見出し画像

2022年3月、華村灰太郎カルテットのツアー

旅終わりました。
まさかの一番離脱、八幡山になるとは。都営直通で帰られる本八幡は便利だ。

旅のライブの私感をまとめて。

3/26豊橋ハウスオブクレイジー

 今回のツアーカー

初日のワンマン。前のツアーで初出演してからまだ3ヶ月。 サウンドの作りに少し苦労。お店のマスターはこんなバランスの難しいバンドの音作りに苦心してくださる。tubaの音は少し硬めで掠れている。ライブ進行が少々だらだらして集中力を保つのが難しい。長いMCが辛くなる。もっとしゃきっとしたい、というのが自分のプレイを守りに走らせたか。どうしてもベースレスの編成が気になりベース役にまわってしまう。サクッと終われずズルズルエンディング。自分が客だったとしたら好きではない展開になってしまった。あまり乗り気になれず、打ち上げは一人辞退。ホテルの部屋で一人晩酌。

マスクしてるワニ

3/27茨木ジャックライオン

ジャックライオン

レコーディングライブをした思い出の場所JL。特別であるし特別扱いをしてくれている。お客のノリも良いが店主眞柴さんの心遣いや意気込みがたくさんいるスタッフにも染み渡っている。昨日の感じを個人的に打破するためにも「ベース役はやらない」とメンバーに宣言。いや別に誰にも頼まれてないのだが。意思表明の問題つまり自分の問題。対バンにお店スタッフのバンドありのツーマン。我らは後。昨日と打って変わってシャキッとしている。といっても灰カルなのでグニャグニャだが。それは味。いい瞬間がたくさんあった。ベース的な事もするけど、そうじゃないほうが自分はというよりもバンドの自由度が上がったように感じる。気の所為?ハリメグラだったっけなあ、灰太郎のシャウトの後ろで突然始まった桜井さんのギターが凄かった。凄すぎた。すべての調性、リズムなどから解き放たれたノイズ、サウンドの嵐。度肝抜かれた。まるでノイズやそういうものが存在しなかった世界に突然誕生したような新鮮さと驚き!これこそが音楽!と言いたくなる。

すげえ顔してる俺


終演後はここ恒例の打ち上げパーティー。こちらからすると子供や孫くらいの世代のバンドマンたちと交流するのが楽しい。眞柴さんは地元の音楽を若い世代から支えるというハッキリとした意識のある人で、頭が下がる。途中灰太郎が喋っている最中に桜井さんがウィル・スミスよりも鮮烈なビンタを見舞う。思わず笑ってしまった。
桜井さん「デビルマンやと思いました」と若者。そのとおりだ。ちょっと人に助けられすぎているが、良い一日だった。

最後ドラム叩きながらソロ


3/28祇園シルバーウイングス

ユキノさんとともに


毎年恒例カーマスードラのユキノさんのバースデーイベント。
昨年は灰太郎負傷のため欠場、その前年は今福さんが欠場でふらっと参加を決めて灰太郎とデュオで短いツアーをしたのだった。
地元からカーマスードラ、モンスターロシモフ、SGT、灰太郎カルテット。
出演前に時間があったので宿入ったあとスタンドへ。十年以上ぶりに来た。懐かしい。

スタンドにて


時間に戻ると主役のはずのカーマスードラ一番手。何故?ド派手なロックで開幕。
この辺りから少し不調(後日説明)もあって楽屋に引っ込む。イヤフォンしてたのは音楽聴いていたのではなくて理由あり後述。
皆さん真っ直ぐなロックであるところからの灰太郎カルテットは異端だろうがこちらはご機嫌だ。tubaの表音は比較的リバーブもあり。ベースでもホーンでもなく、歌のように扱ってほしいとオーダーした。出音は箱の通りギンギンにロックだが、それもうまくいっている。テキーラが美味い。最後でユキノさんも入って狂愛を。
この後のことも気遣って桜井さんと早めの退散。灰太郎達は毎回遅くまで飲みまくり部屋飲みもしている。元気だ。

ユキノさんのバースデーケーキを落として頭ペッタリになった灰太郎


3/29名古屋なんや

なんやにて


灰カル旅ラストはだいたいここ。時間に余裕があったので昼間京都散策したのは書いた。イライラと散財。
時間どおりくらいについてセッティング。この日はtubaを生にした。マイク、アンプの僕だけ。色々と解放しよう。
最終日に相応しくこの日が一番自由度が高かったと思う。ムチャクチャと紙一重の危うげなバランスがバンドを転がす。ロックだ。
マイク無しでも全くストレスはない。今回で一番ダイナミクスの差が激しい。これは喜ばしいことだ。途中、フリーインプロのライブ並みに色々やらかす。何かと楽しい。

背中合わせ

終盤近くで今回毎度恒例となる灰太郎ギターの不調を経て桜井さんと灰太郎がギターを交換する。灰太郎のヤマハのエレキが全く違う楽器の音のように響いて顎が落ちる。灰太郎が弾く桜井さんの楽器もまた違い、普通に爽やかなロックの音に聞こえる。弾く人によってここまで露骨に音色が変わるのかと驚嘆。いいものをきいた。旅終わりに相応しい大団円。


この日は名古屋ノイズの天NO!と言われているガイさんが観に来てくれてとても嬉しかった。名古屋に遊びに来たての頃のことを思い出した。

ガイさんと
ええ笑顔


このあとなんやで楽しく飲んで、珍しく今池へ向かい得三で飲み会。

久々にきた

僕は深夜まで夜ふかしして飲むのは珍しい方だ。店主森田さんと観に来てくれていたジュンさんたちと一緒にしこたま飲んだ。得三、昔はよく来ていたのに最近は名古屋はなんやにきて向かいのスーパーとの往復しかしてなくて少し寂しかったのだ。懐かしや。楽しや。

ブレイブコンボ


皆で記憶も朧気になるくらい飲んで気がついたらなんやにいた。楽しい夜だった。



3/30帰路。おまけ。

散財した岡崎PA


昼前に起きて仕込んでおいた飯食う。
いつもの宮の湯によって皆で入浴。温泉にはツアーでしか来ない。嫌いではないがなかなか足が伸びない。これも旅の風物。
ここからは高速道路移動。途中によったサービスエリアで色々買い物してしまう。最近の新東名のSAPAはお土産が充実しすぎている。少し渋滞も経て都内へ。思わず用賀で降りてしまった車で八幡山まで行ってもらってまさかの最初離脱。これで旅終わり。

今回は四日間と少し短めだった。すぐに灰太郎生誕祭が4/2にある。これが旅を締めるだろう。

2022年華村灰太郎生誕祭


今回も実り大き旅だった。
今回のツアー、ベースレス編成になって後少しで一年半。どうしてもベースパートを補完してしまう癖を今回意思で断ち切った。誰しも誰かの代わりにも役割にもなれない。tubaですらなく、自分は自分でしかない。そしたらバンドの自由度が上がった(と思う)。 

役割から解放されること。最後の日なんやpuyoさんが「自由な真剣さ」と言ってくれたのが嬉しかった。バンドをやるのはいい。喜びや悲しみ、失敗や衝突を繰り返して濃密な時間の経過とともに変化と醸成がある。家族や種族のようでもある。 

役割、といっても誰も僕にベースやってくれなんて言ってなくて勝手にやってたのは自分だった。そこからの解放。全員がどんなふうにもなれるバンドの自由。ゾクゾクするほど先が読めなくてずっと大笑い。先に何が起こるか分かってることほど、つまらないことはない。一体どうなるんだ?が続く快楽。
灰太郎カルテットにはこれらが詰まっている。確実に僕の人生を変えたバンドだ。これからも、楽しみだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?