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YAMAHA YBB-621 特殊改造完成その1
行った改造は、チューニング管(以下、主管)を70mm延長、三番管に水抜バルブ追加。
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特に重要なのは主管の延長でこれにより基本チューニングの低音化と安定化。
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(何故、低音化したかの理由は2に続く)。
それに伴って現れた効果として、迂回する管によって強い抵抗が生まれ音質が激変(個人的感想)、元々の抜けすぎる吹き心地(味)に一抹の不満があったものが解消。どっしりとした凄みのようなものが加わった。これは迂回した部分の空気抵抗と支柱が一本増えたこと、質量が増えてヘビーウェイト化したことも理由であると思う。
その分、演奏は若干困難になると思われる。以前のような爆速爆音演奏をするにはこの抵抗が仇となりうまくいかないかもしれない。高音を出す時も今まで以上に気合が必要になる。
これは慣れと修練によって克服できる可能性がある。
一度に吸う空気量で吹けるフレーズの長さも少し短くなった。感覚的には1割減くらい。それだけ抵抗感は強い。軽快な演奏には向かなくなってしまったかもしれないが、そういう向きのものは軽量なYBB-103を使えば良い、と割り切ろうと思う。それだけの強い負荷がかかるのを踏まえても、音色の変化の魅力は代えがたいものがある。これは副産物だったが、嬉しい誤算だ。
個人的感覚では、低音に凄みが出て黒くなった。光や明度が下がり音が締まった。まだあまり試してはいないが、強い抵抗を活かして同時多数的に倍音を奏でる奏法にも可能性が広がりそうだ。
正直に言えば、ヤマハらしいサウンドではなくなった。なのだが、操作性などはヤマハらしい感じを残しているので、かなり異形なオリジナル楽器のように思える。
三番管に水抜バルブを付けたのは、ライブ中に水分が溜まりやすいのに抜く時間が殆どなかったから。本来tubaはそんなに吹き続ける楽器ではないので問題にはならないのだろうけど、30分1時間吹き続けることもあるのでこれは前から解消したかった。
これを使って、どちらかというと低音が必要な演奏形態やバンド、歌モノ等にはこれでやってみたいことがたくさんある。
半ば馴れ合い、少しだけ諦めもありながら付き合ってきた621で、これからトライすることが増えたことを嬉しく思う。
この様な困難で前代未聞な改造を快く引き受けて下さったヤマハ・アトリエに感謝申し上げます。