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【MBTI】16タイプのサラリーマン適性について(後編)

サラリーマン適性とMBTIについて。後編では普通~向いていないグループのタイプについて考察します(以下の表で太字になっているタイプです)

4点:ESTJ
3点:ESTP・ESFJ・ISTJ・ENTJ
2点:ISFJ・ESFP・ISTP・ENTP・INTJ・ENFJ
1点:ISFP・INTP・ENFP・INFJ
0点:INFP

■前編はコチラ(概要説明+ESTJ・ESTP・ESFJ・ISTJ・ENTJ)


2点:普通(ISFJ・ESFP・ISTP・INTJ・ENFJ・ENTP)

ISFJ(Si-Fe-Ti-Ne)

 ISFJは献身的かつ協調的で、きめ細かい気遣いを得意とし、面接評価や事務処理適性も高いことから組織で重宝されるタイプとなる。しかし一点だけ他のSJ型にはない弱点があり、営業適性「だけ」がない。

逆に言えば、営業職以外の文系職なら概ね高水準で、それは面接や人材配置を行う側からもわかりきっているので、間接部門職・営業事務職が彼らの指定席になりやすい。長所短所の振り分けに無駄がなく、何らかの仕事の特化型としてデザインされているのがS型の長所で、ISFJの間接部門適性もその例になる。

その能力と存在感はかなり強力で、ISFJが存在することでISFP、INFJ、INFPは軒並下位互換化してしまう。面接も実務も強く、個体数も多いISFJが存在することで彼らは生存競争で敗れ、事務職から淘汰されてしまうのだ。

 ただしこの弱点ゆえ、男性だと使い出がない人材とみなされやすい。事務職やサポート業務適性、およびISFJの人柄やその根幹をなすギバー気質は、女性であることも含めて役割・機能のひとつであり、その前提条件とみなされやすいからだ。

そのためISFJが何らかの理由で間接部門職や事務職に入れず、営業職や現業職に配置されるとSJ型では一番弱い。さっきのISFP、INFJ、INFPと同じく、Se・Teを持たない内向型グループとして窓際で小さく縮こまっているしかないだろう。

ESFP(Se-Fi-Te-Ni)

 ESFPも営業職として活躍が期待できるタイプだ。FiユーザーなのでESTPよりもムラっ気があるが、反面相手との距離を縮めるのが得意で、懐に潜り込みやすい。営業職におけるDPSや瞬間火力はやはりESTPと同じく高く、新卒入社後すぐに営業成果を上げて新人賞とか受賞するのはこのタイプだろう。

ESFPは陽キャとして学生生活のスクールカーストでしばしば一軍になりやすいが、そのコミュ力は営業職でも遺憾なく発揮される。SPユーザーは「間合い」「当て勘」に優れているという話をしたが、これは運動やスポーツのみならず対人コミュニケーションでもそうなのだ。

そしてESFPは「ノリ」「空気」を自ら作り出せるので、この点が営業職として非常に強い。客は面白いヤツから買いたくなるからだ。

 典型的には生命保険会社の外交員で、この仕事は大変過酷で大多数がすぐにドロップアウトしていくが、稀に顧客を掴んで生き残る人がいる。保険外交員にはマダムや、70歳オーバーのグランマがいるが、この時代に中高年女性の外交員を見かけたら「生き残り」と思った方がいい。つまり例外なく強いのだが、この仕事ではそんなESFPをよく見かける。

なお営業管理職や間接部門職に向かない点はESTPと同じだろう。女性ESFPの中には、20代で結婚のため、仕事に見切りをつけてスッパリ退職してしまう人もいるかもしれない。その場合は子育てにパートに忙しくしていることだろう。いずれににしても全霊を持って現在(いま)を踊るのがESFPの真骨頂であり、正しくプレーヤー特化型といえる。

ISTP(Ti-Se-Ni-Fe)

 ISTPのサラリーマン適性は技能職・現業職向きとなる。体を動かすことで問題解決していくことが好きなのはESTPと同じだが、内向型ゆえに思考や考察が優勢であり行動力そのものよりも手作業・器用さに適性を発揮するタイプに見える。

たとえば大型バスやトラック・鉄道の運転手、ミリ単位の調整を行う加工職人、建設業の各工程に従事する建設作業員、およびその重機オペレーター、電気や給排水設備の工事・点検を行う設備作業員などはいずれもISTPの独壇場だろう。自動車整備工もこのタイプが多い。

勉強もできる頭がいい人だと文系ならパイロット、理系なら組み込み系エンジニア、医療系なら外科医などだろう。勉強ができるISTPはガチで強い。たぶん「サイコパス」の狡噛慎也みたいな感じになる。

 ISTPの長所は全タイプでもトップクラスの冷静さを持っている点で、この点は技能職適性に大きくプラスとなる。筆者はブルーカラー経験があるのだが、ISTPは実際に物凄く頼りになる。素の器用さや空間把握能力も高さもさることながら、不測の事態・緊急対応に異様に強いのだ。

プロフェッショナルとは正しくISTPのような人をいう。欠点はFe劣勢ゆえに一匹狼的でぶっきらぼうな人が多いところだろうか。ただこれは環境要因な気がしなくもない。ISTPの営業職もいるにはいる。

ENFJ(Fe-Ni-Se-Ti)

 ENFJのサラリーマン適性は、現在なら非営利団体向きの企画職と考えている。自身がENFJに合ったことがないのでどうしても想像の領域になってしまうのだが、サザエさんとかNHKの朝ドラあたりに出てくる「古き良き時代のサラリーマン」といったイメージがあるのだ。

人たらしで義侠心が強く、器や度量が広いので社長に向いている感じはある。有名企業の経営者の著書とか社訓にありそうな理想的価値観のようなイメージはあって、昭和時代における大企業社員の在り方としては模範的存在だったのかもしれない。

 すなわち短期的利益だけでなく、事業・人材の長期育成や社会貢献といった「その先」の目線をも考えていた時代の企業や組織の元で、大志を抱きながらモーレツに働いていた頃のサラリーマン像だろうか。現在の企業経営は合理的思考とコンプライアンスの元で短期的利益を回収する方向にシフトしているためTe・Siが重要で、ゆえにESTJが最適ということになっているが、一昔前の日本企業ならENFJだったかもしれない。

どちらかというと公務員やNPO団体といった非営利団体の方が向いていそうなイメージはある。ENFJ・INFJは社交性・協調性が高い傍らで一定の思想性を伴うので「客や自分にウソをつかないでいい接客業」の適性が高く、公務員なら県庁職員、市役所職員 教員(教師)あたりは向いていそうだ。

INTJ(Ni-Te-Fi-Se)

 INTJのサラリーマン適性もやはり環境による。主機能Niの予見可能性と、補助機能Teの合理的思考を生かせる職場だと活躍しやすい。このタイプは頭がいいキャラ扱いされることが多く実際に高学歴者に多い。かつてはキャリア官僚に、現在は外資系企業やコンサルティングファームに多い生息するタイプらしい。

ただしINTJにも重大な欠点があり、やはり劣勢機能Seが大きく足を引っ張ってしまう。そのため現場労働者としての適性がなく、ここで活躍できないことには出世もできないため、その適性を全く生かせないまま下っ端で終わってしまうリスクがある。技能職としてはダメだし、単価の安い案件を大量にこなす中小企業営業職も向かないだろう。

 ただ補助機能Teがあるため営業職適性自体はそれほど悪くない。資格取得や転職でキャリアアップを行い、単価がそれなりに高い案件の営業職に就くと化ける可能性はある。こうなると法律、仕様、人工、納期といった要素が増えてきて案件が複雑化する反面、1案件に腰を据えて取り組めるようになるからだ。

要求される思考強度は上がるが、意識や注意を頻繁に切り替えるザッピング回数が減るため、INTJとしては都合がよい。いわゆる「難しい仕事」に対する適性が強いのがINTJの持ち味となるだろう。

ENTP(Ne-Ti-Fe-Si)

 ENTPのサラリーマン適性は環境に依存すると思う。イメージとしてはESTPとINTPの中間といったところで、行動力と知的好奇心の双方が高く、どちらかというと好奇心側に寄っているという性分になるため、これをうまく生かせる環境にハマると活躍しやすいと思う。

ENTPやINTPは独特の「観測者」「傍観者」のポジションを好むところがある。好奇心こそ高いが、実際に作業者として携わりたいか、自らが責任を負いたいかと言われると全く別なのだ。労働者というよりは投資家の方が合ってそうな感じはある。

自身の好奇心を満たせない単調なルーチンワークだとすぐ飽きてしまうし、その上で責任を負わされる仕事になるとまったくやる気がなくなってしまう。つまらない仕事で責任などさらさら追うつもりがないだろう。

 筆者的にENTPが比較的向いていそうだと思った堅い仕事は、技術営業だろうか。営業職はストレス耐性と行動力が要求値が高いが、技術要素があることで参入障壁が上がるため市場競争率は下がる。代わりテクニカルな要素が増るため、新奇性・知識欲を満たせそうだ。営業なので外出もできる。

探偵・損害調査人なども面白いかもしれない。わざわざ他人のトラブルに首を突っ込む仕事だがENTPなら好奇心が勝るだろう。あとは就職難易度が上がってしまうがジャーナリスト(記者)や編集者などだろうか。ライターや動画配信者、コンサルといった「自分」が中心となって積極的に案やコンテンツを出す仕事もENTP向きと言えるかもしれない。

1点:微妙(ISFP・INTP・ENFP・INFJ)

ISFP(Fi-Se-Ni-Te)

 ISFPのサラリーマン適性は微妙で、しいて言えば技能職向きと言える。ISTPとは対照的に自身の感情や価値観を前面に押し出しながら、体を動かすことが好きなので、そういった仕事を選ぶとよい。

たとえば調理師、美容師、介護士、ファッション関係といった自身の「好き」を反映できる技能労働者に向いているだろう。専門学校に行く必要はあるがコメディカル(医療従事者)も向いている。

 ISFPは「思考や目標・責任を求められない行動」を好む。享楽性が至上の価値観であるためだ。たとえば主婦であれば、契約社員やアルバイトのような負担の少ない働き方は満足するだろう。

ISFPは世界観がコンパクトで、将来への危機感から強迫観念にとらわれやすいNJ型とは対照的に、パート・アルバイトのようなキャリアとしての価値が低い仕事でも長期間続けやすい。このマイペースさはISFPのユニークポイントだ。逆に営業や管理職のようにキャリア的価値は高いが、小難しく、他者に干渉的で、責任を伴う仕事は嫌う傾向にある。

ISFPは自分のやりたい仕事を見つけるのは容易だが、一方で経済力・収入面で課題があるため、実家の太さや不労所得、配偶者といった存在に依存しやすい。スポーツ選手、デザイナー、漫画家、楽器演奏者といった好きなことを仕事にしているプロもいるが、全体で見ればレアケースだろう。

ENFP(Ne-Fi-Te-Si)

 ENFPのサラリーマン適性はあまり高くはなさそうだが、実態はよくわからない。というのもENFPは浮動性が強く、個体数も多いのでどのような環境にも存在しうるからだ。営業職にも技能職にも間接部門にもいる。主婦をやっている人もいる。そしてそのどれもそれなりにこなせるように見える。

サラリ―マンの職種でENFPの適職を強いて言うならば、浮動性の高さゆえに情報通であることから、広報(プレスリリース)などだろうか。自社の事業内容や魅力を積極的に紹介する場面で主機能Ne+補助機能Fiの組み合わせは活きそうだ。

 他人の可能性を見出すという点では人事業務も適任で、たまにそれっぽい採用担当者を見かける。あとはやはりENTPと同じく、ルーチンワークが苦手なので記者、編集者といった可能性を見出したり、価値観を広めたりする職種と相性がいいかもしれない。海外志向の強さから外国語講師もいい。

ENFPは独特なスピリチュアルな世界観を持っていたりするので、自身の持つ非日常的世界観を表現できると強い。ブロガー、動画配信者、占い師、のような相談を受けつつ持論や価値観を発信していくインフルエンサー的立場も向いているだろう。

INTP(Ti-Ne-Si-Fe)

 INTPのサラリーマン適性は技術職向きだ。だが筆者は根っから文系なので、機電系、建築系、化学系、生物系、IT、技術系公務員、アカデミックといった理系就職の解像度が低いので大した説明ができない。

しかしながら数学が不得手なINTP、なぜか文系に来てしまったINTPも実際にはいて、そういう人はきっと苦労をされていると思う。雑に営業職に配属されて、全く向いてなくて退職して引きこもってしまったINTPもある程度いるのではないかと思う。ITはINTPにハマりやすい仕事だが、すべてのINTPが当前にプログラミングをできるわけでもないだろう。

 そんな文系INTPにオススメなのはビルメンだ。最近のビルメンはIOT技術の導入が盛んで、検針や監視業務といったルーチン業務から、なぜ数値が変動したのかという分析業務にシフトしてきている。資格取得も求められるため「なぜ?」に対する好奇心と納得感は得られる仕事だろう。

他にはwebマーケティングなどはどうだろう。これも分析業務になるが、在宅勤務がしやすい仕事にもあるので、生活力が低くなりがちなINTPにおすすめかもしれない。

INFJ(Ni-Fe-Ti-Se)

 INFJは一般に仕事ができないタイプとみなされやすいだろう。特に相性が悪いのは営業職で、HSP傾向がある人の場合続かないことが多い。また劣勢Seも課題で、営業職は速さ(手数の多さ・レスポンスの速さ)が命であるため、これに劣るINFJは残念ながら向いていないと言わざるを得ない。

向いている分野も一応あり、たとえば人事業務だ。ISFJに比べて長期的視野、大局観があり、知的好奇心や向上心の高さから国家資格もゴリゴリ取ってくる。社会保険労務士、日商簿記検定1級、メンタルヘルスマネジメント検定1級、基本情報技術者などをまとめて取り、過剰戦力気味なタイプの人事はINFJかもしれない。彼らがいると組織改革を進めていくので組織が安定化・強靭化・堅牢化していく。

 ただしINFJが実際に人事になるには茨の道で、まず新卒就職活動で大企業本体の総合職に入り込み、この分野における格上存在であるISFJとの入社競争に勝たなければならない。さらに男性の場合は性別の壁も阻むだろう。

またINFJは比較的万能なタイプであるが、裏を返せば長所短所の振り分けの無駄が特に多く、何らかの仕事の特化型としてデザインされていない点が足を引っ張りやすい。INFJはINTJの知性とISFJの優しさのハイブリッドと言えば聞こえはいいが、人事業務ならテクノクラートとしてINTJが、実務要員としてISFJの2名体制で運用すれば、その方が合理的なのでINFJの存在価値は結局なくなってしまうだろう。

0点:向いていない(INFP)

INFP(Fi-Ne-Si-Te)

 社会人適性が低いとされるのは、やっぱりというか、その…少し言いづらいのだがINFPになるだろう(すみません)

筆者のタイプであるINFJはSe劣勢というわかりやすすぎる不自由感があるので、それよりもさらに生きづらいタイプというと正直想像がしづらいところがある。しかし彼らにとって自らの価値観の追求・感情表現の発露はよほど重要なようで、それを抑圧される環境・強制力が働く力場に対するアレルギーは想像以上に大きいようだ。

 たとえば営業職の場合、クロージング領域にできることは微々たるもので、マーケティングや商材が悪いとどうにもならない。他社より高価で見劣りする商材を顧客の無知に付け込んで販売したり、それを会社や上司から強制されて、毎期毎月のノルマでつるし上げられて、解約があれば懲罰……という環境はINFJ的にも辞めたくなるが、INFPはさらに耐えられないものだ。

「自分」を騙し「顧客」を欺き、需要のない商品を営業することを会社から強制される環境はINFPにとっては地獄にも等しいだろう。懲罰もさることながら、自らが社会悪に加担しているという事実もINFPを打ちのめす。

そんなINFPに向いていそうなのは、幼児教諭、特殊支援学校教員、介護施設職員などだろうか。自身の良心性を発揮して、他者の心に寄り添う仕事は適性を発揮できそうだ。またそのファンシーな世界観から、小説家・絵本作家にも向いているかもしれない。誰にでもなれるわけではないが、ネットがある現在は昔よりは目に留まりやすい。

まとめ

 今回はサラリーマン適性について16タイプ別に考察してみた。やはりサラリーマンとして働く場合、プロフィットセンター(利益部門)である営業職・技能職・現業職は避けて通れず、この職域の適性の有無が、そのままサラリーマン適性に直結すると言っても過言ではない。

しかしサラリーマン適性が低くても、最終的には何かで食っていかなければならない。だからどのタイプであろうとある程度の努力は必要になる。つらいときはポケットモンスターの四天王 カリン姉貴の名言を思い出そう。

つよいポケモン よわいポケモン そんなの ひとの かって
ほんとうに つよい トレーナーなら
すきなポケモンで かてるように がんばるべき



あるいはファイアーエムブレムの世界では、あまり強くない二軍ユニットのことをイラナイツと言ったりするのだが、筆者はこのイラナイツ縛りでプレイするのが大好きだ。なぜならおもしろいからだ。

見方を変えれば、最低限食っていけて人様に迷惑をかからなければ、後は自由に生きていたっていいわけだ。サラリーマン適性が高い人=人間的に面白い人とは限らない。あくまで一個性に過ぎないのだろう。

まあそれでもESTJは憧れる。1週間くらいならチェンジしてみたいかも。

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