【文系向け】食いっぱぐれたら取っておくといい資格【無い内定】
今年も早いものでお盆を過ぎて残暑となった。暑すぎて、というより最早熱すぎてまったく気配すら感じないのだが、8月7日は一応立秋なので暦の上では秋である。秋と言えばヤルことはひとつ、勉強だ。特に10月11月は一年の中でも資格試験の集中するシーズンとなる。
8月9月は資格を勉強し始めるには割と向いているシーズンだろう。夏休みでヒマしてる大学生、内定や公務員試験に一段落した大学生、あるいは落ちた大学生等、それまで打ち込んできた結果が出揃って一段落という時期になるからだ。もちろんサラリーマンもお盆を明けて仕事頑張ったり、転職検討したりとなんかと動きのある時期だ。
そんなわけで今回は、生き馬の目を抜く現代社会において「転ばぬ先の杖」となるかもしれない資格について、比較的気軽でコスパが良く、取っても落ちても損がなさそうなものをピックアップしてみた。
なお筆者は29歳までフリーターをやっていた割とギリギリ人生なのだが、現在は正社員で一応人並みの生活をやっている。ただし以下に書かれていることは文系のハナシになることをご留意いただきたい。理系や専門卒はまた違ってくる。
1.語学系資格(英検,TOEIC,TOEFL等)
まあ何にはともあれ、語学系スキルは大事だろう。2024年現在においてこれはもう常識であって疑いようがない。
といいつつ、筆者がお留守になっているためあまり詳しくは語れない。だがやっておいた方が絶対によかったと激しく後悔しているものが3つあって、それは英語・数学・情報処理だ。数学はともかく、英語と情報処理は受験が終わった後でも勉強が可能で、また役に立つのでやった方がいい(といいつつ筆者はやっていないのだが)
メリット:待遇のいい企業に入りやすい
新卒就職の場合、外資はもちろん国内大企業本体(いわゆるJTC)を受けるときは取っておいた方がいい。ビジネスモデルとして外需を獲得する企業の場合、国外の相手方とやり取りをしたり、場合によっては出張、あるいは駐在員として派遣することはありうるため、やっておくと後で役立つ。
そうでなくても英語は一般教養として扱われているスキルなので、大企業本体で働く場合、使う場合も使わない場合も要求されることが多い。新卒ならTOIECのスコアが、中途採用なら英語で業務を行った経験が、事実上の外資や大企業への挑戦権となっている。
そしてこの「外需を獲得できる企業」(外需企業)であるということが、一定以上の待遇を得るための原資となる。つまりいい待遇を得たいならドルで利益を獲得できる企業に入社することが前提になる。内需のみだとこの点かなり厳しく、多くはサービス業(労働集約業)になるため待遇はかなり下がってしまう。
年収を手っ取り早く上げたいなら大企業に入ることで、その大企業に入るための前提条件が外国語となっている。外貨を稼げる企業、外国語を使える人材というのは、今の日本においてひとつの階層となっていることはよく認識をした方がいい(後悔)
Q.なぜ待遇格差が開くのか
外需企業と内需企業の待遇格差が開く理由には、商流や商材需要というビジネスモデルの面もあるが、為替相場の影響が大きい。知っての通り日本は長いことゼロ金利政策を行っていたが、アメリカをはじめ先進国ではコロナ後の需要拡大に対応したインフレ抑制策として、長期金利を引き上げる金融引締政策を実施している。
これがどう生活に影響するかというと、仮に1ドル=100円なら、年収500万円の人は5万ドルの暮らしができる。ドルでもらって円に換算しても同じだ。しかし1ドル=150円なら、年収500万円の人は3,3万ドルの暮らししかできない。一方年収5万ドルの人は750万円の暮らしができるのだ。
この長期金利格差が円安となっている一因なのだが、日本は慢性的に赤字国債を発行し続けてきた経緯があり、官公庁の国債・公債残高の対GDP比率が突出しているため、長期金利を上げたくても上げられないのだ。スマブラでいう吹っ飛びゲージが250%以上振り切れているのが今の日本だ。
一時期1ドル160円を超える円安となったが、内需企業はドルで収入を得る手段がないので非常に厳しくなる。財・サービスの価格がコストプッシュインフレで上がる一方で、内需企業の賃金の上昇は抑えられるため事実上スタグフレーションと同じような状況になる。原資となる利益がないため給料を上げたくても上げられないのだ。
2024年8月現在では、日銀がようやっと重い腰を上げて事実上の利上げを行い、アメリカの雇用統計の下方修正が明るみとなり、リセッションが濃厚にとなったことからFRBの利下げ観測がいよいよ現実味を帯びる。だから短期的には円高に向かうと目されるが、その後は分からない。
でも筆者みたいな万年低空飛行マンですらFXをかじってお小遣いを錬成しているご時世に、内需しか稼げない企業が経済的弱者であるのは誰の目から見ても明らかだろう。だから英語はやるべきだ。
メリット2:公務員試験にも使える
この語学系資格(英語力)は公務員試験においても猛威を振るう。下手すると、教養試験のみの自治体などは英語と数学ができるだけで無勉強で通ってしまう可能性すらある。
国家公務員系試験は教養試験のみならず、専門試験でも英語が選択科目として出題されるため、これが解ける人は合格までの勉強時間を大幅に圧縮できる。勉強開始から半年で国家総合職試験や国家一般職試験などの難関筆記試験に受かる人は、その多くが英語で点数を稼げる人だろう。
だから公務員試験を受けるか迷っている人は、とりあえず英語の勉強をやっておいて、後から公務員試験用の勉強を始めるというのも有効だ。この点、英語を回避して社会科学系・人文科学系で取ろうとするとかなりマニアックな問題が出されるので運要素・やり込みが必要になる。
2.基本情報技術者試験
基本情報技術者試験はPG(プログラマ)やSE(システムエンジニア)、NE(ネットワークエンジニア)を目指す人の登竜門的資格で、IT系企業(システム開発・サーバー運用・webデザイン)といった各職種を目指す人は取っておいて損のない資格だ。…といいつつ筆者は機械音痴なのでこれも知らないのだが。
これらの職種に就く人は、もともと情報系学部で学んでいたり、親の影響などでこれらのスキルを持っていたり、アルバイトで習得していたりすることも多いため、そもそもが完全な素人である場合が割と少ない。なのでそういった環境のないガチの文系がIT系を目指す場合、これは学習しておいた方がいいだろう。
筆者は、どうせプロフィットセンターでしか働けないのなら、営業職よりもIT系職種の方が断然オススメと考える。理由としては、ポータブルスキルゆえにキャリアの可能性が大きく、移住したり副業したりとライフスタイルの自由度が高いからだ。将来性も高いだろう。
もっともこの資格を取ったからといって、PGやSEができるわけでない。理論書を読んだりセミナーに出たりして、役に立ちそうな理論やソースコードの勉強、知識のアップデートは常に必要で、効率よくやるならできる人からパクった方がいい。若ければ職業訓練に通うというのも手だ。
だが入り口としては役に立つ資格ではあるし、取得して評価されるかはわからないが下がる資格ではないので、取って損はないことは確かだ。
メリット:どこでも住める
メリットとしてはIT系職種に入門しやすくなるメリットがある。ガチの開発系以外では、ネットワーク運用、Webデザイン、マーケティング、社内SE(情報システム部員)といった派生職種にも経験が活きるので、使いつぶしが効きやすい。
ITのメリットは「働く場所を選ばない」という点だ。在宅勤務をやりやすいため通勤時間の無駄が少なく、完全在宅勤務なら田舎に住むこともできるので住居費や生活コストを大幅に下げることができる。たとえば東京に住んでる人が名古屋に引っ越して同じ仕事をするだけで可処分所得は月5万円くらい上がる。…まあ別にITに限った話ではないのだが。
またフリーランス案件、ソフト開発、アフィリエイトブログの運営など副業収入も稼ぎやすい。noteユーザーとは割と相性のいい資格だろう。
3.宅建士試験
宅建士試験は宅地・建物といった不動産の売買や仲介を行うために必要な 「国家資格」となる。国家資格ということで独占業務が与えられており、この場合は上記の不動産売買や仲介がそれにあたる。具体的には宅建業法35条の重要事項説明はこのライセンスを持っている人ではないとできない。
この資格は営業系の資格であり、その用途はもっぱら不動産取引となる。営業系というのが良くも悪くもミソだ。ただし営業と言っても、デベロッパー・用地仕入、売買仲介、管理(PM・BM)とある。
用地や売買仲介はブラック上等の実力主義、管理は薄利多売の微妙なブラックとなる。デベはエリートで新卒しかほぼなれない。ガチで挑戦するなら陽キャ生活しながらハナホジしつつ片手間で取れるレベルでないと話にならないだろう。
メリット:とりあえず職には就ける
まずいい部分は、営業職は離職率が高いため、学歴不問・経歴不問で誰でもウェルカムである点だ。裏を返せば筆者のような経歴や素性がアレな人でも入り込みやすい。ただし大なり小なりブラックではあるので続くかどうかは人による。ともあれ管理ならまあ。
筆者はブルーカラーとして働きながら、ヒマを見つけて資格を取りまくって今に至る。今の仕事に向いているかどうかはともかくとして、とりあえずコレで飯を食えており餓氏しないで済んでいる。
だから、就職できねー!できねー!このままじゃ餓氏しちまう!あばばばば!!という進退窮まって首が回らない人はコレ取ればとりあえず飯は食える。筆者の場合はブルーカラー経由で来たのでまた違うのだが、たぶんコレ取って直接面接行ってもまあ行けると思う。だってブラックだし
違う使い方としては、女性事務員がこの資格を取って重説要員となるパターン。車も運転出来れば内覧もできる。この場合は非営業職なので長く続けられるだろう。
メリット2:法学部生・公務員試験崩れの食い扶持
宅建士の試験は「宅建業法」「権利関係」「法令上の制限」の3つのジャンルが出てくるが、権利関係は民法と借地借家法がメインのため、法学部生や公務員試験受験生なら割とお馴染みな論点が出てくる。個数問題・重箱問題が多くて多少悪辣だが、やってた人は手癖で何とかなるだろう。
また宅建士の知識は他の不動産関連資格にも使い回せるものが多い。管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士、マンション管理士、不動産鑑定士、土地家屋調査士などだろう。
管業と賃管は宅建と然程難易度変わらないのでヒマを見つけて取ってしまうといい。この3つ持っておくと会社から「資格取れ!」とは言われなくなるので楽だ。マン管は名称独占資格なので分譲マンション管理会社の社員向け。後ろ2つは難しいので趣味ややり込みの領域になるかもしれない。
4.日商簿記検定二級
日商簿記二級は帳簿記入(Book keeping)の流れを体系的に学ぶ技能検定資格で、経理系職種の登竜門となっている。二級の場合、伝票記票や決算整理仕訳、清算表記入といった商業簿記分野と、原価計算やCVP分析といった工業簿記分野を学ぶことになる。
これをやった方がいい人は金融業界を志す学生、経理志望の学生、国税専門官(税務署員・国税局職員)を目指す公務員試験受験生だろうか。
メリット:経理職への登竜門資格
事務職に就きたい女性は最優先で取得するべき資格となる。営業職をやりたくない文系女性は予備校に通い、コレを最優先で取ることを推奨する。これだけで人生難易度が大幅に下がる。(文全体を全て黒塗りにするくらいの勢いでオススメ)
男性の場合、これだけではパンチが足りないことが多い。この資格を取ったところで経理職になれる人は一握りだろう。男性で総務・人事・経理といった管理部門職になれるのは配属ガチャの当たった超ラッキーボーイであり、実務経験のない社労士だの簿記一級だのはハナクソ程度の扱いでしかないからだ。
ただしロールモデルがまったくないでもない。それは事業会社でなく税理士事務所を経由するパターンだ。ただし税理士事務所は最低賃金レベルの薄給激務となるため、若くないと低賃金で厳しくなる。そして税理士事務所自体も若くないと採用されなくなるので、マジで税理士試験を目指しているガチ勢でないとお勧めしない。勤続3年働いてから事業会社に移るにしても現実的なのは20代までだろう。
5.FP検定2級
正式名称はファイナンシャル・プランニング技能検定2級という。ライフプランニング、保険商品の知識、年金の知識、為替・株式の知識、各種税金と特例、不動産関連法令などを浅く広く学ぶ感じだ。
メリット:保険業界を目指すなら
この資格を取るメリットがある人は、損害保険会社、生命保険会社といった保険業界を目指す学生だろう。これも代理店なら誰ウェルだが、本体(特に損保)は新卒限定のエリートとなるので、陽キャがハナホジで取る類の資格となる。
ちなみにこの資格を転職サイトやエージェントに登録すると、保険代理店営業の営業職の募集がアホみたいに来る。本当アホみたいに来るので、この仕事を考えていない場合はチェックを入れない方がいい。これは宅建士の免許でも同じことが言える。
別の使い方としては、経理志望者が日商簿記二級+アルファとして履歴書に書いておくパターンがある。簿記の上位資格には日商簿記検定一級があるが、ボリュームや難易度が簿記二級とは桁違いで、凡人がやると多分2000時間くらいはかかる。
そもそも経理職に就けるかどうかわからない、特に大半が就けない男性の場合。そこまでやるのはギャンブルになってしまう。しかし簿記二級だけではパンチが弱い、という人はコレを取っておくとよい。
またこの試験は宅建士試験と内容がそこそこ被る。なので宅建のついでに受けるか、その前哨戦として受けるという方法もある。
番外1:普通自動車免許
正式名称は普通自動車第一種運転免許となる。普通の乗用車を運転するための免許だ。学生時代に取得する人も多いだろう。
灯台下暗しだが意外と重要な資格で、特に外回りすることになる男性はこれを持っておくと選択肢が広がりやすい。都市部に住んでいると恩恵が薄いが、たとえば郊外のニュータウン地域を受け持つ場合、あるいは地方転勤になった場合は必須となる。ここらは専ら車社会だからだ。
運転免許にはMTとAT限定(笑)があるが、現行の営業車は99%がAT車であるため、建設業界で軽トラを運転するわけでもなければAT限定(笑)で問題ない。筆者もケチったのでAT限定(笑)だが問題ない。
技能については、都内の首都高速C1をハイエースで走れる程度が望ましいが、埼玉・千葉・神奈川あたりのバイパスをプロボックスやADバンで走れる程度でも問題ないだろう。なければ自家用車を借りるか、軽自動車を買って慣らし運転をするといい。要運転の仕事に就けばそのうち嫌でも慣れる。
番外2:第二種電気工事士試験
文系向けなのにアレ?と思うかもしれないが、第二種電気工事士は就職直結の良資格となる。この免許があると低圧(600V以下の屋内工事に限る)電気工作物の工事ができるようになる。
結構手広くできるのだが実際には、本職の電気屋、盤屋、工場作業員、消防設備士、ビルメンなど棲み分けがなされていて応募可能な職種が多い。筆者は公務員試験に落ちた後、この消防設備士・ビルメンで食いつないでいた時期があるし、何なら営業イヤになったらまた世話になる可能性もある。
男性の場合は管理部門職に就くための有効なルートやロールモデルが確立されていないので、女性と違って日商簿記検定2級を取って経理職、社労士を取って人事職にねじ込む方法が使えない。宅建士を取る方法もあるがこれは営業職となるため、営業を絶対にやりたくない人は取得する意味がない。
そもそも男性は女性よりも職業選択の自由が著しく狭い。そのため営業職を回避すると応募可能な求人案件が極端に少なくなってしまうため、餓氏のリスクが割とマジにあって、シャレにならない。
そういう人たちがとりあえず糊口をしのぐ兵糧的資格として、先の普通自動車免許と第二種電気工事士はオススメだ。車が運転出来て免許もって居ればとりあえず最低限の作業人工にはなるので就職できるというわけだ。
何を隠そう筆者も世話になった。不器用で明らかにセンスがなかったので今は別の仕事に就いているが、餓氏しなくて済んだのはこの資格のおかげだし、なんだなんだで結構楽しかった。
まとめ
以上比較的気軽でコスパが良く、取っても落ちても損がなさそうなものをピックアップしてみた。最初の語学系資格と情報系資格は実はあまり知らないが、残りは大体取得・経験した上で書いているのでそこそこ血の通った記事になっているだろう。
特に文系男性の場合なのだが、期待されるロールモデルがもっぱら営業職であるため、総務、人事、経理、公務員試験といった「学力・勤勉性・貢献性が活かせる仕事」はほぼすべてが女性優遇職であるという厳しい現実が存在する。
そんなわけで、営業職が合わなかった、あるいは新卒で内定がもらえなかった男性は、リアルに餓氏のリスクが跳ね上がってしまう。しかしここに書いてある資格であれば、無職や学生なら3か月程度、正社員として働いている人でも半年程度で撮れて、実際にリスクヘッジになる可能性が高い。
実際筆者29歳フリーターという状況に直面し、これで食いつないできたわけで、現在でも普遍性のある方法と思う。参考になれば幸いだ。
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