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Eric Thielemans and kajo 入谷なってるハウス
昨日は入谷なってるハウスにて
Eric Thielemans
kajo 高岡大祐 石原雄治 藤巻鉄郎
飛び入りマザーファッカー 瀬尾高志
今回のエリックの来日最後のライブ、大入り満員ありがとうございました。
やりました!
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エリックの音楽から着想を得て10数年前に始まった歌女改めkajo、ようやっとエリックとの共演の機会。
いつもより少し空間をあけて緩めに設置。エリックは本来は客席の部分に秘蔵の小物を並べ立てる。
最初はエリックと高岡の二人から。
これからはじめようと、決めてきていた。
偶然にも向かい合わせになった。
これまでの演奏の印象を全部捨てて空の状態で挑む。
彼のサウンド、プレイがものすごいのはもわかっている。
それに対して考えたり構えたりするのはやめる。
技術を捨てることも考えない。とにかく無になる。
それだけは決めていた。
まず体の力を抜いて、音が出せなくても構わない。
ああしようこうしようもない。
自分の引き出しを使うのは自分にとって即興から遠くなるとは思いつつ、それにこだわるのもおろかなことだと、
自分の「持ち味」を捨てることはないと知る。
自分にもっともできることは、音を出すことだけだ。
とてもいい時間の流れ、じきに雄治と鉄郎が入ってくる。
四方八方から音が流れ込んでくるが、カオスや混沌とは程遠い。
歌女だった時のkajoよりも抑制が効いたサウンドの方向性。
エリックのしなやかでかつ強靭なサウンドは何処までも抜けてくる。どんな小さな音も粒立ちが鮮明で解像度が高い。
その音を逃さないような演奏になるのか。
二部はドラマー三人から。
内省的な方向のサウンドからはじまる。
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今日は我らが瀬尾高志が楽器持って遊びに来てくれていて、途中から入ってもらう。エリックの背後にコントラバスを横たえるところから、彼の彼らしい素晴らしい溶け込み方のプレイ。
高岡は低音が増えたことによって役割をさらに拡張し、離れることが出来た。
みんなよく動く。エリックから聞こえる歌声は、彼が実際に歌っているのか、あの魔法のようなタッチで楽器が奏でる耐えなる倍音なのか、区別がつかない。
知ったことか!なんにせよそれはとても美しく、聴き続けていたいであることは、微塵も変わらないのだから。最高だ。
初速がついていた物体の速度が、熱力学第三法則の通りに音と共に潰えようとするのを、小さな力が反するかのような名残をいくつか残して、それでも音楽は終わった。
客席は観ていないけど、私達を囲む人垣から歓声と共にエネルギーがその形で立ち上る。やった!
演奏だけではない、フィールドのエネルギーごと、ライブで音楽だ。
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さすがにこの日は親しい音楽仲間たちやkajoを長年観に来てくれていたオーディエンス、普段なかなか出会うことのない方々も見えた。感謝に堪えません。
室内にも表の喫煙所にも、あちこちに熱気が残って人同士が話し合っている。これもまた、大好きなライブの風景。
私達がやっているような、形も再現性もない、説明不能な音楽を楽しんでもらえるのが心から嬉しいし、(柄にもなく)それを共有できたような喜びも、あります。
喜びであり楽しみであり、これこそ生きている、とはっきり言える行為。
まさしくライブ=生きる、です。
様々な人たちの感想を聞くのも本当に面白くて南くんが
「これ、ニューオリンズやよね、高岡くんのルーツの」
ってわかってくれたの、めちゃくちゃ嬉しかった。
それぞれが他の人がやっていないことを役割としてやれて、その役割が交代できる。集団即興でもある。ドラムセットが生まれる前のドラムの姿でもある。
あんまり言ってなかったけど、エリックの音楽とニューオリンズから着想を得て作り上げたのがkajoでした。
「めちゃくちゃいいシステム作ったよね」とも。
そう、このトリオはこんなヘンテコな見かけなのにこれまでもあらゆるゲストと共演できていて、その都度違う音楽が生まれる。
一度なんてお客さんと一緒に叩く企画もやったことがあるけどそれでもただの参加ライブではないものが出来た。
我ながら、よくやったもんだと思う。
参ったなあ。これからはこれ以上のことやらないと。
実際、自分の持ち味を今まで以上に活かしつつ、まだ出来ていないやらなくてはいけない技術的な面も発見した。
やろう、生きている限り。ライブだしね。
というわけでありがとうございました。
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面目なくジャケットが完成できなかったkajoのニューアルバムも少し売れました。購入した方にはまた何らかの形でお渡しします。
今回のジャケットは久々に初心に帰り?特製スタンプでお送りします。特別注文の台座の制作にかなり時間かかってしまいました。
ありがとう、Eric!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!