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【MBTI】16タイプと早熟・晩成傾向 ①心理機能による分類

今回はMBTIのタイプによって早熟・晩成の傾向性はざっくりあるんじゃないかなぁという話です。ちょっと長いです。


早熟晩成傾向

 人間は成長のスピードにそれぞれ個体差がある。そして人間の肉体がそうであるように、精神の発達スピードもおそらく個体差がある。

もっとも、生物学的な意味での早熟・晩成については医学や発達心理学の分野になるので筆者では深入りができない。

ただし人間の場合は社会的な意味での早熟・晩成傾向もあると思っていて、そこにMBTIの16タイプや8つの心理機能はうっすら影響してくるんじゃないかと思っている。今回はそんな話です。

①競馬の場合

 生物に早熟晩成傾向があるのは畜産業界だと常識で、また競馬の世界でも常識だ。サラブレッドの寿命は25歳程度だが、新馬デビューするのは2歳、引退するのは速くて3歳頃、遅くても5歳頃には引退だ。

このため競馬ではピークタイムが短いが仕上がるのが早い早熟馬が有利で、晩成馬だと2歳GIやクラシック3賞はなかなか勝てない。馬主(オーナー)目線だと預託料という意味でもコストパフォーマンスがいい。

エリートコースだと2歳でデビューで新馬戦で勝利、オープン馬として重賞に勝利しキャリアを重ね、クラシック3冠勝利で無敗のまま引退みたいな感じになる。シンボリルドルフ、ディープインパクト、コントレイルはこの例で、そのディープとコントレイルは親子である。

②人間の場合

 競走馬に早熟晩成傾向があるなら当然人間にもある。そして競走馬で早熟型が有利なら当然人間も早熟型が有利である。

日本人は競走馬程極端ではないが、小学生や中学生の段階だと体の成長が早くてデカいヤツが強い。肉体の成長≒脳の成長でもあるので、早熟の方が知能の向上も早いだろう。また女子は男子よりも成長が早い。

小学校高学年などは割と顕著な現象で、男子は割と普通にガキなのに対して女子はしっかりしている子が多く、ませている子もいる。これは第二次性徴が始まるのが女子の方が早く、肉体的に早熟だからで、精神の発達もそれに引っ張られる部分があるのだろう。

あくまで肉体の成長速度なので最終的な伸びしろとなるとわからないが、とりあえず初期値の高さでぶん殴って勝てるのは強い。成功体験や自己肯定感を積めるしいじめられにくくもなる。その逆に早生まれはハンデになることは有名だろう。


1.MBTI視点で考える早熟・晩成傾向

 ことMBTIでもタイプによって早熟・晩成傾向は個人的にはあると思っている。これはnoteで先駆者のイブリースさんと度々話していたことで、武藤貫司さんも近いことを提唱されている。


MBTIは16タイプは8つの心理機能に根差している。肉体・精神的な早熟・晩成傾向以外にも、筆者はこの心理機能の組み合わせによって社会的な意味での早熟・晩成の傾向があるのではないかと思っている。

日本の場合年齢ごとに敷居がある。ここで成功するか失敗するかである程度既定路線が決まってくる。つまりロールモデルがあるので、これに適応するかどうかがMBTIタイプも関わってくるのでないかということだ。

①心理機能自体の早熟・晩成傾向

 8つの心理機能には、幼少期からすぐに発揮できる性質のものと、正しい知識を得て意識的に訓練しないと発揮できない性質のものがある。筆者目線でざっくりまとめるとこんな感じだ。

早熟傾向:Se(外向的感覚)、Si(内向的感覚)、Fi(内向的感情)
晩成傾向:Ni(内向的直観)、Te(外向的思考)、Ti(内向的思考)
中間:Fe(外向的感覚)
極端:Ne(外向的直観)

 たとえばSe(外向的感覚)、Si(内向的感覚)、Fi(内向的感情)は本能的な心理機能なので子どもでもすぐ使える。だからコレを持っている子どもは両親や教師からの印象が良かったり、スポーツで頭角を表したりとアドバンテージを取りやすい。いじめ避けにもなるだろう。

一方でNi(内向的直観)、Te(外向的思考)、Ti(内向的思考)などは、正しい知識を得た上で意識的に努力・訓練しないと伸びない。生まれたばかりでは使えないし、社会的にも要求されるのは中学校以降になる。高レベルで発揮するには研鑽が必要になるので晩成傾向になりそうだ。

Fe(外向的感覚)はちょうど中間だろうか。他人や社会集団との距離感を推し量るのは少しかかる。ただ知識ではないので小学生でも理解する。Ne(外向的直観)は早熟 or 晩成に振り切れている印象だ。これがあると幼少期は好奇心旺盛な子になるし、逆に極めるとなると際限がない。

②ロールモデルとのマッチング

 また人間は年を取るので人生にはロール(役割)がある。子供らしい・若者らしいというような「年相応」のロールがあって、大人になれば男性(女性)らしいというジェンダーのロールも加わるだろう。このロールと心理機能が噛み合っているとアドバンテージになる。

たとえばSeユーザーは活発に動き回りってよく遊ぶし、Fiユーザーは素直で好き嫌いが分かりやすいので、「子供らしい」イメージに沿うため好印象だろう。加えてSe・Fiは本能であるため知識・経験が不要で、幼少期から無意識に発揮もできるのでこの点も強い。

一方でNiユーザーは表情に乏しくぼんやりしたところがあるし、Teユーザーは他の子に優位性を示そうとするので「子供らしく」なく印象が悪い。加えてNi・Teは知性的なものであるため知識・経験が必須で、さらに意識的に使わないと伸びないため、幼少期では扱えない点も弱い。

③敷居の存在

 人生は幼年期、少年期、青年期と成長するにあたってタームが移行していくわけだが、各タームの境界には敷居がある。その敷居をうまく跨げるか否かで人生の成功度合いが変わってくるのだが、敷居はその都度評価されるポイントが違うという特徴がある。

敷居を乗り越えるためには一定の能力・適性が必要になる。だからその敷居で求められる適性と、強みとする心理機能が噛み合うととそれはアドバンテージになる。

6歳:小学校入学 運動神経・早熟性・愛嬌(子どもらしさ)
12歳:中学受験 算数適性・親の経済力
15歳:高校受験 評定平均・授業態度
18歳:大学受験 数学適性・外国語適性
22歳:新卒就職 容姿・学歴・コミュ力
30歳:結婚 容姿・年収・社会的地位


たとえば小学校は運動神経、中学高校はコミュ力、大学は容姿や外向性、社会人は出世や経済力という形で、求められる要素が人生のフェイズによって異なってくる。

新卒就職は高卒なら18歳、大卒なら22歳と年齢で決め打ちされているので、この段階までにコミュ力を完成させ、友情・恋愛・遊びを完了して仕上がった人(=早熟型)が成功しやすい。総合的には30歳でほぼ完成とみなされるので、この時点で人生の可能性はある程度閉じたものになる。

だから全体として早熟傾向の人の方が強い。人生は新卒就職活動時に全盛期(ピークタイム)を合わせられる人の方が成功しやすいからだ。上の競馬の例なら、2歳で新馬戦を制してG1レースで勝ち上がる馬と同じだ。

22歳までにコミュ力を完成させ、友情・恋愛・遊びが完了しなかった「仕上がらない人」(=晩成型)は、才能・若さ・入社企業というパワープレイに頼った人生は難しい。地道な能力向上を前提とした運ゲーになるので、努力の積み上げは当然として時にギャンブルも必要になると思う。


2.MBTIにおける早熟型

①MBTI的に「早熟な人」とは?

 これを踏まえると、①早熟傾向の心理機能を持っている人 ②「子ども」「若者」のロールモデルに適合する人は、幼少期にブーストがかかるのでアドバンテージを発揮しやすく、若い頃に活躍しやすいと思う。その流れで人間関係や就職活動もうまくいきやすい。

これをMBTIタイプで表すならばSe・Si・Fiユーザーということになる。競争を求められる男性の場合、子どものうちはSe・Si・Fiユーザーが安定して強く、大人になってからはTe・Ti・Niユーザーが伸びてくると思われる。

②早熟タイプは安定感が強み

 早熟タイプは安定感が強みだ。生まれてすぐに自分の長所を発揮できるために個性や得意分野を獲得しやすい。加えて「子ども」「若者」のロールモデルに適合し、受験・就活・結婚といった敷居で評価されるポイントとも噛み合っているので無駄がなく、要求される努力量や困難が少ない。

また人生の早期に活躍ができるということは、補正が強くヘタれないのも強みである。子供時代は能力格差や経済格差、社会的地位や大人のしがらみがまだないのであまり差が出ない。運動神経のいい男の子、天真爛漫な女の子は誰から・どの環境でも好かれやすく、普遍的に強い。

素の状態でもそれなりの成功体験や思い出も獲得でき、友人や恋人といった人間関係もそこそこ充実するので大人になった時のやり残し感がなく、こじらせることも少ない。20歳くらいまではなんとなく生きていても初期値の高さでスムースに人生が推移するのではないかと思う。

結果として30歳くらいまでにはそこそこの企業に就職して、結婚も済ませて収まっていく印象はある。意外性や世界観の広がりはあまりないが、「子ども」「若者」という土台がしっかりしている結果、「大人」をしっかりやれている人は多そうだ。

③早熟型のデメリット

 弱点としては早熟であるがゆえに価値観が狭く、老害化しやすいことだろう。理由は加齢・老化の影響を受けやすいからだ。就職・結婚を迎える30歳までは強いが、その後は今まで築いたアドバンテージ(年収・人脈・社会的地位)に頼って生きていくことになりやすい。

感覚や運動神経、記憶力といった先天的資質や、動作性IQ・流動性知能に対する依存度が高く、老化の始まる30代半ば以降になると息切れしやすい。スポーツのように年を取るとできないことが多く、世界観も狭いため壮年期にさしかかると老害化することもある。

心理機能の発達が補助機能で止まりやすく、経験値稼ぎをしないことで知識や価値観のアップデートが行われにくいため、マネジメント・教育者には向かない。しかしストレスや不自由感を感じにくい点は強みだ。いずれ引退が必要になるが、結果として精神の色相や健全性は保たれやすい。

それゆえ屈折した大人になりにくい点は大きなメリットで、相談や問題解決に関わらなければいい人だろう。在りし日の武勇伝や内輪関係に執着しやすい面はあるが、やはり若い頃に成功体験を築き、遊びを済ませたことは大きな財産(レガシー)だと思う。


3.MBTIにおける晩成型

①晩成傾向

 晩成傾向を持っている人はこの逆で、①早熟傾向の心理機能を持っていない人 ②社会から評価されるエイジロールに適合しない人で、若年期における能力ブーストがなく、アドバンテージを発揮できないため若い頃は苦労しやすい。この指標で言うとNi・Te・Tiユーザーということになる。

②晩成型は振れ幅が大きい

 晩成型の能力の高低や人生の成功度は振れ幅がかなり大きい。Te、Tiは正しい知識やロジカルシンキングが前提となるし、Ne、Niは見聞の広さ、見識の深さが肝となるため最終的に膨大な知識量が要求されるためだ。

つまり勉強によるインプットと、思考によるアウトプット、および抽象的思考の訓練が前提になるのだが、いずれも感覚的(無意識的or受動的)ではなく能動的に使わないと伸びない。ゲームでいえば意識的に経験値稼ぎ・レベリングが要求されるキャラといえる。

物心が付く頃には使えているSe、Si、Fiとはここが異なる。Te、Ti、Ne、Niはに過ぎず、知識というを注いでいかないと機能しない。基本的には言語性IQ・結晶性知能で戦っていくことになるので、後天的学習や努力をサボると強くならない。だから能動的に考え勉強する必要がある。

特に直観型の場合、Neならブレインストーミングの渦の大きさや速さを高めるられるかだし、Niなら樹木図ならどれだけ太く・大きく・緊密に形成できるかどうかで能力が決まってくるので、日常的な思考訓練は欠かせない。

③晩成型のデメリット

 前段に関連して、晩成型は成功した時とヘタれたときの差が激しい。INTJを想像すればわかりやすいが、成功すれば敏腕コンサルタント、失敗すれば無職である。本領を発揮できるのは壮年期以降なので成功・失敗の振れ幅が極端すぎるのだ。

早熟型のFi+Se持ちが子ども時代に皆愛されるのに対して、晩成型のTe+Ni持ちは社会的・経済的に大成するとは限らない。能力が高くても潰される、機会に恵まれないというのはいくらでもある。運やタイミングも絡むのは早熟型と変わらない。

いずれにせよ不確定要素が多すぎるのでその時にならないとわからないだろう。しかし晩成型のデメリットはピーク時期が30歳以降にあることで、少年期や青年期ではまだ完成しないことだ。そのため青春・新卒就職・結婚という人生の敷居で失敗しやすいかもしれない。

本人のスペック次第なのは百も承知だが、Te、Ti、Niユーザーは「子ども」「若者」のロールを備えていないので出遅れやすい。そして友情や恋愛は大人になってから体験するのは難しく、ゆえに「大人」もおぼつかない人は多い。晩成型にはそもそもロール自体がなく、地力で戦っていくしかない。

④精神的負荷が大きい

 晩成型は出遅れた分を取り返そうと必死に努力や能力開発行うので、代替機能・劣勢機能の開発が促進される。しかしその代償としてストレスや不自由感が過大となるために色相が濁りやすく、不健全状態になりやすい。

そのため晩成型は言っていること自体は的確だが、どこか欠けた人・屈折した大人になりやすいのかもしれない。そしてせっかく能力を高めたとしても30代以降は階層身分が決まってしまった後なので、評価される機会や場所がないという状況にもなりがちだ。

たとえばINFJが人事やカウンセラーに向いていて、本人がそれを自覚していたとしても、30歳を過ぎてこれらの職種に就けることはほぼないといった感じだ。あるいは後悔の残る青春時代をやり直せるわけでもない。こういった理想と現実のギャップは常に晩成型を苦しめその精神を歪ませる。

ただしそれは他者との関係性や社会における客観評価の話であって、あくまで「自分としてどう生きたいか」という主観評価になると話は別だ。だから晩成型には引退という文字はなく老害化はしにくい。思考活動を停止するのはそれこそ身体の自由や自我がなくなった時だろう。


まとめ

 今回はMBTIにおける早熟・晩成傾向について述べてみた。実はこれは前置きで、16タイプごとの早熟晩成傾向は別記事にて書いてみたいと思う。

ざっくり言うと、ESFP・ISFPは早熟逃げ切り型で、INTJ・ENTJは晩成追い込み型みたいな感じになったのだが、長くなってしまうのでいったんここで切ります。

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