐えた者に限られるだろう。営業管理職に行けるのは、自身の人生キャリアを賭けたギャンブルに勝った者だ。ガチ勢であり、負けた時のこと(=営業職以外の生き方)は考えないことが条件になる。

そんなわけでENTJは力強いイメージとは裏腹に最前線には意外と向いておらず、どちらかというと中距離で適性を発揮するタイプで、前線から一歩下がった位置の方が活躍しやすいと思う。営業職はある意味ではRTA走者みたいなもので、枯れたら終わりだ。引退がある仕事なので大器晩成型のENTJにはもったいない。総合力自体は最強なのでNi+Teを使える環境ならばやがて頭角を現す。財務担当や経営企画とかどうだろう。

まとめ(後編に続く)

 今回はサラリーマン適性の高い性格タイプ(前編)ということで、比較的適性の高い5タイプを考察してみた。

筆者はもともとSRPGのコアファンで、ファイアーエムブレムのマニアなのだが、必然MBTIもそうした目線で追ってしまう。そしてこういう記事を書くとどうしてもFEやベルウィックサーガのクラス評価・ユニット評価みたいな書き方になってしまい(実際書いていた)、なんだかゲーム攻略記事然とした文章表現になってしまうのだが、他意はない。

後編は引き続き、あまりサラリーマン適性の高くないタイプについて言及していく。その続きはコチラ。


関連リンク

いいなと思ったら応援しよう!