【美女と税金】税金のために全裸になった伝説の美女と傾国の脱税美女
みなさん甘いもの、デザートは好きですか?
私はスイーツよりお酒に夢中。なので、普段は甘いものを口にしたり、お菓子屋さんに立ち寄ることは滅多にありません。ただ、お世話になった方や友人に渡す“ちょこっとプレゼント”を用意するために、デパ地下をウロウロするのが趣味なんです。限定品や季節の包装がとても豪華で可愛いので、テンションが上がっちゃいますよね
必ずチェックするお店があります。それは【GODIVA】
限定チョコレートやケーキは本当に可愛くて、どんな方にプレゼントしても、大変喜ばれるのでオススメです。
ところで、この【GODIVA】の名前の由来、ご存知でしょうか?
「長い髪をなびかせ、全裸で馬に乗る女性」
GODIVAのロゴマーク、見覚えがある方も多いのではないでしょうか?
このロゴは、レディ・ゴダイヴァ(Lady Godiva)という、実在した女性の、ある有名な伝説がモチーフになっています。そのエピソードがゴディバのホームページにも紹介されています。
時は11世紀のイングランド、 レディ・ゴダイヴァの伝説は、中部マーシア王国の小さな町コヴェントリで生まれました。レディ・ゴダイヴァの夫でありコヴェントリの領主レオフリック伯爵は、この小さな町を豊かで文化的な都市へ発展させたいと願っていました。
そのために、数々の壮麗な大修道院を建設して、宗教的にも、社会的にも中心になる!という野望がメラメラ燃え上がります。公共の施設を次々と造るのですから、お金が必要、その原資はもちろん税金。あらゆるものを課税の対象にして、領民はその重税に苦しんだそうです。
それに心を痛めたのが心優しく、美しい妻のレディ・ゴダイヴァ。
貧しい領民をこれ以上苦しめないで、と伯爵に税を引き下げるよう願い出ました。しかし、伯爵はそれを断りました。ところが、彼女は何度も訴えます。ついに逆ギレした夫の伯爵、彼女を黙らせるために「もしおまえが一糸まとわぬ姿で馬に乗り、コヴェントリの町中を廻れたなら、その時は税を引き下げて建設計画を取り止めよう」、まさにクズすぎる条件を突きつけたのです。
裸で市中引き回しですから、相当悩んだことでしょう。ただ翌朝には、彼女は夫の出した条件通り、裸で町を廻ることを決意しました。当然、このような羞恥プレイを領民に見せるわけにいきません。そこで領民に「この時間は家から出ず、決して外を見ないでほしい。」とお願いしたとか。
それを聞いた領民たちは、領主夫人の勇気ある行動に感謝し、その姿を決して見ないよう、窓を閉ざし、通り過ぎる蹄の音を聞き入り、敬意を表したそうです。
本当は見たかったですよね・・・
そして、妻が無事にやり終えたことを見届けた伯爵は、約束通り税を引き下げたのです。
ゴディバの創始者は、このレディ・ゴダイヴァの勇気と愛に溢れた行動に感動して、1926年、ベルギーで誕生した自らのブランドに「ゴディバ」の名を冠したのです。
この美しい伝説は、時代を超えて、数多くの絵画やアートのモチーフになっています。
ジュールジョセフルフェーブル「レディ・ゴダイヴァ」
縦6メートルを超える超大作です!
ジョン・コリア「レディ・ゴディバ」1898年
どちらも一糸まとわぬ姿で、長い髪で自身の胸を隠し、目をつぶり、うなだれ、恥辱を受けている、ある意味、ちょいエロな健気な女性が描かれています。その他にもレディ・ゴダイヴァをモチーフにした、数々の美術品が生み出されました。
全裸の美女、というだけで芸術家の創作意欲を掻き立てるのは理解できます。
ただ残念ながら、この伝説は真実ではない、というのが歴史家の見解だそうです。
西洋の歴史や芸術に造詣の深い、作家の中野京子さんの著書「美貌のひと2」(PHP新書)の中で、当時の時代背景について、解説しています。
領主が指示した「裸で街へ」というのは、シャリヴァリという当時の風習にヒントを得たようです。シャリヴァリというのは、例えば売春や不倫、あるいは犯罪を犯したけれど、裁判をするに至らないような罪を犯した男女が、道の真ん中を歩かされて、その道の両側から民衆が鍋などを叩きながら罵声を浴びせあざ笑ったそうです。特に女性は、さらなる恥辱を与えるために、ハダシにしたり下着姿にされたそうです。
レディ・ゴダイヴァの伝説が生まれた時代は、全裸そのものが裸でなく、実は靴や羽織ものを脱いだだけでも十分「裸」の状態であったそうです。ですが、画家にしても、買い手にしても、それではイマイチパンチがない、そこでいっそ「全裸にしちゃえばいいじゃん!」というのが真相のようです。
ちなみに、この時代のヌード芸術といえば、神々やヴィーナスがモデルでした。
ただ、このレディ・ゴダイヴァの伝説によって、人間の女性が全裸になる、これが刺激的だったのでしょう、今までにないエロスの表現ということで、話題になったんだと思います。
余談ですが、この伝説にはさらなる登場人物を生み出します。
ピーピング・トム
レディ・ゴダイヴァが馬で街中を歩くとき、街中皆が、ゴダイヴァ夫人の姿を見てはならない、と窓を閉め切ったはずなのに、どうしても見たい!という衝動を抑えきれず、仕立て屋のトムが裸体をのぞき見してしまったそうです。男性ならこの気持ちわかりますか?
ここから、ピーピングトム=覗き魔という言葉ができたんだそうです。
美談になんとお面白いオチがついてました! 海外で「You are TOM! Yeah!」なんて言われても、全然褒められていませんからね!
ちなみにこのピーピングトム、日本では「出歯亀」と訳されますが、出歯亀とは明治時代に実在した覗きの常習犯で、殺人まで犯している犯罪者です。チラ見しただけのトムが、なんだかかわいそう。
伝説発祥地イングランドのコヴェントリーの街には、レディゴダイヴァの像や、時計台には裸で馬に乗る夫人と、のぞき見してるトムが飾られています。
さて、美女と税金、二人目の美女は、中国が生み出した傾国の美女!
ファン・ビンビン
ただ、レディ・ゴダイヴァとは真逆の、ダークビューティーです。
アイアンマン3やX-MENなど、ハリウッド映画でも大活躍していた中国の大スター、ファンビンビンが2018年、約23億円の脱税をしたというニュースは記憶に新しいと思います。ここからは、ヤフーニュースで流れた記事を元にお伝えします。
まず手口としては「陰陽契約」という、いわゆる“裏帳簿” 税務申告で提出する「陽契約」とは別に、裏金のやり取りは「陰契約」として、税務当局にバレないよう契約を結んだそうです。まさに脱税の王道パターンとも言えますが、美女がゆえ、多額の金銭の動きもあり、国が絡んでいたのではないか?と、勘ぐってしまうほどの大事件になりました。
ちなみにファン・ビンビンは、2017年、米誌フォーブスの中国の高額収入セレブリティの1人として、ジャッキーチェンに次いで堂々の第2位、その収入は約49億円と紹介されています。
この収入は陽契約による収入ですから、陰契約の収入を含めれば、倍以上の収入はあったことでしょう。それを丸々、脱税していたわけですから、今まで見逃されていたほうが不思議です。
ちなみに中国では、芸能人の所得を役務報酬所得というそうなんですが、サラリーマンの給与所得に比べて税金がかなり優遇されているらしいんです。そうした不公平感もあり、ファン・ビンビンの悪質かつ多額な脱税に、国民から強い批判が集ったのは当然とも言えます。
その後、150億円を超える重加算税や、延滞税が課せられたそうです。23億円の脱税に対して、150億円の追徴税額、額が!!ちなみに、現在は女優に復帰するとの報道が出ています。
それ以外にも、近年「腐敗した中国の芸能界」として、続けざまに芸能人たちの脱税が暴かれています。どれも驚くほどの金額なのですが、ただこれを中国の上層部が捕捉していないわけがない!?とも思ってしまうのです。こうした事件の背景には、中国国内の政治闘争や、何かしらの思惑があるかもしれません。
さて、本当か嘘かは分かりませんが、美女は、そうでない人に比べて年収が10%以上高いと言われているそうです。また、イケメンも、そうでない人に比べて生涯年収に相当の開きがあると、とある経済学者が唱えています。もちろん、こうした論説は差別とも言えますが、一方で「人は見た目が9割」といわれるのも事実です。
年収が高いということは、税金も高くなります。高い税金を少しでも減らそうと、様々な節税に手を出します。それが行き過ぎると脱税。こう考えると、美女と税金は切ってもきれない縁なのかもしれません。
全裸という恥辱を受けつつ市民を救った女神、そして傾国の脱税美女。どちらも、税金を通じて、美女であるが故に、歩まざるを得なかった物語なのかもしれませんね。
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