芸術家

私の男は芸術家だ。
繊細で、素直で、不器用。

女心がなんとも解らず、いつも私を悩ませる。
悪意はない。

私の友達は言う。

芸術家を生きているうちに評価しようとするな。大抵の芸術家は死んでからありがたみがわかる。あんたよりも早く死ぬんだから、墓前で泣いてやれ。    と。

私より早く死ぬなんてとんでもない。
でも、多分あの男を残して私は死んでも死に切れない。

あの男には私より早く死んでもらおう。
そしたら私が墓前で泣くわ。新しい男を連れて。

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