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久留米市高良内小学校でのコンサート
学校についたらまた校長室で校長先生と一緒に給食を頂く。麦飯、磯煮、野菜の和え物、ゼリーと牛乳。先割れスプーンを出してもらって懐かしかった。
簡単なサウンドチェックをしていたらもう生徒たちは並んでいる。一旦外に出て全員が揃ったあとに外から板さんのホイヤーを演奏しながら練り歩き入る。
カウベルを叩きながら子供たちの真ん中を通る板さんと外山さん、大きなコントラバスの高志は大人気。
一時間のコンサートで、渡良瀬、ひでさん、70コキコキ、校歌、ドレミの歌、E.J.BLUES、Aトレインを演奏、中でもコキコキの時に板さんが一人の男の子と一緒にピアノを弾き始め、他の子もやりたいだろうなあと煽ってみたら、百人以上の子たちが前に詰め寄ってきて大騒ぎ、ドラムを叩くピアノは20人位が弾いていた、ホーンの私達は話しかけられまくる、いやあもう楽しい暴動みたいなとんでもないことに。
こんなすごいこと、なかなかないわ。
ブルースでは校長先生村中さんと外山さんのツインドラム、ほんとにこんなカッコいいドラム叩く校長先生がいるなんて、君たちが羨ましい。最後にAトレインやって。
小学校での音楽鑑賞、という枠を完全に飛び越えたとんでもないコンサート、どんなジャズバンドといってもこんなことはしないだろう。これこそが板橋さんの底しれぬエネルギーだと思う。
メンバー皆も村中さんのことが大好きになった。僕は個人的に想う、
板橋さんの演奏を聞いて感動した16歳の青年が、ドラムと音楽を本当に大事にして、教職につき、将来校長先生になって、自分が赴任する小学校に40年以上の時を越えてその大好きな人を呼んで、自分の教え子たちの前で共演する、ということの、言葉にしがたい奇跡的な素晴らしさを。
そして、そんなふうに誰かの生き方や考え方に大きなエネルギーを与える板橋文夫という人の大きなエネルギーを!
外山さんは「板さんはそうやって人のスイッチを入れるんだよ」って、まさしく!
今回で言っても、校長先生はもちろん、元お弟子で久留米でたこ焼き飲み屋にピアノを置いて音楽活動を続けるえつこさん、宮崎でコンサートを企画してくださった皆さん、お客さんの皆さん、都心では小学生の頃に一緒に歌って「将来おじさんと一緒にまた演奏するんだよ」という約束を本当に叶えた民謡歌手金子ユキさん、いや、もうどれだけの人達がいるのか想像もつかない。
(板さんいわく「弟子は千人を超える」と言っていた)
正直、自分が子供の頃にそんな大人たちに会いたかったな。なんてことも。
いや、今一緒にいる人たちは、そんなとてつもないことをずっとし続けている。
僕だって、そのスイッチを押して貰った一人だ。40歳近くの時で、随分と遅いかもしれないけど、今の自分があるのは確実にこのおかげだ。
その幸せを噛み締めている。
今日コンサートを体験した子たちの中の誰かが、楽器がやりたいとか、いや、何かやりたいことが自分に見つかるといいな。これさえあったら生きていけるというような、何かを見つけてくれたら、そのスイッチはずっと続いていくのだろう。
あー、旅が終わっちまうよ。
こないだ始まったばかりだが、全ていつか終わる。
日々を大事にしようと、本当に思わされる。
全ての関わった方々、見守ってくれた皆さん、ありがとうございました!
私達は幸せです。